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三宅 敬
Takashi Miyake
パナソニックワイルドナイツ
ポジション:ウイング、フルバック、センター
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みなさんこんにちは!
いつもトップリーグをはじめ、日本のラグビーを応援してくださっているみなさん、本サイトを心から楽しんでご愛読して頂いているみなさん、「たまたまここに行き着いた!」と、運命を手繰り寄せたそこのアナタ、今回のキャプテン会議コラムのバトンを受け継ぐことになりました、パナソニックワイルドナイツ普及担当の三宅敬(みやっきー)です。また、私事ではありますが、5月2日を持ちまして31歳となりました。この歳になっても昔と変わらず心からラグビーを愛し、楽しみ、苦しいことも乗り越えることが出来る自分があるのは、周りの方達のサポートや応援があってこそだと思っております。
とはいえ、これから先ずっとトップレベルで現役を続けていくことはなかなか難しいので、常に『引退』のカウントダウンが来てもいいように、日本ラグビー界のために、普及活動という形で数年前から感謝の気持ちを込めて実施しております。
主にタグラグビーを中心とした指導を、地元群馬県の小・中学生に広めております。
普及活動を始めてみて感じたことは、なかなかラグビーボールに触れ合う機会が無い子供たち、ラグビー自体を知らない子どもたちが思った以上にいるということです。
僕は小さい頃からラグビーをやっていたので、ラグビーを全く知らない子どもがいることに最初は驚きました。実際に指導にあたると、僕が当たり前だと思っていたことにギャップがあり、考え方を改めるようになりました。したがって、根本的な部分から指導していく難しさがあり、「これは知っているだろう」とか、「これなら誰でも出来るだろう」など、ラグビー経験者的観点では絶対教えないように心がけました。子どもたちに伝わらない時は、僕自身がラグビーと出会ったときのことを思い出して、初心者であった自分に戻り、指導をしていたりしています。
そういう指導方法を経験し、身に付けていくと、現在の自分のプレーにも反映する部分が多いことに気づき、今もなお成長することが出来ている要因だと思っております。
そして僕はラグビーを追及していく上で、もう一つ大切にしていることがあります。
ラグビーはご存じの通りチーム競技です。いかにチームをまとめ上げて、団結していくかによって勝敗に大きく影響してきます。そのために苦しい練習や、激しく痛みの伴う練習を仲間と一緒に繰り返し行うことでチームは出来上がります。しかし、練習だけがチームの絆を深める方法だとは思っていません。プライベートでの時間をいかに仲間と共有できるかも大事な方法だと考えています。もちろんプライベートである以上、みんながみんな同じタイミングで寝食を共にすることは不可能です。既婚者もいれば独身者がいて、アウトドア派がいればインドア派もいて、お酒の好き嫌い、肉食系・草食系に分かれたり、ディズニー党とUSJ党の派閥争いや関西会という独自の組織を作るものなどいろんな個性がチームにはあります。
そんな個性をプライベートという貴重な時間を使って一つにするのはかなりの困難を極めますが、僕は、合宿の打ち上げやシーズン終了の納会といった全員が集まる機会に、上手く楽しい企画を持ち込み、練習以外でみんなと楽しむことに励んでいます。
人に自慢できる趣味が無いのですが、2〜3年前からバーベキューを本格的にやっております。
一人でやるのではなく、数名の選手達とお金を出し合って道具を購入し、そこそこの頻度で行っています。バーベキューは仲間の絆を深めるには最大の威力を発揮します。買い出しから片付けまで全員が協力し合って、「来たときよりも美しく」の精神で取り組みます。
水のキレイな河原でやるときもあれば、真夏の海辺で肉と肌をこんがりと焼いたり、年越しバーベキューという過酷な寒さの中、誰一人体調を崩すことなく無事に年を越したりなどの経験もありました。
他にもたくさんのバーベキューの思い出がありますが、共通して言えるのは、火を囲みお酒を飲みながらラグビーの話をすることで互いの気持ちを理解し、より強い結束力が生まれております。
最終的に皆さんに伝えたいのは、良くスポーツの世界で言われる『ONとOFFの切り替え』が凄く重要だということです。
休みを返上して練習ばかり行ってもどこかで身体が悲鳴を上げるし、プライベートでの不摂生があくる日の練習に差し支えるなんてことはありえません。
仲間と一緒に思い切り練習をして、思い切り遊ぶというのが今までに経験してきた中で学び得た部分であります。
数あるスポーツの中でも僕がラグビーを選び、今日までやってこられたのも全ては仲間のおかげです。普及活動を通じてラグビーボールを一度でもパスをし合ったら、それはラグビーという大きな組織の仲間だと僕は思っております。そんな仲間をたくさん増やしてプライベートでも仲良く出来たら素晴らしいですよね。
現在日本は東日本大震災の影響で、少しずつではありますが復興してきているとはいえ、まだまだ東北地方を中心に元気がありません。
全国各地にいるラグビーの仲間が率先して何でも良いから復興へのパスを繋げましょう!
ラグビーのパスは後ろにしか放れないので、パスを受け取った人は1歩でも良いから前進し、また誰かにパスをしましょう。そういうパスの輪が、地道かもしれませんが絶対大きな力になると僕は信じています。
また信じることは力でもあります。
最後になりますが今シーズンの意気込みとして、僕はそういう気持ちを持ち続け、試合では1歩でも前に出て仲間にパスを繋げたいです。