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7節 マッチサマリー(サントリー 72-0 ヤマハ発動機)

サントリー 72-0 ヤマハ発動機   サントリー 72-0 ヤマハ発動機   サントリー 72-0 ヤマハ発動機   サントリー 72-0 ヤマハ発動機

サントリーサンゴリアス 72-0 ヤマハ発動機ジュビロ
【week7/2010年10月23日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】

トップリーグ前半最終戦となる第7節。ようやく秋の風が吹くようになった秩父宮ラグビー場で、サントリーサンゴリアスとヤマハ発動機ジュビロの一戦が行われた。前節ではコカ・コーラウエストレッドスパークスに僅差で勝利したサントリー。神戸製鋼コベルコスティーラーズに僅差で敗れたヤマハ。両チームとも課題の残る試合であったが、その課題をどこまで修正できたかが勝敗の行方を左右する結果となった。

試合開始から暫くは両チームとも決め手に欠け得点に結びつけることができなかったが、最初にチャンスを掴んだのはヤマハ。前半15分、サントリー陣22m付近でペナルティキックを得る。前節まで得点ランキング1位の名手・FB五郎丸がペナルティゴールを狙ったが、惜しくもこれを外す。これが合図であったかのように、ここからサントリーの猛攻が始まる。21分、サントリーはラインアウトのクイックスローから左に展開、SOトゥシ・ピシが抜け出しCTBライアン・ニコラス、WTB小野澤につなぎ左隅にトライ。さらに小野澤は持ち前の個人技で23分、26分にもトライし、僅か5分の間に連続3トライを奪った。これには「お揃いの黄色いタオルマフラー」を首にかけて応援していたサントリーファンも盛り上がらずにはいられない。28分には右ライン攻撃に左WTBの小野澤がライン参加して抜け出し、右WTB長友のトライを演出。32分、サントリーはペナルティキックをクイックスタートさせ、ゲームキャプテンのFB有賀がトライ。37分にもヤマハのキックからカウンターアタックを仕掛けWTB長友がトライし、前半を32-0の大差で折り返した。

後半もサントリーの勢いは止まらない。後半開始僅か33秒、連続攻撃からSOトゥシ・ピシが抜け出るとPR畠山につなぎそのままトライ。持ち味のディフェンスが機能しないヤマハもCTBマレ・サウの力強い突破から反撃を試みるが、イージーミスでチャンスを潰してしまう。立て直しがなかなかできないヤマハに対してサントリーは攻撃の手を緩めず、12分にモールを押し込みNO.8トッド・クレバーがトライ、16分にはPR畠山がトライ。さらに20分、WTB長友がこの日3本目のトライ、27分にゴール前ラックからFB有賀、33分にはPR畠山もこの日3本目のトライを奪った。この猛攻にヤマハは手も足も出ずノーサイド。フォワード、バックスそれぞれの仕事をきっちりこなしたサントリーが72-0の大差で勝利を収め、後半戦に向けて勢いをつけた。

マン・オブ・ザ・マッチには、前半に試合を決定づける活躍を見せたサントリーWTB小野澤宏時が選ばれた。(久野彰也)

会見ダイジェスト
ヤマハ発動機ジュビロ

◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督
「素晴らしいコンディションのスタジアムで多くの声援を頂いてありがとうございました。ヤマハのディフェンスができず、修正していきたいと思います。とにかく完敗です。1対1の接点でサントリーさんに完全にやられました。この結果をしっかり受け止めて修正します」

──どの辺りを修正するのか?
「三洋戦から1対1の局面で食い込まれています。一人目のフィットネスが足りず、食い込まれて、二人目がどうしても出て行けない状況だと思います。そこと、ラインスピードも修正したいと思います」

○串田義和キャプテン
「素晴らしいグラウンドで素晴らしい試合ができたことに感謝します。1対1、セットプレーで完敗しました。結果を真摯に受け止めて、幸い1ヶ月ありますから、修正するしかありません。開幕からの2試合の勝利の時のように良い状態にしたいと思います。今日はありがとうございました」

サントリー 72-0 ヤマハ発動機   サントリー 72-0 ヤマハ発動機   サントリー 72-0 ヤマハ発動機
サントリーサンゴリアス

◎サントリーサンゴリアス
○エディ・ジョーンズGM兼監督
「最初からタフにやることができて、今日の試合は基礎の大切さを示すゲームになりました。60分で72点、なぜ取れたかと言えば、FWが基礎を作ってくれたからです。BKも真っ直ぐ走ってスペースを作りました。ちょっとステップアップできた試合でした」

──両ウイングが3トライしたが?
「9番、10番、12番が真っ直ぐ走り、13番、15番が良い連携をしたのでウイングが獲れました。今日はパーティ(チーム内での)があるのですが、小野澤には『3トライ獲らないと出席できないよ』と試合前に声を掛けました。本人は冗談だと思っていたかも知れませんが、本気でした。今日は彼もパーティに行けますね(笑)」

──エディーさんが指揮してプロップが3トライしたことはありますか?
「(それには答えず)ハタケはスクラムも良くやってくれました。ボールキャリーもセットも良かった。キャプテンの竹本が怪我していますので、FWリーダーもやってくれています。感謝しています」

──後半戦に向けて?
「もうちょっと、1.1kgから1.5kgくらい筋肉をつけていきたいです。体脂肪率もフィットネスも上がっていますので、1月に寒くなって、ゆっくりした試合になったときにフィジカルで上回らないといけません。アタッキングゲームで、サントリーが違うジャージを着ていても(プレーを見れば)サントリーだと分かるようなチームにしたいと思います」

──キャプテンは大人になったと言うが?
「小さいステップですが、選手も我々も責任感が出れば良いゲームができます。選手たちが責任を持ってやる楽しさを理解してきていると感じます。ラグビーでは、試合中はコーチはあれこれ言えないし、リーダーシップは選手から出していくもので、それができてきたと感じます」

○有賀剛ゲームキャプテン
「前半戦最後の試合で、こういうゲームができたのは自信になります。先週からキャプテンとしてやらせてもらって、チームをまとめる大変さも分かってきましたが、一人一人が大人になったから目指すラグビーができたと感じています。ただ、強豪相手だと、最後の20分が勝負になります。そこでテンポアップできていないのは課題です。昨シーズンでは最初は良くても、後半にテンポが落ちたので、すごく良い経験をしたと思います。今日はありがとうございました」

──どういう部分が大人になったのか?
「最初の20分が大事なのに、先週はコーラさんに開始1分でトライを獲られました。良い準備をしたと思っていても、一人でも欠けていたらやられます。今日は直ぐに獲れて、良い準備がそれぞれできたなと感じました。後は、『欲』という部分で、足りないものがあると感じます。チャンピオンになりたい、絶対なるという気持ちを出せと試合前に言ったのですが、その気持ちを出してくれたと思います」



2010年10月23日

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