トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

リーグ戦 第4節(9/21 - 9/23)

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試合結果

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場
9/21(金) 19:30 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 14-9 リコーブラックラムズ 秩父宮
9/22(土) 17:00 サントリーサンゴリアス 42-17 キヤノンイーグルス 秩父宮
9/22(土) 17:00 近鉄ライナーズ 48-11 九州電力キューデンヴォルテクス 豊田ス
9/22(土) 19:00 東芝ブレイブルーパス 32-22 パナソニック ワイルドナイツ 秩父宮
9/22(土) 19:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 23-23 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 豊田ス
9/23(日) 15:00 NECグリーンロケッツ 42-13 NTTドコモレッドハリケーンズ NDスタ
9/23(日) 15:00 ヤマハ発動機ジュビロ 53-27 福岡サニックスブルース 富山陸

速レビュー

サントリーが勝ち点20で単独首位をキープ
パナソニックを圧倒した東芝、好調ヤマハも全勝守る

 
 

後半5分のWTB小川のトライにつながる突破など、力強い走りでNTTコムの勝利に貢献したCTBツイランギ
photo by Kenji Demura (RJP)

 王者サントリーサンゴリアスはキヤノンイーグルスに大勝して勝ち点を20に伸ばし、首位をキープ。
注目の東芝ブレイブルーパス-パナソニック ワイルドナイツ戦はFW戦で圧倒した東芝が32-22で快勝。福岡サニックスブルースを倒したヤマハ発動機ジュビロと共に全勝を守り、勝ち点18で王者サントリーを追走。
一方、前節まで3戦3勝だった神戸製鋼コベルコスティーラーズはトヨタ自動車ヴェルブリッツと引き分けて、勝ち点15の4位に。
第5節は1週間のショートブレイクを挟み、10月5日に再開される。

 開幕から4週連続となった東京・秩父宮ラグビー場での金曜ナイターでは、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの勝負強さが目立った。
 パナソニック ワイルドナイツから大金星を奪った(25-22)第2節と同様、風下の前半はリコーブラックラムズに攻め込まれる時間帯が多い苦しい展開に。
 それでも、試合後に林雅人監督が「強いパナソニックに対して19点差をひっくり返したので、3点差なら希望があった」と、振り返ったとおり、ディフェンスで粘って前半を3-6で折り返した時点で、得意の逆転勝ちへの針路がチーム全体に浸透していたようだ。

「前半はリコーFWのプレッシャーでいいボール出ない最悪の出来だったが、FWのセットプレーは調子良かったので、後半風上になれば何とかチャンスになる」
 ゲームキャプテンを務めたFL小林訓也が代弁してくれたとおりに、後半5分にCTBアレサナ・ツイランギの突破からチャンスをつかんでWTB小川優輔のトライで逆転。粘りのDFは最後まで崩れず、リコーをノートライに抑えて14-9で思惑どおりの逆転勝ちを収めた。
 何度も相手ゴール近くまで攻め込みながら、トライラインを超えられなかったリコーにとっては、「ゲーム全体としての出来は悪くなかったが、アタックのところでゴール前でのストラクチャーが崩れた」(山品博嗣監督)と、フラストレーションが残る敗戦となった。

 翌22日には同じく東京・秩父宮ラグビー場と愛知・豊田スタジアムでそれぞれダブルヘッダーが組まれた。
 秩父宮での第1試合では、王者サントリーサンゴリアスに初昇格のキヤノンイーグルスが挑んだが、前半3分にCTBティム・ベネットのトライで先制したキヤノンだったが、時間の経過とともにサントリーが地力の違いを見せつけて計5トライを重ね、42-17で大勝。
「最後はサントリーらしいラグビーができた」と、ゲームキャプテンを務めたPR畠山健介が振り返ったとおり、王者らしさを感じさせる試合となった。

終盤追い上げたトヨタ自動車は神戸製鋼と引き分け

 続いて行われた、注目の東芝ブレイブルーパス-パナソニック ワイルドナイツ戦には今季最高の1万2289人の観衆が集まった。
 試合の方は、前節のNTTドコモレッドハリケーンズ戦から、「固まりになって動いていく」(和田賢一監督)ことを意識して、復調の兆しを見せていた東芝FWが立ち上がりからブレイクダウンで圧倒。
 前半11分のFLスティーブン・ベイツのトライを皮切りに計5トライを重ねて32得点。

 パナソニックも前半24分にCTBソニー ビル・ウィリアムズの来日初トライとFB田邉淳のゴールでいったんは10-10の同点に追いつき、後半には現在トライ王のWTB山田章仁が2トライを奪ったが、FW戦での劣勢は如何ともしがたく、CTB霜村誠一主将が「東芝の立ってつなぐプレーにやられた」と完敗を認める10点差での敗戦となった。

