開催日 | Kick Off | Host | Visitor | 会場 | |
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10/20(土) | 12:00 | NECグリーンロケッツ | 33-48 | 東芝ブレイブルーパス | 秩父宮 |
10/20(土) | 12:00 | NTTドコモレッドハリケーンズ | 29-37 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 近鉄花園 |
10/20(土) | 13:00 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 30-23 | 福岡サニックスブルース | 東北電ス |
10/20(土) | 13:00 | ヤマハ発動機ジュビロ | 52-8 | 九州電力キューデンヴォルテクス | ヤマハ |
10/20(土) | 14:00 | サントリーサンゴリアス | 34-20 | パナソニック ワイルドナイツ | 秩父宮 |
10/20(土) | 14:00 | 近鉄ライナーズ | 10-18 | トヨタ自動車ヴェルブリッツ | 近鉄花園 |
10/21(日) | 13:00 | キヤノンイーグルス | 17-35 | リコーブラックラムズ | ニッパ球 |
サントリー、超攻撃ラグビーでパナソニック圧倒
神戸製鋼、東芝も勝ち点5獲得で2、3位死守
TL通算トライ数を99に伸ばしたサントリーWTB小野澤。パナソニック山田とのトライ王対決は1-1で引き分けもチームは快勝 |
「どんだけ止めても攻めてくる」
まったく背伸びせずに率直に脱帽感を表現してくれたパナソニック ワイルドナイツ霜村誠一主将の言葉が全てを物語っていた。
前半戦総決算に相応しく昨季の4強が集結。今季最高の1万2000人を超える大観衆が集まった20日の東京・秩父宮ラグビー場で最も強烈な印象を残したのは、成熟度を一気に上げてきた王者サントリーサンゴリアスの充実ぶりだった。
「80分間、切れることなくゲインラインを目指してプレーしてくれた」(サントリー大久保直弥監督)
8ヵ月前のプレーオフファイナルの再現となったパナソニックとの大一番。
前節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦(25-22)で「ブレイクダウンで12回ターンオーバーされた」(同監督)という反省を受け、2人目のサポートを上げてアタックを継続させていくという課題を完全に消化。
「自分たちのアタッキングラグビーでは、ボールリサイクルがとても大事。次につながるレベルの上がる試合ができた」と、LO真壁伸弥主将も胸を張る内容で、ターンオーバーを狙ってくるパナソニックディフェンスをブレイクダウンで制し続けた。
象徴的だったのは、2試合合わせて計18トライが生まれたこの日の秩父宮でのラストトライとなった後半31分のダメ押しのシーン。
自陣でターンオーバーしたボールを30フェイズ以上重ねて攻め続け、最後はさすがに綻びが見えかけたパナソニックのディフェンス網をハンター然としたFLジョージ・スミスが冷徹に、しかも獰猛に打ち破って前に出て、フォローしたCTBニコラス ライアンにつなぎ、「アグレッシブ、アタッキングラグビー」を完結させた。
ニコラス自らがコンバージョンを決めて34-20。この時点で残り時間は8分ほどあり、パナソニックが追いつく可能性も十分残されていたが、多くのパナソニックの選手たちは、ヒザを突き、手を腰にあててうなだれ、あるいは天を見つめ……実質的にはこの象徴的なトライで勝敗の行方は揺るぎないものとなった。
完全に自分たちのラグビーをやりきって全勝を守ったサントリー(勝ち点34=1位)に対して、「しっかりいい準備をしてきたが、それを上回るアタッキングラグビーをされて」(霜村主将)完敗するかっこうとなったパナソニックは早くも3敗目(勝ち点21=6位)。
トップ4入りのためには、「もう負けられない」(中嶋則文監督)状況となった。
"新ダービー"誕生?
