トップリーグ2012-2013特集 TOPプレビュー & TOPレビュー

こちらでは次節の各試合の見どころ、そして試合結果のサマリーと全体のレビューを、トップリーグ観戦をより楽しく、より興味深いものにしていただけるよう、毎週掲載していきます。

特別編「プレーオフトーナメント ファイナル」(1/27)、「ワイルドカード2回戦」(1/26)

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見どころ

アグレッシブ、アタッキングでサントリーが2連覇か
フィジカルで圧倒し、東芝が3年ぶり6度目の頂点か
 

 
 

サントリーが攻撃ラグビ—を続けるためにはFW戦でボールを獲得することがポイントに(写真はLO真壁主将)
photo by Kenji Demura (RJP)

東芝はセミファイナルで見せた完璧なDFでサントリーのアタックを止められるか(写真右はNO8豊田主将)
photo by Kenji Demura (RJP)

 王者サントリーサンゴリアスがシーズン無敗のまま2連覇を果たすのか、それとも東芝ブレイブルーパスが3季ぶり6度目となるトップリーグ王者に返り咲くのか──。

 27日、10年目を迎えたジャパンラグビートップリーグの2012-2013シーズン王者を決めるプレーオフトーナメント ファイナルが東京・秩父宮ラグビー場で行われる。

 レギュラーシーズン1位対2位。
 共に、4強によるプレーオフトーナメントがスタートした2006-2007シーズン以来7年連続で同トーナメント進出を果たすなど、この10年間、日本の楕円球界をリードしてきたと言っていいチーム同士の頂上決戦となる。
 今季のリーグ戦での対戦では15-14という激戦の末、サントリーが1点差勝利をものにした。ただし、敗れた東芝の和田賢一監督が「FWはセットも含めて圧倒できた」と語ったとおり、どちらが勝者になっていてもおかしくない内容だったことも確か。
「サントリーに対して、あれだけFWでボールキープできたのは自信になった」(東芝LO大野均)

 約1ヵ月半を経ての再戦でも、最大のポイントとなるのはFWを中心としたボール争奪戦でどちらが優位に立てるかということになるだろう。
「目の前のスクラム、ラインアウト、ブレイクダウンに100%の力を出して、コンテストしていく」(サントリー・大久保直弥監督)
「やることを絞って、シンプルにフィジカル勝負。いかに立ってボールを動かしていけるか」(東芝・和田監督)

 共に、セミファイナルでは前半思うようなボールキープができずに、劣勢になる場面も少なくなかっただけに、まずは自分たちのペースに持ち込むためのボールキープにつながる局地戦の行く末に注目だ。

 セミファイナルでは、前半33分の時点で早くもHB団をSHフーリー・デュプレア、SO小野晃征から、SH日和佐篤、SOトゥシ・ピシに入れ替えて、自分たちのテンポを取り戻すことに成功したサントリー。
「試合中パニックになっても自分たちには帰るところがある」とLO真壁伸弥主将が胸を張るとおり、窮地に陥っても、この2年間積み重ねてきた「アグレッシブ、アタッキングラグビー」に立ち返って勝利をものにし続けているのは王者ならでは。

 東芝としては、1ヵ月半前の対戦時以上のフィジカル面での優位性、そしてセミファイナルのパナソニック戦で見せたDF面での圧倒的なソリッドさを前面に出して、80分間主導権を握り続けるような戦いに持ち込みたいところだろう。

日本選手権を賭けたワイルドカードT2回戦は近鉄花園
ヤマハ発動機-近鉄、トヨタ自動車-NECの好カードで

 ファイナル前日には、大阪・近鉄花園ラグビー場でワイルドカードトーナメント2回戦2試合も予定されている。
 1週間前の同1回戦を勝ち上がった近鉄ライナーズ(リーグ戦7位)とNECグリーンロケッツ(同8位)が、それぞれヤマハ発動機ジュビロ(同6位)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ(同5位)にチャレンジする。

 共に、特徴ある戦いぶりでシーズンを盛り上げながらも、あと一歩プレーオフには届かなかったヤマハ発動機と近鉄の対戦は、レギュラーシーズンでは35-28で近鉄がロスタイムに出たSO重光泰昌の勝ち越しトライで、劇的な勝利を収めている(12月8日、静岡・ヤマハスタジアム)。
 ヤマハ発動機にとって、このホームでの惜敗によってプレーオフが遠のいた経緯もあり、一種のリベンジ戦となる。
 対する近鉄は、「また1週間、このチームでラグビーができることが幸せ」とFB高忠伸主将が語るとおり、同主将が「化石のよう」と自嘲する、お馴染みのベテランBK陣の息のあったプレーぶりが注目される。

 トヨタ自動車は、リーグ戦最終節で本来のSHのポジションではなくWTBで先発してトライを奪った和田耕二を再び11番で起用。
 元日本代表SHでもある和田は、7人制日本代表で「キーマン」(同代表・瀬川智広ヘッドコーチ)と評価されるスピードとスキルを持つ選手。
 その一方で、FBには「バックスリーの組み合わせをいろいろ試してみたが、いまの形が面白い」と廣瀬佳司監督が高く評価する水野弘貴が入り、NECの巨漢WTBネマニ・ナドロにはフィジカルの強さには定評があるWTB遠藤幸祐を対峙させる。こちらのマッチアップも楽しみだ。
 一方、昨季ベスト4のNECはリーグ戦で8位に沈むなど不本意なシーズンとなったが、SOに森田洋介、インサイドCTB田村優を固定した終盤戦は、ボールが良く動くようになり、チーム状態は上向き。
 共にフィジカルなプレーに自信を持つチームだけに、プレーオフと遜色ない激しい肉弾戦となりそうだ。

 ヤマハ発動機とトヨタ自動車にとっては、1月6日のリーグ戦最終節以来3週間ぶりの実戦となり、共にいい内容で1回戦を乗り切った難敵相手に試合勘を取り戻せるかもポイントになりそうだ。

(text by Kenji Demura)

 

セミファイナルで逆転勝利の立役者となったSOピシ。サントリーにとっては外国人選手の活躍も鍵を握る
photo by Kenji Demura (RJP)

セミファイナルで逆転トライを決めたSH吉田朋など、東芝のインパクトプレーヤーのファイナルでの活躍はいかに
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近鉄とのリベンジ戦に臨むヤマハ発動機はエースCTBサウの突破力に大きな期待がかかる
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ワイルドカード2回戦でトヨタ自動車はNECと対戦。リーグ戦終盤で復帰し、調子を上げているWTB遠藤とNECナドロのマッチアップも注目だ
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チケット

開催日 Kick Off Host   Visitor 会場 チケット
1/27(日) 14:00 サントリーサンゴリアス 東芝ブレイブルーパス 秩父宮 チケット

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