 一方、豊田でのトヨタ自動車ヴェルブリッツ-神戸製鋼コベルコスティーラーズ戦も、昨季の同カードから約倍増となる7000人以上の観衆が見つめる中で行われた。
 前半は開幕3連勝で並に乗る神戸製鋼がFW戦で優位に立ち、チャンスには「トヨタ自動車のディフェンスが順目への対応が遅い」(苑田右二ヘッドコーチ)というスカウティングを生かし、エースCTBジャック・フーリーを大外に置く布陣を生かすなどして、2トライを奪い17-3と大きくリード。

 後半もSOピーター・グラントのPGで加点したが、時間の経過とともに「前半はいつもより大きくボールを動かしていき、ハーフタイムに後半はタテの動きも入れていった」(廣瀬佳司監督)というトヨタ自動車のアタックがゲインラインを突破する場面が多くなり、17分にNO8菊谷崇、32分に麻田一平とトライを重ねて同点に。
 試合終盤もトヨタ自動車が攻め続けたが、インゴールに飛び込みながらのノックオンやDGの失敗もあって、そのまま23-23の引き分けに終わった。
「勝ちたかったけど、去年までなら負けていたのを同点で踏ん張れたのは大きい」(神戸製鋼・FL橋本大輝主将)
「後半、ウチのペースに持っていった選手たちのエナジーには満足している」(トヨタ自動車・廣瀬監督)
 上位進出を狙う両チームにとって、中盤戦以降につながる意義のある勝ち点2となった。

 

後半17分のNO8菊谷のトライなどで終盤追い上げたトヨタ自動車にとっては今後につながる引き分けに
photo by Kenji Demura (RJP)

前半18分のトライなど攻守に活躍を見せた神戸製鋼CTCフーリーだが、勝利には貢献できず
photo by Kenji Demura (RJP)

 豊田スタジアムの第1試合では、今季ここまで自分たちのミスで試合を失うケースの多かった近鉄ライナーズのアタッキングラグビーが時間の経過とともに精度を増していき後半だけで6トライを重ねて、48-11で九州電力キューデンヴォルテクスに快勝。
 前々節のサントリー戦(29-34)、前節のトヨタ自動車戦(15-19)と、善戦が続いていた昇格組の九州電力だが、負傷退場者が相次ぐなど、トップリーグの厳しい戦いを続ける中で選手のコンディションが下がっていることが如実に表れた試合となってしまった。

 24日にはヤマハ発動機ジュビロが開幕からの好調ぶりを維持するかたちで、福岡サニックスブルースに53-27で大勝。
 後半、福岡サニックスのWTBカーン・ヘスケスに連続トライを許すなど「ほとんどポイントを取ることを諦めていたサニックスに勝ち点1をプレゼントしてしまった」(清宮克幸監督)という反省点は残るものの、FW戦で圧倒し、CTBマレ・サウ、WTB中園真司、同・徐吉嶺などが、次々にラインブレークを重ねるスタイルで、思惑どおりに勝ち点5を加えた。

 同日にNDソフトスタジアムで行われた「みちのくシリーズ」第1弾のNECグリーンロケッツ-NTTドコモレッドハリケーンズ戦は、前節、近鉄に競り勝って今季初勝利を挙げたNECが勢いをそのまま持続したかたちで42-13で快勝した。

(text by Kenji Demura)

 

ようやく近鉄らしいアタッキングラグビーが炸裂して48-11で九州電力に大勝(写真はCTB大西)
photo by Kenji Demura (RJP)

ヤマハ発動機は強いFWをベースに福岡サニックスを圧倒。FLコリンズは全盛期を思い出させる激しいプレーでMOMに
photo by Kenji Demura (RJP)

 

速報サマリー

[9月23日]好調・ヤマハ発動機が全勝キープ。"みちのく第1弾"山形ではNECが快勝

第4節の最後の2試合、NECグリーンロケッツ-NTTドコモレッドハリケーンズ、ヤマハ発動機ジュビロ-福岡サニックスブルースが行われた。

富山県総合運動公園陸上競技場ではヤマハ発動機が途中出場のWTBパトリス・オリビエの3トライなど計7トライを重ねて53-27で快勝。「改善すべき点はあるが、富山のファンにいいラグビーを見せられた」と、清宮克幸監督も一定の評価を与える内容で開幕4連勝を飾った。
一方、前半11分のWTB永留健吾のトライで先制した福岡サニックスだったが、「自分たちのミスからトライを取られた」(CTB濱里周作副将)と自滅するかたちで大量失点を許して3敗目。それでも、後半、途中出場したWTBカーン・ヘスケスの2トライなど、計4トライを記録してボーナスポイントを獲得するしぶとさは見せた。

