トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

リーグ戦 第3節(9/14 - 9/16)

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試合結果

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場
9/14(金) 19:30 リコーブラックラムズ 19−37 サントリーサンゴリアス 秩父宮
9/15(土) 17:00 キヤノンイーグルス 22-32 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 秩父宮
9/15(土) 17:00 ヤマハ発動機ジュビロ 25-19 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス ヤマハ
9/15(土) 19:00 東芝ブレイブルーパス 64-12 NTTドコモレッドハリケーンズ 秩父宮
9/16(日) 15:00 パナソニック ワイルドナイツ 55−15 福岡サニックスブルース 足利陸
9/16(日) 17:00 近鉄ライナーズ 17−21 NECグリーンロケッツ 瑞穂
9/16(日) 19:00 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 19−15 九州電力キューデンヴォルテクス 瑞穂

速レビュー

サントリー、東芝、パナソック快勝。NECも初白星
上位陣が"らしさ"を取り戻す戦いぶりを披露

 
 

SHデュプレアが先発復帰してゲームコントロール力の増したサントリーが勝ち点15で首位を堅持
photo by Kenji Demura (RJP)

東芝はNTTドコモから10トライを奪う快勝ぶり。今季初先発のFLリーチもよく前に出た
photo by Kenji Demura (RJP)

 昨季9位のNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが同・準優勝のパナソニック ワイルドナイツを倒すなど、下位が上位を追い詰める試合が相次いだ第2節から一転。第3節は昨季のベスト4チームなどの上位陣の充実ぶりが目立つ展開となった。

前節、「勝って反省できることだけが収穫」(LO真壁伸弥主将)という内容で、昇格組の九州電力キューデンヴォルテクスに苦戦(34-29)していた昨季の覇者サントリーサンゴリアスは、東京・秩父宮ラグビー場での金曜ナイターに登場。

立ち上がり、リコーにゴール前まで攻め込まれるシーンもあったが、粘り強く守ってターンオーバーを重ね、5分に敵陣でのラインアウトを起点にFB有賀剛が先制トライ。
試合後、大久保監督が「キックオフからの4分間に凝縮されていた」と語ったとおり、立ち上がりの攻防でリコーには失点を許さず、逆にしっかりトライを取り切ってみせたことで、王者らしく試合の主導権を握った。

「今日は攻守が入れ替わっても動き続けてくれた。先週の試合ではボールを見ている時間が長かったが、ひとりひとりの反応の部分では成長が見られた」(同監督)
前半32分には、再び敵陣深くでのラインアウトからFWで攻めた後、九州電力戦では揃って欠場していたSHフーリー・デュプレアからSO小野晃征へとつないで2トライ目。
小野は自らのトライ以外にも、2ゴール、1PGを決めて、プレースキッカーとしての仕事でも合格点を与えられる内容。
そして、デュプレアの状況判断のいいゲームメイクがサントリーに王者らしい安定感をもたらしていたことも間違いなかった。
後半に入っても、真壁主将、途中出場のSOトゥシ・ピシ、同CTB野村直矢がトライを重ねて、計37得点。3試合連続となる勝ち点5を獲得して、単独首位を堅持した。

翌15日、同じく秩父宮での土曜ナイターでは東芝ブレイブルーパスの「スタンディングラグビー」が炸裂した。
前半20分間こそ、NTTドコモレッドハリケーンズの粘り強いDFに無得点に終わったものの、23分に伝家の宝刀とも言えるドライビングモールでトライを奪うと、以降はとにかく立って、激しくボールを前に運ぶスタイルで攻撃し続けた。
NO8豊田真人主将が「22人80分間前に出てくれた」と胸を張ったとおり、東芝らしさを取り戻すかたちでの計10トライ、64得点での爆勝となった。

