開催日 | Kick Off | Host | Visitor | 会場 | |
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12/10(土) | 12:00 | パナソニックワイルドナイツ | 52-21 | NTTコミュニケーションズシャイニングアークス | 秩父宮 |
12/10(土) | 13:00 | トヨタ自動車ヴェルブリッツ | 20-27 | 福岡サニックスブルース | 瑞穂 |
12/10(土) | 14:00 | 東芝ブレイブルーパス | 19-24 | NECグリーンロケッツ | 秩父宮 |
12/11(日) | 13:00 | サントリーサンゴリアス | 26-24 | リコーブラックラムズ | 中銀スタ |
12/11(日) | 13:00 | Honda HEAT | 14-34 | 近鉄ライナーズ | 鈴鹿 |
12/11(日) | 13:00 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 29-32 | NTTドコモレッドハリケーンズ | カンスタ |
12/11(日) | 13:00 | コカ・コーラウエストレッドスパークス | 25-58 | ヤマハ発動機ジュビロ | ベアスタ |
攻撃に冴えを見せたヤマハ発動機がコカ・コーラウエストに完勝。次週は東芝に挑戦
11日、トップリーグ第6節、残りの4試合が行われ、リコーブラックラムズに26-24で辛勝したサントリーサンゴリアスが勝ち点5を獲得して全勝を守り、前日にNECグリーンロケッツに敗れた東芝に代わって首位に立った。その他、それぞれコカ・コーラウエストレッドスパークス、Honda HEATを破ったヤマハ発動機ジュビロ、近鉄ライナーズが4勝目を挙げる一方、神戸製鋼コベルコスティーラーズは昇格組のNTTドコモレッドハリケーンズに足元をすくわれ3勝3敗となった。
■コカ・コーラウエストレッドスパークス 25-58 ヤマハ発動機ジュビロ(前半13-31)──12月11日
開始3分のWTB徐のトライ(写真)を皮切りに計8トライを奪う猛攻でヤマハ発動機が大勝、昨年のリベンジを果たした |
スタンドには、両チームに計15人いる地元の佐賀工高出身の選手の名前が書かれたプラカードが並び、実際、この日、ホームのコカ・コーラウエストは2人、ビジター扱いながらヤマハ発動機側でも6人の佐賀工高OBがプレー。
しかも、昨シーズンの第10節、同じ場所で対戦した際には、終了間際のFB松岡元気のトライでコカ・コーラウエストが劇的な逆転勝ち。コカ・コーラウエストは終盤の4連勝で最終的には残留圏内の10位に滑り込む一方、ヤマハ発動機は11位で入替戦に回るという、シーズンの明暗分岐点と言ってもいいような試合ともなった。
というようにいろんな因縁もあり、単純にシーズンの13分の1というよりはテンションが高くなる要素の多かった一戦。
立ち上がりから、そんな意識の高まりをうまく利用したのは、1年前の雪辱に燃えるヤマハ発動機の方だった。
3分に自陣からFB五郎丸歩→FLジェリー・コリンズとつなぐカウンターアタックで敵陣に入った後、ラックから左展開してボールは左WTB徐吉嶺へ回り、7人制代表でもあるスピードスターが、コカ・コーラウエストSO福田哲也のタックルを振り切って左タッチライン際を走り切って先制。
さらに7分にも、敵陣22m付近で逆サイドにいた徐がボールを持って、密集近くを強引に突破。いったんはコカ・コーラウエストNo.8豊田将万に捕まったかに見えたが、うまく体を回転させて振り切り、相手ディフェンスのギャップを一気に切り裂くようにタテに走り抜けて連続トライ。
いきなり、電光石火の徐の2トライで、開始10分も経たない時点でヤマハ発動機が主導権を握ることになった。
ファーストタックルのミスが響いたコカ・コーラウエスト
コカ・コーラウエストも10分、12分と連続して、この日はWTBに入っていたウェブ将武がPGを決めて12-6と追撃態勢を整えるが、25分にはまたもヤマハ発動機の徐が逆サイドに入ってくるムーブからチャンスをつくって、CTBマレ・サウがトライ。