キヤノン - リコー戦に8千人超の大観衆
一方、サントリー - パナソニック戦の前に組まれていたのはNECグリーンロケッツ - 東芝ブレイブルーパス戦。
こちらは、昨季のセミファイナリスト同士の対戦だった。
「自分たちを高めてくれるチーム」
そんなふうに対戦相手について語ったのはNECのLO浅野良太主将。
FWを中心にフィジカル面で相手を制しながら前に出て行くことをベースにするチームスタイルも相通じるものがあり、企業特性から言ってもお互いにライバル意識は強い同士の対戦は、立ち上がりからトライの取り合いとなった。
開始5分でNECがSO田村優のインゴールへのグラバーキックをWTBネマニ・ナドロが押さえて先制したが、試合は時間の経過とともにFW戦で優位に立つようになった東芝ペースに。
敵陣深くのPKでもスクラムを選択して攻めきり、あるいはラインアウトからモールでと、東芝らしい力強さを見せつけるように、後半33分までに計7トライを重ねて48-19と大きくリード。
NECもロスタイムに東芝に攻め込まれながらも、ターンオーバーからボールをつないでWTB釜池真道が自身にとってのハットトリックでもある意地のトライを返すなど、計5トライを奪い、ボーナスポイントは獲得。
最終スコアは48-33で東芝が1敗を守った(勝ち点28=3位)。
昨季の対戦で19-0とリードしながら逆転負けを喫していた東芝にとってはリベンジを果たしたかっこうだが、「アタックでは5次攻撃以降になるとサポートが遅れてスローボールにしてしまったり、ディフェンスではファーストタックルの精度だったり」(和田賢一監督)と、シーズン後半に向けてのチームとしての課題がはっきりするゲームともなった。
一方、前述のとおりボーナスポイントこそ獲得したものの、シーズン5敗目を喫したNEC(勝ち点11=11位)は、早くも崖っぷちに立たされた状況。
「フィジカルなファイトは楽しめた。足りなかったのは勝利だけ。次の試合からはそれを勝ち取れるようにがんばるしかない」と、浅野主将が言う通り、トップ4に生き残るためには残り試合を勝ち続けるしかない。
同日(20日)の大阪では、揃って3週連続での近鉄花園ラグビー場に登場となった神戸製鋼コベルコスティーラーズと近鉄ライナーズが明暗を分けた。
第1試合では、神戸製鋼がNTTドコモレッドハリケーンズに前半13-19とリードされながら、後半、クレイグ・ウィング、ジャック・フーリーのCTB陣の活躍などで37-29で逆転勝ち。無敗を守った(勝ち点30=2位)。
依然、白星がない苦しい状況が続くNTTドコモ(勝ち点1=14位)だが、後半もWTB平瀬健志主将のトライやSO伊藤宏明のPGでいったんは試合をひっくり返すなど、粘りは出て来た。
第2試合では、前節でサントリーを追い込んだトヨタ自動車が近鉄とのタイトなゲームをものにして18-10で勝利。近鉄に替わって7位(=勝ち点19)に浮上した(近鉄は8位=勝ち点16)。
トヨタ自動車では、注目の元NZ代表FL/NO8ジェローム・カイノが後半23分から途中出場して、トップリーグ初お目見えを果たす一方、NO8菊谷崇が同100試合出場を達成した。
また、地元静岡・ヤマハスタジアム(磐田)で九州電力キューデンヴォルテクスから8トライを奪い猛攻を見せて52-8で大勝したヤマハ発動機ジュビロが順位を1つ上げて4位へ(勝ち点23)。
新潟・東北電力ビッグスワンスタジアムでの福岡サニックスブルースとの死闘(30-23)を制したNTTコミュニケーションズシャイニングアークスも前節の6位から5位に浮上した。
試合終了3分前にNTTコムのWTB友井川拓主将に決勝トライを奪われ涙をのんだ福岡サニックスは12位のままボーナスポイント1を加えて勝ち点は6に。
21日、1試合だけ行われたのはキヤノンイーグルス対リコーブラックラムズ戦。ライバル企業同士の"ダービー"マッチに、今季秩父宮以外の開催での最多観客である8,073人が集まり、両チームとも気持ちの入った熱い戦いが繰り広げられたが、後半ペースをつかんだリコーが4連続トライで逆転勝ち(35-17)。