好調を維持するヤマハ発動機、神戸製鋼
トヨタ自動車は際どく2勝目

一方、2週続いて日曜デーゲーム(16日/栃木・足利市総合運動公園陸上競技場)を戦ったパナソニック ワイルドナイツは、前節の敗戦によるショックを一掃する完璧な内容のラグビーを見せて、福岡サニックスブルースに55-15で快勝。
前節に続いて2戦連続先発出場となったCTBソニー ビル・ウィリアムズは次々に味方のトライをお膳立てする活躍を見せた。

共に序盤戦で苦しんだパナソニックと東芝は次節で直接対決(22日、東京・秩父宮)。両チームとも、今節では"らしさ"を取り戻して調子を上げているだけに、熱戦が繰り広げられそうだ。

16日、愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場では、昨季ベスト4のNECグリーンロケッツが今季初白星を挙げた。
近鉄ライナーズのミスに助けられた面もあったが、80分間通して粘りのDFが機能。後半、途中出場したSO田村優がBK陣をうまくリードして、後半11分に田村、同15分にWTBネマニ・ナドロと、効果的にトライを重ねて21-17で競り勝った。
グレッグ・クーパーヘッドコーチが「80分間、DFで体を張り続けてくれた選手たちのことを誇りに思う」と語ったとおり、こちらも"らしさ"を取り戻するかたちでの、初勝利となった。

昨季の4強以外では、今季開幕から連勝を続ける神戸製鋼コベルコスティーラーズとヤマハ発動機ジュビロがそれぞれ白星を重ねて、好調ぶりをアピールした。

15日に東京・秩父宮でキヤノンイーグルスと対戦した神戸製鋼は、セットプレー、ブレイクダウンでの優位性を生かすかたちで、前半だけで4トライを奪い、早くもボーナスポイントを獲得。後半、追い上げられたものの、途中出場したSO森田恭平が値千金のDGを決めるなどして、32-22で今季初の勝ち点5を挙げる快勝ぶりを東京のファンの前で披露した。

同じく15日に、今季初となる地元ヤマハスタジアムでのホームゲームを戦ったヤマハ発動機は、前節パナソニックを破って勢いに乗るNTTコムに対して前半6-13とリードを許す苦しい展開となったが、後半29分のCTBマレ・サウのトライで逆転。6PG、1ゴールの計20点を叩き出したFB五郎丸歩のゴールデンブーツぶりもあって、25-19で振り切った。

第3節を終わって、勝ち点15のサントリーが単独首位をキープ。以下、東芝、ヤマハ発動機、神戸製鋼の全勝組が勝ち点13で並ぶ一方、2勝1敗組はパナソニックが勝ち点11で5位、第3節で九州電力キューデンヴォルテクスに辛勝(19-15)のトヨタ自動車ヴェルブリッツが勝ち点8で6位につけている。

(text by Kenji Demura)

 

近鉄CTB大西をダブルタックルで止めるNECのSH櫻井とCTB森田茂。堅守のNECが今季初勝利
photo by Kenji Demura (RJP)

レギュラーシーズンでは今季初で最後の東京での試合となった神戸製鋼は32-22でキヤノンを破り3連勝
photo by Kenji Demura (RJP)

 

SOブレッドがひとりで14得点を挙げる活躍もあって、九州電力を19-15で振り切り、トヨタが2勝目を挙げた
photo by Kenji Demura (RJP)

後半、NO8ルアマヌのトライなどで追い上げた九州電力だったが、攻め込みながらのミスが響いて初勝利はならず
photo by Kenji Demura (RJP)

 

速報サマリー

[9月16日]パナソニック、トヨタ自動車が2勝目。NECは強敵・近鉄倒して今季初白星

栃木・足利市総合運動公園陸上競技場で行われたパナソニック ワイルドナイツ-福岡サニックスブルース戦は、WTB山田章仁の2トライなど、計8トライを挙げたパナソニックが55-15で順当勝ち。前節のNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに敗れたショックからの立ち直りを感じさせる内容となった。注目のCTBソニー ビル・ウィリアムズは2試合連続となる先発出場を果たし、後半21分までプレーした。