直後にコカ・コーラウエストも福田がトライを返すが(28分。ウェブのゴールも決まって21-13)、33分にヤマハ発動機が「今季初。春から取り組んできたことがかたちになってきた」と清宮監督を喜ばせたモールによるトライでしっかり引き離し、早くも4トライによるボーナスポイントも獲得するかたちで31-13とヤマハ発動機がリードして前半を終了した。
「シンプルなタックルミスが多いし、せっかくPGで追い上げても攻められる度にトライを取られてしまうので、チームがグッと盛り上がっていかない」
向井昭吾監督がそう嘆かざるを得なかった、コカ・コーラウエストのどこか淡白な戦いは後半に入っても変わらず、常にヤマハ発動機が先攻するかたちでさらに4トライを重ね、コカ・コーラウエストも2トライを返したものの、ミスが響いてあと1本が取り切れず、ボーナスポイントを獲得できないまま58-25でヤマハ発動機が大勝。昨季のリベンジに成功した。
「同じ場所で、同じ相手に逆転負けしてから1年。少しは変われた姿を見せることができた」。
試合後、清宮監督がそう胸を張った完勝ぶりを見せたヤマハ発動機は次戦、ホームでの東芝との大一番を迎える。
開幕2連勝の後、サントリー、近鉄に連敗の後、再び2連勝で暫定ながら4強の一角を占めるところまで順位を挙げたいい状態で強い東芝を迎えることになる。
「春からやってきたことにもう一度立ち返って、チームはまた上向きになっていると思う。具体的にはブレイクダウンとスクラム」(FL串田義和主将)
「外側から見ていても、FWの逞しさは去年までとは全然違う。生きたボールがBKにも出てくるし、だからこそ絶対に生かそうという意識も強い」(マン・オブ・ザ・マッチに輝いた徐)
東芝の最も強いところで対等に戦えれば、勝機は見えてくる──ヤマハ発動機にとっては、そんな感触を得られた九州での戦いとなった。
(text by Kenji Demura)
ゲームキャプテンとしてチームを引っ張るヤマハ発動機FB五郎丸。キックにランにフィールディングにと安定したプレーぶりで勝利に貢献 |
春から強化してきたFWが確実に力をつけている印象のヤマハ発動機(ボールを持つのはPR山村)。次節は東芝との真っ向勝負に挑む |
激しいプレーでヤマハ発動機のミッドフィールドにインパクトを与えるCTBサウは前半25分にトライを奪うなどこの日も勝利に貢献した |
ケガ人が多くベストメンバーが組めないコカ・コーラウエストは厳しい戦いが続く(写真は突破をはかるWTB徳住とフォローするFL桑水流) |
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真っ向勝負で東芝に力勝ちしたNECが上昇気流に?
昨季の4強2チームが敗れる波乱——。10日、トップリーグ第6節3試合が行われ、昨季のトップリーグ覇者パナソニック ワイルドナイツは52-21でNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに順当勝ちしたが、同・リーグ戦1位の東芝ブレイブルーパスがNECグリーンロケッツに力負けするかたちで今季初黒星(19-24)。トヨタ自動車ヴェルブリッツも福岡サニックスブルースに4トライを奪われ20-27で敗れた。
■東芝ブレイブルーパス 19-24 NECグリーンロケッツ(前半19-12)──12月10日
豪快な走りで2トライを奪いMOMに輝いたWTBナドロ(写真)の活躍などでNECが東芝に逆転勝ち。貴重な勝ち点5を獲得した |
いきなりペースを掴んだのは東芝。
開始3分に敵陣22m付近のラインアウトからモールサイドをSH藤井淳が抜けてNECゴールに迫り、ラックからSOデイビッド・ヒルがさらに前に出た後、最後はNO8豊田真人主将がボールをねじ込むようにDFを突き破って先制。
15分には、FLマイケル・リーチがNECのCTB田村を吹き飛ばして始まったビッグゲインからゴール前でフェイズを重ねて、最後はCTB吉田良平が右隅にトライ。
22分にも、WTB宇薄岳央がNECのFLニリ・ラトゥ主将を引きずりながらトライを決めて、19-0。
いきなり東芝が3本のトライでリードを広げるかっこうとなったが、それでも点差ほどにはNECが一方的にやられている印象がなかったのも事実だった。
「この1週間、『バトルだ』ということを強調してきて、コンタクトの部分もハートの部分もしっかり準備してきたが、最初の20分間は気合いが入り過ぎで、熱さばかりが前面に出ていた」
