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NEC、土佐選手のアタック |
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コカ・コーラウエストレッドスパークス 3-28 NECグリーンロケッツ
【week7/2010年10月24日(日) at 広島・コカ・コーラウエスト広島スタジアム】
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広島でのトップリーグ開催も今年で3回目。朝からの霧雨に、観客の入りが気になるところだが、今シーズン、中国地方では唯一の開催ということもあり、2,500人余りのファンが駆けつけた。バックスタンドには、地元、尾道高校出身の土佐選手(NEC)を歓迎する垂れ幕が見られ、また、午前中には、女子ラグビー普及の一環として、地元有志による女子タグラグビーが行われるなどして、ムードも盛り上がっていった。
試合が始まると、NECグリーンロケッツがキックをうまく使いながら、敵陣深く入っていく。前半5分、NECは、敵陣GL前5mで得たラインアウトからモールでゴールに迫る。ボールを持ち出したキャプテンNO8ニリ・ラトゥが、モールサイドをついて右隅にトライ。SOロビンスが難しい角度のゴールを決め、まずは、0-7でのスタートとなった。
続く前半12分、再び敵陣ゴール前でプレッシャーをかけるNECは、コカ・コーラウエストレッドスパークスのインゴールからのタッチキックミスをつく。キックをキャッチしたSH藤戸から左FL土佐へとボールが渡り、土佐からのリターンパスを受けたNO8ラトゥが豪快に相手を跳ね飛ばし、右隅へトライ。再び、SOロビンスのキックが決まり、0-14と点差を広げた。
対するコカ・コーラウエストも、キックからのカウンターを試みるが、NECの激しいタックルに加え、雨による影響で、ボールを思うように動かせない。そうしたなかで、前半26分、NECのノットロールアウェイの反則から得た敵陣22m付近での左からのPKをSO福田が慎重に決め、3-14と差をつめた。
しかしNECは、前半32分、敵陣ゴール前10m付近のラインアウトからバックスで勝負に出る。ラインアウトから右に展開した後のラックからパスを受けたSOロビンスがラインのギャップをついて抜け出し、そのまま中央にトライ。自らゴールも決めて、3-21で前半を終了した。
後半になっても相変わらず、霧雨状態は続く。後半、先手を取ったのは、やはりNEC。後半12分、敵陣ゴール前5mの中央付近でFKを得たNECは、スクラムを選択。スクラムから出たボールをNO8ラトゥがそのまま左のSOロビンスにパス。ライン参加してきたFB窪田にボールが渡り、窪田は、タイミングをずらされたコカ・コーラウエストのバックスラインの裏に出て、左へトライ。安定したキックを続けるSOロビンスによるゴールも決まり、3-28と点差は開いた。
トライが欲しいコカ・コーラウエストは、敵陣10m付近でのPKでスクラムを選択するなど、果敢に勝負に出るが、前半同様、NECの堅いディフェンスと雨で滑りやすいボールにより、最後は、ノックオン等のミスが出てしまう。キックをキャッチしたコカ・コーラのFBウェブも、ラインの裏に出ようと、何度かショートパントも試みるが、攻めきることができない。中盤での攻防が続いたが、結局試合は、そのまま、3-28で終了した。
マン・オブ・ザ・マッチには、随所に身体を張ったプレーで会場を沸かせた、NECキャプテンのNO8ニリ・ラトゥが選ばれた。
これで、NECは今シーズン前半戦を4勝3敗と勝ち越し。対するコカ・コーラウエストは、1勝6敗と苦しい折り返しとなった。(藤田憲弘)
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◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督 「速いテンポでボールを動かして、スペースを突いていこうとしたが、そこにもっていけなかった。NECさんのディフェンスが堅いのはわかっていたが、それを崩すための、前半から速く動かして相手を疲れさせるという形ができなかった。逆にNECさんは、キックでうまく自分たちの形をつくり、その差が出た。後半節に向け、1ケ月あるので、しっかりチームを立て直したい」
○福田哲也ゲームキャプテン 「今日のゲームは、完全にNECさんのペースで、自分たちのいいところが出せなかった。先週と同じミスが出て残念。後半節に向け、立て直す」
──先週は、モールを押された。また今日は、こうした天気のなかで、どうやってボールを動かそうとしたのか、ゲームプランは?
○向井監督
「先週、モールを押されてトライを取られたことに対しては、ある程度は、対応できた。今日、意外にできなかったのは、スクラムの安定。プレッシャーのかかったなかで、バックスにボールを供給しなければならなかった。敵陣に入ってクイックでボールを動かせればトライが取れるということはあるのだが、敵の激しいタックルでボールを失い、プランができていない。精度を上げていくしかない」
──今シーズンの前半節、惜しい試合もあったが、これから、どう立て直すのか?
○向井監督
「シンプルなミスは、意識で直ると思う。敵陣でより集中してボールを速く動かせるよう、意識のレベルを上げていく。そこで大切なのは、スタートのセットプレーであるスクラムやラインアウト。そこをチェックして仕上げ直したい」
──今日の結果は、NECのタックルの強さによるのか、それとも雨の影響が大きかったのか?
○福田ゲームキャプテン
「どちらが大きかったというよりも、早い段階で差を広げられすぎた。雨なので、ボールをキープしようとしたが、抜けた後、ボールを簡単放ってしまうところがあった」
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岡村ヘッドコーチ(左)、ラトゥ キャプテン
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◎NECグリーンロケッツ
○岡村要ヘッドコーチ 「開始早々から最後まで80分、全員が自分たちの仕事、チームの規律を通してくれた。今シーズンのベストに近い。前半節、後半で切れてしまうところがあったが、そこを修正できた。22人、全員で戦うことができ、選手を誇りに思う。一歩成長したゲームであった」
○ニリ・ラトゥ キャプテン 「ボールをキープしてゲームコントロールをすることができた。今シーズン、後半に問題があったが、今日は違った。セットプレーのスクラムは誇りに思う。勝ち点5が得られたことに満足している」
──後半の課題を修正して、相手を0に押さえたが、リードしているにもかかわらず、ペナルティが多かったことについては?
○ラトゥ キャプテン
「PKを与えないようには、練習している。個人的原因もあったが、ハードにやりすぎてPKとなっているところがある。今後、修正していきたい」
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