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東芝ブレイブルーパス 21-12 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
【week10/2010年12月11日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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前節で手痛い敗戦を喫し、リーグ三連覇をかけてもう負けられない必勝態勢の東芝ブレイブルーパス。
一方、三敗で上位陣の背中を追いかけており、またファイナル秩父宮となる大畑に花道を飾りたい神戸製鋼コベルコスティーラーズの意地のぶつかりあいとなった。
立ち上がり、ゲームの主導権を握ったのは神戸。ボールを支配し、東芝陣内で攻撃を続けるが、東芝もプライドの堅守でゴールを割らせない。
試合が動いたのは12分。東芝陣の神戸ボールラックから右に大きく展開。WTB小笠原より外に待っていたFLブラッキーにラストパスがつながり、右隅にトライを奪う。(G失敗0-5)
26分、一瞬のチャンスを待っていた東芝はFLベイツのキックチャージで神戸陣内に入ると、得たペナルティから激しい連続攻撃を展開。最後にはHO湯原がポスト左に飛び込み、ゴールも成功して7-5と逆転に成功。
後半2分。神戸は東芝ゴール前で得たスクラムよりNo.8伊藤が代名詞ともいえるサイドアタック。タックルをかいくぐりトライを決める。ゴールも決まり7-12とゲームを引き戻す。
12分、東芝は神戸ゴール前ラックから出たボールを細かいパスで左へ振り、FB吉田が左隅にトライ。難しい角度のコンバージョンをSOヒルが成功させ、14-12と再逆転。「攻撃継続が重要、自分達を信じて迷わず順目に走りこめた」と廣瀬主将が試合後に語った通り、神戸ゴール前で攻撃を重ねに重ねた結果、No.8望月がねじこんでトライ。ゴールも成功し21-12と点差を広げ、接戦をものにした。
マン・オブ・ザ・マッチには攻勢の狼煙をあげた東芝FB吉田が選ばれた。サンケイスポーツDAYということもあり、通常の表彰に加え、お米「ひとめぼれ」一俵分60kg、マニフレックス社製高反発枕、干物セットなど多くの副賞を取得。
また秩父宮初の試みで「わんぱくグルメ祭り」として全国各地のご当地グルメのキッチンカーがバックスタンドに登場。10種類の御当地グルメが観客の胃袋と心を暖めていた。今後も様々な催し事が秩父宮ラグビー場で行われる見込み。
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苑田ヘッドコーチ(右)、平島キャプテン
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◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○苑田右二ヘッドコーチ
「素晴らしい天候で、今年、秩父宮は1試合のみということで、東京のたくさんの神戸ファン、ラグビーファンの皆様の前で神戸のラグビーを見せようと臨みましたが、残念な結果です」
──誤算は?
「特に前半は風下だったので、エリアを取りながら、ペイシェント、我慢しながらアタックゾーンに入ったら行こうと言ってきました。後半は風上に立つので、そこからアタックしようとしました。また、ディフェンスでは、東芝さんは順目、順目に来るのでその対応をしようと臨みました。選手は素晴らしいパフォーマンスをしてくれましたが、ゲームのところで判断ミス、ターンオーバーがあり、自分で自分の首を絞めるゲームをしてしまったのが誤算でした。修正していかないと上位のチームには勝てないと思います」
○平島久照キャプテン
「本日はありがとうございました。勝つことしか考えていなかったので、すごく悔しいです」
──密集では?
「密集戦でのFWは対等だったと思います。しかし、速いボールを出したかったが、できなかったので、そこで差が出たと思います」
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試合後、ファンサービスに努める大畑選手
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◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督 「今日は満員の東芝ファン、ラグビーファンの前で試合ができて良かったと思います。ホームの秩父宮に帰って来て、後半戦の強い東芝を見せようと臨みました。ミスもありましたが、終始攻めようという姿勢はお見せできたと思います」
──今後、ラックを使っていくのか?
「戦い方を変えるつもりはありません」
──最後のトライは?
「継続しないと、簡単にはトライは獲れません。ボールを動かして次のフェイズをしっかり取るということと、判断が大切なプレーでした」
──後半はミスが少なかったが?
「そうでもないです(苦笑)」
──課題は?
「順目にサポートするのが東芝のラグビーですが、その次のプレーの精度を上げないと。ラインアウトもうまくいきませんでした。それ以外は、想定内でした。神戸さんのブラッキーもうまいし、今日は神戸らしさがあったと思います」
○廣瀬俊朗キャプテン 「まず、多くのラグビーファンの皆様に来場していただき、ありがとうございました。先週の負けから、前半は完全に吹っ切れていない感じでした。後半は、ただ、単に守るのではないディフェンスをして、皆で獲り切ろうという気持ちが出たと思います。来週以降につながる試合でした。神戸さんのおかげで良い試合ができたと思います」
──後半は素晴らしかったが?
「僕自身も、もがいていました。ゾーンに入ったと言うか、やっと勝利を目指す姿勢ができました。何故かは分かりませんが。ハーフタイムには東芝の大事なところはどこかと問いかけ、ずっともがいていて、何とかしたいと思ってやっているうちにできたのかなと思います」
──ハーフもスタンドもキャプテンが入る場面があったが?
「大事なところで、皆の思いが伝わって、順目に走れました」
──後半、神戸の伊藤選手がトライして、向こうは盛り上がったが?
「東芝はアタックするしかないのですから。神戸さんはゴール前がしぶとくて、セットピースも良いので、まず、そこのエリアに入れないということを徹底しました」
──チャンピオンになると場内のインタビューに答えたが?
「ここから一つずつ積み上げて、チャンピオンは獲る物だと再認識しました。最後に挑戦権を獲ってやり返します」
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