神戸製鋼がプレーオフ前にサントリーに挑戦!
ポストレギュラーシーズン見据えたラストバトルが各地で
対パナソニックに続きサントリー戦でも神戸製鋼FWのキーマンとなりそうなFLブラッキー |
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プレーオフでの再戦も考えられ、サントリーFWとしても後手に回りたくないところだ(写真はLO真壁主将) |
いよいよ、レギュラーシーズンも残り1節となった。
すでに、前節までにプレーオフ進出の4チーム、ワイルドカードに回る6チーム、入替戦を戦う2チームはそれぞれ確定。
ただし、最終順位が固まっていないため、最終節での勝敗および勝ち点がポストレギュラーシーズンの各トーナメントの対戦カードに大きく影響する。
加えて、プレーオフトーナメントとワイルドカードトーナメントまで中1週間、入替戦まではさらに間隔が空くため、各チームの試合勘という意味でも、最終節は重要な意味を持つことになる。
何と言っても注目は、王者サントリーサンゴリアス(勝ち点58=1位)が敵地に乗り込んで神戸製鋼コベルコスティーラーズ(同48=2位)と対戦する"首位決戦"。
すでにサントリーのレギュラーシーズン1位通過は確定。その一方で2位神戸製鋼の背後には勝ち点差3で3位の東芝ブレイブルーパス、勝ち点差4で4位のパナソニック ワイルドナイツが迫っており、ホームの神戸製鋼にとっては一種の"マストウイン"ゲーム的な意味合いを持つ試合となる。
その大事な一戦、神戸製鋼はジャック・フーリー、クレイグ・ウィングという大物外国人CTBなしで王者に挑む。
2週間前のパナソニック戦でも同様の布陣だったが、FLにジョシュ・ブラッキーを入れたFW陣が優勢で、24-25で惜敗したもののトライ数では上回るなど、4年ぶりとなるプレーオフに向けて大きな手応えをつかんだ。
「(パナソニック戦は)全体的にはすごく良かった」(LO伊藤鐘史)
平島久照-松原裕司-山下裕史という新旧の日本代表が並ぶFW第1列が中心となるセットプレーではパナソニックを圧倒。
対するサントリーも1番に尾崎章、4番にティモシー・ボンドという重さを意識した先発メンバーで強力な神戸製鋼FWに対峙してくるだけに、まずはスクラムをはじめとするセットプレーをどちらが支配するか注目される。
詳細はまだ確定していないものの、レギュラーシーズン2位のチームにはプレーオフトーナメントセミファイナルでの"ホームアドバンテージ"が与えられることも考えられるだけに、神戸製鋼としては是が非でも7シーズンぶりとなるサントリー戦勝利か、敗れた場合でもボーナスポイント2を獲得したいところ。
もちろん、サントリーに完敗して4位に沈み、"負け犬"的な雰囲気を引きずったまま、2週間後のセミファイナルで同じ相手と対戦することを避けたいのは当然だろう(セミファイナルはレギュラーシーズン1位対4位、同2位対3位の組み合わせとなる)。
ワイルドカード組み合わせも最終節の結果次第
3位の東芝は東京・秩父宮ラグビー場で近鉄ライナーズと、4位のパナソニックは京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場でキヤノンイーグルスとそれぞれ対戦する。
ウインドウマンス明けから自慢のFW陣に力強さが増した感のある東芝は、前節の九州電力キューデンヴォルテクス戦ではトップリーグ史上初となる100点ゲームで圧勝(101-5)。
「東芝の問題はコミュニケーションだけ」(FLマイケル・リーチ)という課題を完全に克服したと言っていいだろう。
神戸製鋼がサントリーと引き分けか、ボーナスポイントによる勝ち点2を加えても、東芝が近鉄から4トライ以上を奪って35点差以上をつけて勝てば、東芝が2位となる。
パナソニック戦、九州電力戦の圧倒ぶりを考えるなら、あながち不可能な数字ではないような気さえしてくる。
一方、前節の神戸製鋼戦で「収穫は勝ったこと」(中嶋則文監督)という辛勝ぶりだったパナソニックは再びHO堀江翔太、SH田中史朗というスーパーラグビー組抜きでレギュラーシーズン最終戦に臨む。
10月に胸筋の手術をしたCTBソニー ビル・ウィリアムズも5試合連続での欠場。
ただし、3人ともプレーオフトーナメントセミファイナルには戻ってくる予定だ。
ワイルドカード組の順位争いに目を移すと、現在5位のトヨタ自動車ヴェルブリッツは同トーナメント2回戦からの登場となるレギュラーシーズン6位以上を確定させている(今節のトヨタ自動車は京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦)。
一方、現在6位のヤマハ発動機ジュビロは東京・秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズと対戦。同じ会場で東芝と戦う現在7位の近鉄との勝ち点差は5で、ヤマハ発動機が勝ち点1を取った時点で6位以上が決まる。
ワイルドカードT1回戦からの出場となる7-10位は近鉄(勝ち点32)、リコー(同28)、NECグリーンロケッツ(同27)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(同27)と混戦状態。
レギュラーシーズン7位対10位、同8位対9位の対戦となる1回戦の組み合わせは最終節の結果次第となる。
NECとNTTコムは福岡・レベルファイブスタジアムでそれぞれ福岡サニックスブルース、九州電力キューデンヴォルテクスの九州勢との最終節が予定されている。
(text by Kenji Demura)
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