これで、リコーは4連敗の後、3連勝でキヤノン(10位=勝ち点11)と入れ替わって9位へ(勝ち点16)。FBにスピードランナーの横山伸一を入れる超攻撃的布陣も機能し始めているだけに、後半戦に向けて台風の目になっていきそうだ。
(text by Kenji Demura)
サントリーCTBニコラスにタックルにいくパナソニックCTBウィリアムズ。さすがのSBWもあまり見せ場なし |
タックルを受けながらボールをつなごうとする東芝SO吉田良。チームとしてはサポートの遅さに対する反省も |
東芝の激しい当たりに負けずに突破をはかるNO8土佐。肉弾戦を臨みながら結果が出ないNECは早くも5敗目 |
8千人を超える観衆を集めたキヤノン - リコー戦は後半4トライを重ねたリコーが逆転勝ち |
[10月21日]8000人が燃えた"ダービー"はリコーがキヤノンに逆転勝ち
第7節、最後の1試合が行われ、後半持ち前のアタッキングラグビーを爆発させて4トライを重ねたリコーブラックラムズがキヤノンイーグルスに35-17で逆転勝ち。3連勝で勝ち点を16に伸ばし、9位に浮上した。
8000人を超える観衆を集めた、ライバル企業同士のダービーマッチに勝利したWTB小松大祐主将は「練習から雰囲気が変わってきているし、一体感が出て来た結果」とチームワークを強調。
一方、前半は激しいプレーで優勢だったキヤノンだが、永友洋司監督が「勝つ文化が足りない」と認めたとおり、勝負どころでリズムを失い、順位を前節までの9位から10位に下げた。
第7節を終わり、全勝のサントリーサンゴリアスが勝ち点34で首位をキープ。1分を守った神戸製鋼コベルコスティーラーズが勝ち点30で2位、1敗を守った東芝ブレイブルーパスが勝ち点28で3位につけている。
前半36分にトライを奪うなど、度々ビッグゲインを見せたリコーFB横山伸がMOMに輝いた |
初先発した元オールブラックのキヤノンCTBトエアバだが勝利には貢献できず |
(text by Kenji Demura)
[10月20日]サントリーがパナソニックに快勝。神戸製鋼も無敗守る
昨季の4強が勢揃いした東京・秩父宮ラグビー場では、東芝ブレイブルーパスとサントリーサンゴリアスがそれぞれ勝ち点5を奪う快勝を収めた。
第1試合でNECグリーンロケッツと対戦した東芝はセットプレー、ブレイクダウンでの優位性を生かすかたちで計7トライを記録する猛攻ぶり。「ディフェンスではファーストタックルの精度に問題がある」(和田賢一監督)ことも影響して5トライを奪われたものの48-33で1敗を守った。
続く第2試合では、「80分間キレることなく、ゲインラインを目指してくれた」と大久保直弥監督を喜ばせる攻撃姿勢を見せたサントリーが後半圧倒。後半15分以降に3トライを重ねて、34-20で逆転勝ちを収めた。
パナソニック ワイルドナイツは今季開幕から連続試合トライ記録を続けるWTB山田章仁のトライで先制したものの、時間の経過とともにサントリーのアタックを止められなくなり、力の差を見せつけられるかっこうとなった。
大阪・近鉄花園ラグビー場では前半13-19とNTTドコモレッドハリケーンズにリードされた神戸製鋼コベルコスティーラーズが後半3トライを重ねて37-29で逆転勝ち。近鉄ライナーズ-トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦はトヨタ自動車が18-10で振り切った。
新潟・東北電力ビッグスワンスタジアムのNTTコミュニケーションズシャイニングアークス-福岡サニックスブルース戦は終盤まで勝負がもつれたが、後半37分にWTB友井川拓主将が決勝トライを決めたNTTコムが30-23で際どく勝利。
静岡・ヤマハスタジアム(磐田)ではヤマハ発動機ジュビロが九州電力キューデンヴォルテクスから8トライを奪い52-8で大勝した。
NECのディフェンスをはねのけながら前に出た東芝が1敗をキープ(写真はCTB仙波ゲームキャプテン) |
先発出場したサントリーSOピシは後半22分にリードを奪うトライを挙げるなど勝利に貢献 |
(text by Kenji Demura)