試合後、岡村要ヘッドコーチが解説してくれた通り、NECとしてはこの一戦にかける気持ちが空回りした面もあったのかもしれない。
それでも、何度もモールでトライを取りにきた東芝にしっかり抵抗して簡単にはトライラインを明け渡さなかったり、随所にアグレッシブさやDFでの粘りといったNECらしさは垣間見えていた。
「80分間、試合を自分たちのペースでコントロールすることはできない。大切なのは、東芝ペースの時にいかに我慢することができるか」
試合前からFLニリ・ラトゥ主将がそう説き続けていたこともいい影響を与えたのかもしれなかった。
序盤で19点のビハインドを背負うことになったものの、チームのベースの部分が崩れていなかったNECは、これ以降、攻守両面で、ここまで全勝街道を突き進んできた東芝を上回るパフォーマンスを披露することになる。
最後の15分間、東芝の猛攻を死守
NECが反撃の狼煙となるトライを挙げたのは、前半35分。
SOキャメロン・マッキンタイアーが相手ゴール前に落としたショートパントに反応したFB大東功一が、東芝DFに競り勝って、トップスピードのままボールを拾い上げて、そのままトライ。
さらに、39分にはハーフウェイライン付近のスクラムで相手ボールをターンオーバー。
マッキンタイアーのラインブレークの後、ラックから、いまやNECの新ホットラインとも言えるCTB田村からWTBナドロへのパスが通って、怪物WTBが左タッチライン際を走り抜けた。
「いまはBKでもトライをとれているので、FWも信頼してボールを出してくれている」(CTB櫻谷勉)というチーム全体に広がる信頼関係が前面に出始めたNECが追い上げのギアを一気に上げた状態でハーフタイムを迎えることになった。
後半に入ってもNECの勢いは止まらなかった。
6分にCTB櫻谷、WTBナドロの好走で東芝ゴールに迫り、最後は再び櫻谷からHO臼井陽亮にラストパスをつないで、3トライ目を奪い、ワンプレーで試合を引っくり返すことができる2点差に迫った(SOマッキンタイアーのゴール失敗で東芝19-17NEC)。
NECの攻める姿勢は選手交代にも表れた。
後半13分に、それまで安定したキック力で落ち着いたゲームメイクをしていたSOマッキンタイアーにかわってCTBアンソニー・ツイタバキを投入。SOのポジションにはCTBから田村が上がった。
「もっと激しく、アタックしていこうというメッセージ」と、岡村ヘッドコーチは説明したが、18分には、そんなNECの前に出る圧力にプレッシャーを感じたのか、東芝CTB吉田良平が魅入られたかのようにDFで圧力をかけてきたNECのWTBナドロの前にフワッとしたパスを放り、難なくインターセプトしたナドロが50mを独走して、とうとうNECが試合を引っくり返した(田村のゴール成功で24-19)。
もちろん、東芝はそのままNECに5年ぶりとなる直接対決での勝利を渡すほど、ヤワなチームではない。
最後の15分間は、まさにNECゴール前での死闘となった。
元々、東芝は最後の最後はFWで仕留める意識の強いチームだが、この日は25分に先発の藤井、後半3分には途中出場の三井大祐という2人のSHが揃ってケガで退場を余儀なくされていたこともあって、最後の15分間、ほぼFWだけでNECのDFを力ずくでこじ開けようとし続けた。
その激しさは恐らく日本一と言っていいものだっただろうが、NECもかつてDF力で頂点を極めた時代を彷彿とさせる激しくかつ粘り強い守りで東芝FWに最終ラインを越えさせず、そのまま試合終了。
この試合をターニングポイントにトップリーグの勢力図が大きく変わるかもしれない。
そんな思いさえ抱かせるような、強いNECの完全復活を印象づける名勝負となった
(text by Kenji Demura)
東芝SOブリューの突進を3人がかりで止めるNECのFL土佐(左)、LO浅野(下)、CTB田村(右)。東芝の猛攻を凌ぎ切った |
東芝SOヒルのタックルを振り切り突破するNECのCTB櫻谷。攻守にチームを引っ張る堅実なプレーぶりで勝利に貢献した |
2人のSHが相次いで負傷退場した東芝はFB吉田大がSH役を務める緊急事態だったことも影響して、今季初黒星を喫した |
パナソニックは初先発となったCTBフーリーの2トライなど計7トライを挙げて52-21でNTTコムに快勝した |
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