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13節 マッチサマリー(三洋電機 21-22 トヨタ自動車)


三洋電機ワイルドナイツ 21-22 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week13/2011年1月10日(月祝) at 東京・秩父宮ラグビー場】

三洋電機 21-22 トヨタ自動車   三洋電機 21-22 トヨタ自動車   三洋電機 21-22 トヨタ自動車   三洋電機 21-22 トヨタ自動車   三洋電機 21-22 トヨタ自動車
単独で一敗を守り首位につける三洋電機ワイルドナイツ、勝てばレギュラーシーズン一位通過が決まる試合。トップリーグで唯一12試合で100点台の失点数である三洋の堅守を、トヨタ自動車ヴェルブリッツがどのように突き崩すかが試合の見所と期待される一戦。

前半、風下の三洋は密集の近くを果敢に縦突進。
SH田中からのパスを受けてNO.8龍がロングゲイン。一気にトヨタゴール前に迫るとゴール前で果敢に縦をつき、トヨタのディフェンスが切れたところにラックからHO堀江が押し込んで先制トライをあげる。(G成功 7-0)

トヨタは密集からのボールを左右に振って攻め立てる。14分、SOアイイからの絶好のパスを受けたCTBイェーツが防御ラインを突破してゲイン、FB松下につなぎ最期はWTB水野が左隅に飛び込んですかさず反撃。(G失敗7-5)
さらに18分、三洋陣10m付近より右に展開したトヨタはSOアイイの技ありのパスを受けたWTB遠藤が右ライン際を疾走、フォローについたCTB難波にリターンパスしてトライを挙げる。(G失敗 7-10)
さらに30分、ターンオーバーからのスクランブル状態となったラックよりFL中山-No.8菊谷-FB松下がきれいにパスをつないで左隅にトライ、7-15と点差を広げる。

後半、風下に移ってもトヨタの勢いが止まらない。アイイの左右の展開にイェーツの縦をからめながら三洋ディフェンスの穴を探し続ける。10分には左右に振った球から最後にはWTB水野がステップで二人かわしてトライ。(G成功 7-22)

三洋も被トライ直後にNo.8龍が力強い突進を見せるとフォローしていたWTB山田にパス。すぐさまトライを返し(G成功 14-22)、さらに怪我から戻ったトニー・ブラウン、霜村を含む4人を投入しテンポアップを図る。続けて18分にもSOブラウンからゴール前でパスを受けたLOヒーナンが飛び込み、一気に点差を詰める。(G成功 21-22)

一点差となったところより両軍「がまん」の時間帯。ともに攻めるが決定的なゲインは奪えず、激しいタックルの応酬が続き、刻一刻とノーサイドの時は近づく。

残りわずかとなった38分、三洋SOブラウンの絶妙なタッチキックからトヨタゴールライン1m前での三洋ボールラインアウト。実質ラストワンプレーとなったところでトヨタが気迫のターンオーバー。ホーンとともに蹴りだして、熱い接戦をものにした。

Man of the matchは、2トライをあげたトヨタWTB水野が受賞した。

会見ダイジェスト
三洋電機ワイルドナイツ
飯島監督(右)、ホラニ ゲームキャプテン
飯島監督(右)、ホラニ ゲームキャプテン


◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督
「非常に寒かった中、トヨタさんは良い攻撃をしたと思います。三洋も良く戦ったが、三洋らしいアタックができませんでした。ただ、若いメンバーが出て、怪我をしていたメンバーも戻って来て、勝つシナリオでしたが、1点届きませんでした。次にトヨタさんと当たるときは三洋らしいラグビーをやっていきたいと思います」

──メンバー交代は?
「勝てば、プレーオフで同じカードになるという試合で、次に良いものが残る試合にしようとメンバーを考えました。前節のリコー戦で調子が良かったメンバーを使い、戻ってきたメンバーをどう使うかというところでした。ブラウニー(トニー・ブラウン)も霜村も良く動けていました。
次の三洋のメンバーは私も決めていないけれど(笑)、トヨタさんも分からないだろうし、これでプレーオフが面白くなってきたのではと思います。
ブラウニーも霜村も本人たちはこの試合から復帰と考えていましたが、私の考えもあり、色々と話して、今回のメンバーになりました。スタートの選手も非常によくやっていましたので、現状の実績ある選手か、野口のように勢いのある若い選手か、若い選手にとっては、今日は大きな試合の良い経験になったと思います」

