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東芝ブレイブルーパス 33-19 クボタスピアーズ
【week7/2010年10月23日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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一週間前の豊田自動織機シャトルズ戦で初勝利を得て徐々に調子を上げているクボタスピアーズが、トップリーグ三連覇を狙う東芝ブレイブルーパス相手にどこまで挑めるか、注目の一戦が、爽やかな秋風の吹く秩父宮ラグビー場において、東芝のキックオフで開始された。
開始早々、勢いある攻めを見せるクボタ。SH李が相手陣内で東芝FB立川のキックをチャージ、あわやトライかと思われたが、FB立川がキャリーバックで辛うじて逃れる。さらに3分、クボタは相手のハイタックルから得たペナルティにSH李がクイックスタートを仕掛け、FB吉田からFLヒッキーに繋ぎゴールポスト下に先制のトライ(ゴール成功0-7)。
しかし、東芝も負けていない。SOヒルのグラバーキックなどを交え果敢にクボタゴールに迫っていく。10分、ターンオーバーしたボールを左右に大きく展開した東芝は、50m付近のラックからテンポ良く繋ぎ、抜け出したLO石澤からパスを得たSH藤井がトライ(ゴール成功7-7)。一方のクボタは13分、東芝のオブストラクションから得た40mのPGをSOドゥラームが丁寧に決める(7-10)。
さらに東芝は17分、ラックからWTB廣瀬-FB立川-LO石澤と右に繋ぎ、最後はWTB宇薄が右ライン際相手約25m付近から中に鋭く切れ込み、中央にトライ(ゴール成功14-10)。すると30分にはクボタが相手オフサイドから中央20mで得たPGをSOドゥラームが決め、東芝に一点差に迫る(14-13)。その後、東芝がやや優勢に試合を進めるが、肝心なところでミスが出てトライを取りきれないまま前半が終了する。
後半も開始早々から積極的に攻めるクボタ。4分、相手ゴール前10mで東芝のオフサイドによって得たPGをクボタSOドゥラームが決める(14-16)。東芝もまた積極的で切れ目のない攻撃を展開、相手ゴールに迫る。7分、東芝は相手ゴール前5mでのペナルティをSOヒルがクイックスタートで持ち込みトライ(19-16)。12分、今度はクボタのSOドゥラームが、相手FL中居のレートチャージによるシンビンで得た約40mのPGをしっかり成功させ、再び同点とする(19-19)。
しかし、東芝のプレイは勢い衰えず、味方FW選手が一人少ないことを全く感じさせない。23分、東芝は相手ゴール前の味方ラインアウトから右に大きく展開、CTBブリューからタップパスを受けたWTB廣瀬がゴール直前まで攻め込みラックになったところを、シンビンから戻ったばかりのFL中居が持ち込みトライ(ゴール成功26-19)、さらに27分、東芝は相手陣内25mのラックから左に回し、CTB仙波のグラバーキックをWTB宇薄が勢い良く拾ってトライ(ゴール成功33-19)、ここまで順位の差を感じさせずにほぼ互角の戦いを見せていたクボタとの点差を広げていく。
しかし、クボタもまた得失点差を7点以内に収めることで得られるボーナス点(勝ち点1)を狙って、最後まで攻めの姿勢を弛めない。34分にはラックから左に素早く回し、飛ばしパスやタップパスからボールを得たクボタのWTB鈴木があわやトライかと思われたが、東芝WTB廣瀬の渾身のタックルを受け、タッチの判定。その後も、クボタはゴール前でペナルティを得てラインアウトモールなどで攻めるものの、東芝の堅固で隙のないディフェンスにより、結局後半は力及ばずノートライに抑えられてしまう。
最終的には点差が開いてしまった感があるが、接点での激しいボールの奪い合い、両外国人SOによるキック攻撃やエリアを広く使ってのライン展開など、両チームのFW、BK一体となった力強い攻防は、最後まで目が離せない見ごたえのあるものであった。(小林吉文)
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佐野監督(右)、荻原キャプテン
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◎クボタスピアーズ
○佐野順監督 「前半は良いゲームをして、後半は突き放されるのがこれまでの東芝とのゲーム展開でした。選手たちも、それを十分に分かって臨んだ試合でした。真っ向勝負の中、ほんの一つのプレーの精度で差がついて、我々の足りないところを実感できた試合でした。ゲームプランに則って、選手たちは良くやってくれました。トップ4の圧力を感じることができましたので、ウィンドウマンスに鍛え直して後半戦に臨みたいと思います」
──先週の1勝で変わったことは?
「ミーティングも練習の雰囲気もガラリと変わりました。今日は前半戦最後ということで思い切って行こうと、東芝さんどうのこうのと言うより、苦しんできた中でやっとつかんだクボタスピアーズのラグビーを出そうと臨みました。我々がよくやってきた部分と足りない部分が明らかになり、勉強になったゲームでした」
○荻原要キャプテン 「本日はありがとうございました。一言で言うと、本当に悔しいです。後半のトライ二つ獲られたのは、自分たちのミスからで、そこが悔しいところです。トップ4とやるときは小さなミスが命取りになると非常に勉強になりました。ウィンドウマンスに修正して、次の三洋戦に臨みたいと思います」
──先週の1勝で変わったことは?
「1勝して、東芝さんとの試合はウィンドウマンスの前ということもあり、すべて出し切ろうと臨むことができました」
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瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン
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◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督 「秩父宮に戻って、前半節最後の試合ということもあり、東芝ファンや多くのラグビーファンに来場していただき、感謝しております。前半戦最後の試合ということで、ボールを動かしたかったのですが、ややフラストレーションがたまりました。最後、攻められても守り切ったのは良かったところですので、修正して後半戦に臨みたいと思います」
──今日の苦戦の原因は?
「今日は、クボタさんはペナルティでリズムが出て、ブレイクダウンのコンテストで、これまでのクボタさんなら、そう強く入ってこなかったのが、予想以上にコンタクトしてきて、こちらはボールキープができなかったと思います」
──ハーフを戻したが?
「三井のコミュニケーション能力が高いし、ディフェンス力もあるので期待して出しました」
──前半戦1敗で通過だが?
「9月の開幕では、汗でボールがすべる中、堅いラグビーをした方が良いのでは、それとも攻めるかという緊張がありました。結果的に、何のためにラグビーをするのかを考え、やはり立ってボールを動かすラグビーにこだわろうという意識を共有できるようになりました。チーム全体にとって良かったことです。7節でチームスタイルが確立しつつあるので、後半に完成させていきたいと思います」
○廣瀬俊朗キャプテン 「まず、素晴らしい環境で試合ができたことに感謝したいと思います。前半はクボタさんの攻撃を受けてしまって、思うようにプレーできませんでした。アタックでペナルティを取られて、東芝のラグビーができませんでした。7節終わって、いろいろと試合で進歩してきて、間違っていない方向へ来ています。ウィンドウマンスでいっぱい練習して、強くなりたいと思います」
──成長したところは?
「NEC戦くらいから、ボールを動かす意識が出てきたと思います。去年より、ずいぶんアタックの形ができて、それを研ぎ澄まそうという段階に来ています。リコー戦では結構、後半にやられましたが、今日は我慢してスコアできたので、成長していると思います」
──クボタは現在、降格圏の順位に位置していますがどう思いますか?
「クボタさんの荻原選手のキャプテンシーが素晴らしく、尊敬しているチームの一つです。平常の順位ではないし、うまくいけば5位、4位を狙えるチームです。今日も後半、荻原が、ペナルティを狙えとみんなが言っているのに、タッチを何度も選択していました。良いチームだと感じています」
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