一方、愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場では、共に粘り強いDFと指令塔の活躍が目立ったNECグリーンロケッツとトヨタ自動車ヴェルブリッツが、それぞれ近鉄ライナーズと九州電力キューデンヴォルテクスのアタッキングラグビーを抑えるかたちで競り勝った。

NECでは、後半、途中出場したSO田村優が自らのトライ以外にも、WTBネマニ・ナドロのトライを引き出すなど、判断のいいプレーぶりで21-17という4点差での勝利の立役者に。トヨタ自動車は開始3分、24分と、連続トライを奪ったSOスティーブン・ブレッドの個人技が光っての2勝目となった。

 

2トライを奪ったSOブレッドの活躍もあって、トヨタ自動車が九州電力に19-15で勝ち、今季2勝目
photo by Kenji Demura (RJP)

後半、途中出場したNECのSO田村はスペースにうまくボールを運ぶ判断のいいプレーでチームを初勝利に導いた
photo by Kenji Demura (RJP)

 

(text by Kenji Demura)

[9月15日]東芝、ヤマハ、神戸製鋼が開幕3連勝

前日の王者サントリーサンゴリアスに続いて、東芝ブレイブルーパス、ヤマハ発動機ジュビロ、神戸製鋼コベルコスティーラーズが全勝を守り、それぞれ勝ち点を13に伸ばした。

東京・秩父宮ラグビー場の第1試合に登場した神戸製鋼は、開始4分のFL橋本大輝主将の先制トライを皮切りに前半だけで4トライを重ねてボーナスポイントを獲得。後半、初昇格のキヤノンイーグルスにいったんは7点差に追い上げられたが、途中出場のSO森田恭平が貴重なDGで引き離し、32-22で開幕3連勝を飾った。

続く秩父宮での第2試合では、東芝がNTTドコモハリケーンズから計10トライを奪う猛攻ぶりで64-12で大勝。開幕初戦のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦(26-16)、2戦目のキヤノンイーグルス戦(21-15)と、苦しい試合が続いていた東芝にとって、今季初と言っていい、本来の「スタンディングラグビー」全開の内容で、次節のパナソニック ワイルドナイツ戦(22日、東京・秩父宮)にはずみをつけた。

静岡・ヤマハスタジアム(磐田)では、前半6-13と劣勢だった地元ヤマハ発動機が、後半29分のCTBマレ・サウのトライでNTTコムを逆転。トライは1本のみながら、6PG、1ゴールを重ねたFB五郎丸歩の活躍もあって、25-19で振り切った。

 

4年ぶりとなる開幕3連勝の神戸製鋼。マン・オブ・ザ・マッチには2トライのCTBフーリーが選ばれた
photo by Kenji Demura (RJP)

後半37分のLO望月のトライ(写真)で計10トライ。東芝は今季初となるボーナスポイントを獲得して64-12で快勝
photo by Kenji Demura (RJP)

 

(text by Kenji Demura)

[9月14日]サントリーサンゴリアス 37-19 リコーブラックラムズ

14日、東京・秩父宮ラグビー場でトップリーグ第3節サントリーサンゴリアス対リコーブラックラムズ戦が行われ、前半5分のFB有賀剛の先制トライを皮切りに計5トライを奪ったサントリーが37-19で貫禄勝ちした。

「(前節の九州電力戦での課題だった)ひとりひとりのリアクションの部分で成長が見られた」と、大久保直弥監督も合格点を与える内容で、勝ち点を15に伸ばして首位を堅持。
一方、開幕から3連敗となったリコーだが、後半サントリーのお株を奪うようなBK陣のアタックで3トライを記録。勝ち点こそ挙げられなかったものの、「得るものもあった」(山品博嗣監督)試合となった。

2試合ぶりに先発に復帰したサントリーSHデュプレア(右)は効果的なキックも光り、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せた
photo by Kenji Demura (RJP)

 

(text by Kenji Demura)

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