|
C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
|
近鉄ライナーズ 21-17 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week7/2010年10月23日(土) at 大阪・近鉄花園ラグビー場】
|
前節、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦を後半逆転で勝利し、2連勝と勢いに乗る近鉄ライナーズと、福岡サニックスブルースに1PG差で競り勝ったトヨタ自動車ヴェルブリッツの一戦。
近鉄のキックオフで開始された前半戦、先手を取ったのはトヨタ自動車。4分、SO10番 アイイがPGを決め0-3と試合が動く。次に得点を挙げたのもトヨタ自動車で、8分、ゴール前15m右中間のラックから、アイイが近鉄ディフェンスの裏に抜けCTB12番 難波が右中間にトライし、0-8とリードを広げる。
近鉄は自陣での戦いを強いられていたが、11分、ゴール前30m左中間ラックから右展開し、CTB13番 ギアがトヨタ自動車ディフェンスのギャップを突いてラインの裏に抜け、WTB14番 田中がゴールに走りこみ右中間にトライ。ワンチャンスをものにし、5-8と追いすがる。続く、18分にも近鉄FB15番 高がPGを決め、8-8の同点に追いつくと、詰め掛けた地元ファンから大きな歓声が上がる。
この後、近鉄は、1PGを加え11-8とこの試合はじめてリードを奪うが、39分にSH9番 金がゴール前の反則の繰り返しによりシンビン、トヨタ自動車SO10番 アイイがPGを決め、11-11で前半を終える。
後半開始直後の2分、トヨタ自動車はSOアイイがPGを決め再逆転、13分にもアイイがPGを決め11-17と試合を優位に進める。しかし、近鉄も耐えに耐え、追加点を許さない試合展開の中、見せ場がやってきたのは、26分。近鉄はトヨタ自動車のロングパスのミスを見逃さず、CTB13番 ギアがワンハンドで拾い上げてトヨタ自動車ディフェンスラインの裏に走り込み、WTB11番 森田からFB15番 高に繋ぐと、最後はタックルを振り切って左中間にトライ。高が自らゴールを決め、18-17、終盤に来ての近鉄の逆転劇に試合は大きな盛り上がりを見せる。
この後も最少得点差の攻防に場内のファンが手に汗を握る試合が続くが、試合終了間際、近鉄に攻め込まれたトヨタ自動車は自陣で痛恨の反則。ノーサイドホーンの鳴った後、近鉄の高がPGを大きく蹴り込んで駄目押し、21-17。近鉄はトヨタ自動車にトップリーグ初勝利をあげた。
近鉄は4勝3敗で暫定5位とし、プレーオフも見える位置まで駒を進めた。トヨタ自動車は結果的に3度のPG失敗が響き、2敗目を喫した。
マン・オブ・ザ・マッチには、近鉄FL6番 佐藤が選ばれた。(大阪府協会 山林右二・蜷川善夫)
|
|
|
◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○朽木泰博監督
「関係協会や近鉄ライナーズのご尽力、また会社やファン温かいのご声援により非常に良い環境下でゲームができたことに感謝します。また隙のない近鉄と接戦が繰り広げられたことにも感謝したい。近鉄のアタック・ディフェンスの完成度が高く、タフなゲームを予想していたが、予想以上にブレイクダウンが激しく、ゲームを巧く支配された。今日の結果は真摯に受け止めるが、これで悲観することはない。スペースの創造という春からの目標はできつつある。ウィンドウマンス中に今日の結果を越えるだけの練習を積めば達成できる」
○中山義孝キャプテン
「タフなゲームだったが、プレーしていて愉しかった。勝ちに対する執念が結果に表れたと言える。ウィンドウマンスにしっかり調整したい」
──今日のターニングポイントとは。
○中山キャプテン
「細かい点だが、ルーズボールへの働きかけだと思う。気持ちで上回れなかった」
──アイイのキックが不調だった点について。
○朽木監督
「これまで彼のプレーに助けられていたのだから、今日のゲームの出来だけで、彼を評価することはしない。練習に対する取り組み、姿勢、内容すべてに敬意を表するくらいだ。今日の結果くらいで彼への信頼は揺るがない」
──近鉄の2回あったシンビンについて。
○朽木監督
「プレーヤー間では突きどころを理解していたと思うが、攻め切れなかっただけ。間違ってはいない」
|
|
|
|
|
|
|
スローン ヘッドコーチ(左)、トンプソン キャプテン
|
◎近鉄ライナーズ
○ピーター・スローン ヘッドコーチ 「プレーヤーを誇りに思う。自信を持ってよい。シンビンで苦しい場面もあったが、良く耐えたし、成長の証でもある。今日の勝利に驕らず、一貫したゲーム運びを心がけたい。システムの理解が深まったからこそ、いいゲームができている」
○トンプソン ルーク キャプテン 「うれしいが疲れたよ(笑)。80分間通じていいゲームができている。力をつけてきたチームメイトを誇りに思う」
──今シーズン、結果が出ていることについて。
○スローン ヘッドコーチ
「これまでと変化はない。システムを信じて戦える力がついてきたということ。ゲーム中の声を聞いても自信が覗える。彼らは結果にも慢心していない」
──新加入の森田について。
○スローン ヘッドコーチ
「何かを期待できるプレーヤーだ。横の動きに強いのは、他のプレーヤーにはない強み」
──期待するディフェンスについて、具体的に。
○スローン ヘッドコーチ 「97年のクルセイダーズで完成したDFシステムを採用しているが、理解が深まっているのは確かだ。ボールにより過ぎる等、完成しきっていないが。ディフェンスラインの1列目を突破されたら、ディフェンスラインの2列目でカバー、SHは決してDFラインに入れないようにすることが肝要だ」
|
|