神戸製鋼、4年ぶりのプレーオフ進出確定なるか
4強入りへのサバイバルするのはどのチーム?
好調・神戸製鋼のミッドフィールドで圧倒的な存在感を誇るCTBフーリー |
|
日本代表の欧州遠征で大活躍したFLリーチは、もう負けられない東芝の救世主になるか |
前節、東芝ブレイブルーパスとの"府中ダービー"を1点差でものにしたサントリーサンゴリアスの4強入りが確定。
プレーオフに進出できるのは残り3チーム。今節もトップ4をめぐって熱戦が期待できるカードが多く組まれている。
一番の注目カードを挙げるなら、16日に兵庫・ホームズスタジアム神戸で行われる神戸製鋼コベルコスティーラーズ-東芝ブレイブルーパス戦だろう。
現在2位の神戸製鋼(勝ち点45)は、第4節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦で引き分けたものの、今季ここまで無敗。
PR平島久照、安江祥光、山下裕史、HO松原裕司、LO伊藤鐘史、FL橋本大輝主将など、新旧の日本代表がズラりと並ぶFW陣は破壊力抜群。
さらに、今季はCTBジャック・フーリー、SO/CTBクレイグ・ウィングの大物外国人BKが加わり、得点能力が一気に倍増。第10節までの総得点388点、総得失点差230はいずれも首位サントリーを上回り、リーグ1位となっている。
帰化選手であるマパカイトロパスカも含め、先発FWを日本人だけでまかなえるため、BKのフロントスリーにSOピーター・グラント、ウィング(東芝戦は欠場)、フーリーと並ぶ布陣は強力だ。
対する東芝は1点差で惜敗したサントリー戦も含めてすでに3敗を喫し、プレーオフ進出のためには、もう1敗もできない状況(勝ち点35=4位)。
1点差で敗れたとはいえ、サントリー戦では「FWはセットを含めて圧倒できた」(和田賢一監督)と、調子自体は上がっている。
どちらもFWに自信を持つチームだけに、まずはセットプレーやブレイクダウンでどちらが優位に立てるかが、ひとつのポイント。昨季まで東芝のスタッフだったニコラス・ホルテンコーチが今年から神戸製鋼を指導しており、「東芝FWとしては負けられない」(LO大野均)という"因縁試合"の側面も。
神戸製鋼は勝ち点1を加えた時点で、4年ぶりとなるプレーオフ進出が決まる。
好調パナソニックは九州電力
5位ヤマハ発動機はNECと対戦
現在3位(勝ち点35)のパナソニック ワイルドナイツは大阪・近鉄花園ラグビー場で九州電力キューデンヴォルテクス(勝ち点13=12位)と対戦する(15日、第1試合)。
「トヨタ戦、NTTドコモ戦と、軽いプレーもなく、80分間集中力切れることなく、いい内容だった。九電戦に向けても、引き締めて、しっかりと取り組んでいくことが、プレーオフにつながっていく」
ウインドウマンス明けの2試合は内容が良かっただけに、このままの勢いを維持してシーズン終盤戦を迎えたいところだろう。
ちなみに、HO堀江翔太、SH田中史朗のスーパーラグビー組は次節の神戸製鋼戦前にチームに再合流の予定。10月31日に胸筋の手術を受けたCTBソニービル・ウィリアムズのリハビリも順調で「プレーオフには間に合いそう」(同監督)とのこと。
九州電力は前節でリコーブラックラムズ(勝ち点23=8位)から劇的な逆転トライ&ゴールで「残留に向けて大きな1勝」となる昇格2勝目を挙げた勢いで、パナソニックにチャレンジする。
一方、同日・近鉄花園での第2試合では、近鉄ライナーズ(勝ち点26=7位)がキヤノンイーグルス(勝ち点17=11位)を迎え撃つ。
近鉄は前々節のリコーブラックラムズ戦(19-17)、前節のヤマハ発動機ジュビロ(35-28)と、難敵を際どく退けて4強入りも夢ではなくなってきた。
現在、4位東芝との勝ち点差は9。是が非でもボーナスポイントを加えての勝利をものにしたいところ。
4強入りに、もう1試合も負けられないヤマハ発動機(勝ち点30=5位)は岐阜メモリアルセンター長良川競技場でNECグリーンロケッツ(勝ち点21 =10位)と、トヨタ自動車(勝ち点28=6位)は沖縄陸上競技場で福岡サニックスブルース(勝ち点6=13位)とそれぞれ対戦する(いずれも16日)。
また、すでにプレーオフ進出を決めている首位サントリーはNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(勝ち点23=9位)相手に連勝を伸ばせるか(15日、東京・秩父宮ラグビー場)。一方、今季まだ勝ち星のないNTTドコモレッドハリケーンズ(勝ち点2=14位)はリコーブラックラムズとの一戦(15日、滋賀・皇子山陸上競技場)で初勝利を狙う。
(text by Kenji Demura)
いい内容の試合を続けるパナソニックは日本代表CTB林が約1ヵ月半ぶりに先発復帰する |
リーグ再開後2連敗のヤマハ発動機は4強戦線に勝ち残れるか? トライゲッターWTB徐にも期待がかかる |
4位との勝ち点差が7の6位トヨタ自動車は沖縄で福岡サニックスと対戦(写真はSOブレット) |
ここ2試合、接戦をものにして勢いに乗る近鉄。4強入りにはSO重光のゲームメイクも重要となる |