──イージーミスの原因は?
「それが分かればコーチとして苦労はありません。寒さもある、風もある、ディフェンスで一次を破られたのは久しぶりで、簡単に獲られてパニックになり、あわてていたこともあったと思います」

──プレーオフに進むので、過去から学んで、メンバーを代えたのか?
「毎回、考えているけれど、うまくいかないんです。この形の状態が、今のベストで、試す余裕なんかありません。この試合でも、もっと行けると思っていました。一次で簡単に破られましたが、三洋にしては珍しいミスでした。修正して臨みたいと思います」

──霜村、ブラウンへの交代は予定通りか?
「想定していたより早い交代でした。トライを獲ったので、この勢いで行こうとしました」

○ホラニ龍コリニアシ ゲームキャプテン
「お互い良い所を出し合って、結果、1点差で負けました。でも、今日で終わるわけではないし、今日の反省を生かしてプレーオフに挑んでいきたいと思います。ファンの皆様の前で負けたのは残念ですが、引き続きご声援をお願いします」

──トヨタに負けたのは久しぶりだが?
「負けは久しぶりです。トヨタさんというより、うちのミスが多すぎて自分たちのペースを崩したと思います」

──ゲームキャプテンの調子が良かったが?
「たまたまですかね(笑)、スペースがあったので。コンディションは良いです。(横から飯島監督が『素晴らしかったですね』と一言)」

──プレーオフは?
「一回も取っていないので、ぜひ取りたいです」

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トヨタ自動車ヴェルブリッツ
朽木監督(右)、中山キャプテン
朽木監督(右)、中山キャプテン


◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○朽木泰博監督
「あけましておめでとうございます。トップリーグ関係者、協会の皆様、どうもありがとうございます。我々、第1節から新しいトヨタとして攻撃的に戦うことを目指してきました。プレーオフは決定していましたが、我々が貫いてきたこのスタイルでランキングトップの三洋さんにどう戦っていくか、見えてくるものがあると思って戦い、結果1点差で勝ち、分厚いディフェンスの三洋さんから4トライ獲れたのは大きかったと思います。何が通用して、何が通用しないか明確になりました。二週間、より練習していきたいと思います。これまでのベストフィニッシュが勝ち点50でしたので、今まで何度もはね返されていましたが、55点のベストを達成できました。選手や支えてくれたスタッフに感謝します。次のプレーオフに繋げていきたいと思います」

──通用したところ、しなかったところとは?
「それは言えないんです(笑)。絶対、言えないんです。(プレーオフの)試合後にコメントしたいと思います」

──三洋はプレーオフをにらんで、選手を代えていたが、今日の戦い方について?
「三洋さんのチーム事情、プレーオフへの準備があります。トヨタは三洋戦に何をしたいかを絞ってやってきました。三洋さんは、誰が出てもレベルが高いですが、今日は我々がどのように戦えば優位性が高くなるか、確認できたことが一番の収穫です。例えばペナルティで3点ずつ刻んでいくのか、エリアを取るのか、ベースの部分で戦えると思って2週間やって来ました」

──収穫とは?
「プレーオフを勝ち抜いたチームがチャンピオンという制度ですから、最後に勝つチームが強いチームだと思っています。リーグ戦を振り返ると、サントリーさんに勝ち、去年負け続けた三洋さんに勝ち、自信になっています。もちろん、NTTさん、近鉄さんに苦しめられたからこその実力と思っています」

──目指したラグビーはできているか?
「アタックのバランスが非常に良かったと思います。キックもFWのフィジカルもバランスが取れていて、結果として良い形になってきています」

──ベースの部分とは?
「セットプレーからの攻撃にかなり自信を付けてきています。三洋さんのディフェンスにも粘り強く、フェイズを重ねています」

○中山義孝主将
「去年3試合やって、1回も勝てない相手で、1点差でも勝てたことを非常に嬉しく思っています。スタッフ、選手が一丸となって勝ち取ったと思います。タイト5が安定したボールを供給し、その仕事にこだわったFWに感謝と、相手の厚いタイトなディフェンスに一歩でも前へ出て、トライを獲ってくれたBKに感謝です。リーグ戦が終わって、チーム史上55点という最高の勝ち点を取れたことを自信に変えて、プレーオフに臨みたいと思います」

──目指したラグビーはできているか?
「セットピースで安定した球出しができています。三洋さんは、ここというところで、スクラム、ラインアウトで仕掛けてきますが、そこで良い球出しができたのは自信になっています。ファーストトライを獲られたところは反省点です。2週間、修正して臨みたいと思います」

三洋電機 21-22 トヨタ自動車


2011年1月10日

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