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NTTコミュニケーションズシャイニングアークス 36-10 ヤマハ発動機ジュビロ
【week12/2010年12月25日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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NTTコムがヤマハに快勝、ワイルドカードトーナメント進出に望みを残す
第11節を終えたところで、ヤマハ発動機ジュビロが9位(総勝点25)、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスが12位(総勝点18)。ワイルドカードトーナメント進出を確定させたいヤマハと、自動降格の可能性を何としても回避したいNTTコム、双方にとって今後の行方を左右する重要な第12節の試合が、この冬一番の冷え込みとなった秩父宮ラグビー場で、ヤマハのキックオフにて開始された。
先手を取ったのはNTTコム。4分、自陣からカウンターアタックを仕掛けてラックから左に展開、相手DFのギャップを突いたスイッチプレーが見事決まり、CTBネルから22mライン付近でパスを受けたWTB友井川がそのまま鮮やかなトライ(ゴール成功7-0)。さらに、13分には相手オフサイドによるゴール正面25mからのPGを、SO君島が丁寧に決める(10-0)。一方、ヤマハはFB五郎丸のライン参加や外人FW3名を核にした突進で積極的にアタックを仕掛け、21分、相手ゴール前でオフサイドを誘い、FB五郎丸がPGを決める(10-3)。その後もヤマハはボールを持ち続けるが攻めきれず、ラインアウトも長身の相手両ロックの圧力を受けてか、安定しない。
NTTコムは31分、相手ゴール前10m付近での味方ラインアウトモールからじわりじわりと前進してPR山口がトライ(ゴール成功17-3)。ヤマハは前半終了直前、相手ラインアウトを取ったNO8トゥイアリイが抜け出し、連続攻撃を仕掛け一気に攻め込む。しかし、相手ゴール前で痛恨のペナルティを犯し、結局ノートライで前半を終了。
後半、ヤマハの反撃が期待されるも前半同様先手をとったのはNTTコム。4分、NTTコムはハイパントから相手のペナルティを誘い、相手ゴール前15mでの味方ラインアウトから左右に素早く展開、WTB友井川がラックからパスをすると見せかけておいてラックサイドから密集を勢いよく自身で抜けてゴール中央にトライ(ゴール成功24-3)。ヤマハは反撃を試みるも、素早いタックルによるNTTコムの固いDFに阻まれトライに至らない。一方、NTTコムは自陣からオフロードパスを重ねながら力強い前進を図る。
10分、ライン際でCTBネル-WTB沼尻-CTBネルとつないで相手タックルを見事にかわし、ゴール右隅に豪快なトライ(29-3)。23分、ヤマハはラックから大きく左に回し、CTB井本が相手DFラインの内を突いてトライ(ゴール成功29-10)。これで勢いづくかとみえたヤマハであったが、27分、NTTゴール前に迫ったところで相手FBジェラードにインターセプトされ、反対に約80mの独走トライを許して突き放される(ゴール成功36-10)。ヤマハも最後まで攻撃を諦めず、NTTゴール前まで幾度となく攻め入るが、ハンドリングミスが重なり、追加得点を得られずにノーサイドを迎える。
NTTコムは、この試合で5トライをあげた結果、勝点5が加算され総勝点23、順位12位で自動降格の可能性を回避。加えて、ワイルドカードトーナメント進出への可能性を賭け、コカ・コーラウエスト(総勝点24、順位11位)との第13節(最終戦)が大いに注目される。
なお、マン・オブ・ザ・マッチには、2トライをあげたNTTコムのWTB友井川が選ばれた。(小林吉文)
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堀川監督(右)、五郎丸ゲームキャプテン
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◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督 「まず、今日も磐田から多くのファンが来場してくださり、熱い視線を送ってくださったことに感謝申し上げます。結果としては悔しい結果に終わり残念です。自分たちの強みであるディフェンスでこれだけトライを獲られたのは反省しなくてはなりません。1対1の局面で入るベーシックなスキルの部分で負けていました。リコー戦まで2週間ありますので、しっかり修正したいと思います。アタックでもボールキープができなかったところが課題ですが、ある程度若い選手もやってくれたので、ポジティブに受け止めてやっていきたいと思います」
──故障者の復帰の目途は?
「何とも言えないです。来週復帰できるのか、再来週かは分かりません。36人で今シーズン戦っていますが、今日のメンバーが今のベストメンバーです。元気でグラウンドでしっかりやれる選手とやるしかないです。今週は27〜8名くらいが練習に参加できています」
○五郎丸歩ゲームキャプテン 「本当に磐田から多くのファン、社員の皆様が来てくださったのに、残念な結果となり、申し訳ない気持ちで一杯です。前半、後半の立ち上がりでミスがあり、追いかけなければならない大変苦しい試合展開となりました。2週間、しっかり修正して臨みたいと思います」
──元チームメイトとの対戦は?
「元のチームメイトには負けることは許されないと言って来ましたけれど、残念です。一緒にグラウンドで練習してきた仲間ですので、そこで負けると彼らと離れている間に自分たちが進歩していないということになりますので」
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大沼監督(右)、栗原ゲームキャプテン
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◎NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
○大沼照幸監督 「本日はお忙しい中、報道の皆様、協会関係者の皆様、ありがとうございます。今日のゲームは我々にとってトーナメントの準決勝という位置づけで臨みました。もう一敗もできないという状況で、見事、選手がその期待に応えて素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。今日はキックを減らして、自陣から回していこうとしましたが、カウンターから良いトライを獲ってくれました。しかし、ペナルティも多かったので、修正していかねばなりません。決勝でコーラさんを破って次のステージへ進みたいと願っています」
──キックを減らした訳は?
「うちは良いキッカーが揃っていて、エリアマネージメントをしながら戦ってきましたが、他のチームが対策を講じてきて、ポゼッションが取れない試合が続きました。先週のリコー戦もそうでした。そこで、仕掛けるエリアを増やして、まずボールを回してからテリトリーを取ろうと考えた結果です」
──違う戦い方なのか?
「大きく変わらないが、単にキックを蹴るだけだと対応されてしまうので」
──準決勝、決勝という考えは誰の発案なのか?
「コーチからそういうメンタルで臨んでいこうと提案があり、チーム一丸となって臨みました」
○栗原徹ゲームキャプテン 「本日は関係者の皆様、ありがとうございました。なかなか勝ちきれない試合が続きましたが、この結果を嬉しく思います。チーム一丸となって練習した成果だと思います。試合に出られないメンバーを含めて、全員で勝つつもりで次の試合に臨みます」
──ヤマハから来た選手もいるが?
「チームとしては特にないです。監督が言ったとおり、2つ勝たないと上がれないので、とりあえず準決勝に勝ったという気持ちです。個人的には木曽とかには『思い』はあったでしょう。僕も8節でサントリーとやりましたが、人には言えないけれど熱い『思い』はありましたから。彼らの気持ちが高ぶり過ぎないよう、声を掛けました」
──ゲームキャプテンのタックルが素晴らしかったが、トーナメントのつもりだからか?
「(苦笑)毎試合、しなければいけないのですが、次もできるよう頑張ります」
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