NDソフトスタジアム山形では、昨季のトライ王WTBネマニ・ナドロのハットトリックなど、計6トライを挙げたNECが42-13でNTTドコモに快勝。昨季、初昇格だったNTTドコモにまさかの敗戦を喫したリベンジを果たした。

第4節を終わり、4試合すべてで勝ち点5を挙げてきたサントリーサンゴリアスが勝ち点20で首位をキープ。やはり4戦全勝の東芝ブレイブルーパスとヤマハ発動機ジュビロが勝ち点18、3勝1分けの神戸製鋼コベルコスティーラーズが勝ち点15という上位陣となっている。

トップリーグ第5節は、1週間のショートブレイクをはさみ、10月5日に再開される。

開幕から破竹の勢いのヤマハ発動機が4連勝を飾った(写真は何度もラインブレークしてチャンスをつくったCTBサウ)
photo by Kenji Demura (RJP)

(text by Kenji Demura)

[9月22日]東芝が5トライを奪ってパナソニックに快勝。サントリーが単独首位を守り、神戸製鋼-トヨタはドロー

注目の東芝ブレイブルーパス-パナソニック ワイルドナイツ戦(東京・秩父宮ラグビー場)は前半11分のFLスティーブン・ベイツのトライを皮切りに5トライを奪った東芝がパナソニックに32-22で快勝。全勝を守り、勝ち点を18に伸ばした。
パナソニックは前半24分のCTBソニー ビル・ウィリアムズのトライとFB田邉淳のゴールでいったんは10-10に追いつき、後半も現在トライ王のWTB山田章仁が2トライを加えたが、東芝に力負けするかたちで早くも2敗目。

また、東芝-パナソニック戦に先立って行われたサントリーサンゴリアス-キヤノンイーグルス戦は、地力の違いを見せつけたサントリーが初昇格のキヤノンを42-17で倒して4試合連続となる勝ち点5を獲得。総勝ち点を20に伸ばし、単独首位を守った。

愛知・豊田スタジアムでは、前半、CTBジャック・フーリーのトライなどで神戸製鋼コベルコスティーラーズに3-17と大きくリードされた地元・トヨタ自動車ヴェルブリッツが、後半17分のNO8菊谷崇、同32分のSH麻田一平のトライなどで追い上げ、23-23の引き分けに持ち込み、地元ファンを沸かせた。

トヨタ自動車-神戸製鋼戦に先立って行われた近鉄ライナーズ-九州電力キューデンヴォルテクス戦は、後半6トライを重ねた近鉄が48-11で大勝し、2勝目を挙げた。

激しくボールを奪い合う神戸製鋼LO伊藤とトヨタ自動車CTBシリベヌシ。両者譲らず23-23の引き分けに
photo by Kenji Demura (RJP)

後半14分のSO重光のトライ(写真)など、計7トライを奪った近鉄が九州電力に48-11で大勝
photo by Kenji Demura (RJP)

(text by Kenji Demura)

[9月21日]NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 14-9 リコーブラックラムズ

21日、東京・秩父宮ラグビー場で行われたNTTコミュニケーションズシャイニングアークス-リコーブラックラムズ戦は、後半5分のWTB小川優輔のトライで逆転したNTTコムがリコーをノートライに抑える堅守もあって、14-9で勝利を収めた。

前半、風下のNTTコムは自陣に攻め込まれる時間帯も長く、3-6とリードされて前半を折り返す苦しい展開。それでも「前半はリコーFWのプレッシャーを受けて、いいボールの出ない最悪の出来だったが、後半風上になればチャンスが出てくると思っていた」と、ゲームキャプテンを務めたFL小林訓也が語ったとおり、後半はFW戦で優位に立って1トライ、2PGを重ねた。

一方のリコーは立ち上がりからいいリズムで攻めながら、自分たちのミスで自滅する場面も多く、後半、「ひたむきさと、タックルの激しさ、ブレイクダウンの激しさで受けてしまった」(WTB小松大祐主将)ことも響いて、逆転を許した。

NTTコムは2勝2敗として勝ち点を9に伸ばし、一方のリコーも0勝4敗ながら、7点差以内の敗戦に与えられるボーナスポイントを獲得して勝ち点1とした。

2人がかりでタックルにいくNTTコムCTB山下(左)とFL小峰。リコーをノートライに抑えたNTTコムが2勝目を挙げた
photo by Kenji Demura (RJP)

(text by Kenji Demura)

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