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クボタスピアーズ 38-35 豊田自動織機シャトルズ
【week6/2010年10月16日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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トップリーグ第6節、今シーズン勝ち星のないクボタスピアーズ(0勝4負1分/14位)と豊田自動織機シャトルズ(1勝4負/13位)が両チーム一丸となった全員ラグビーで熱い戦いが両チームの熱烈なファン(5,276人)を魅了した。
この試合は両チームともに上位浮上のために、特にクボタは今シーズンの初勝利、勝点が絶対欲しい大切な一戦です。
試合はシャトルズSOウィリアムズ選手のキックオフで試合が始まりました。
開始早々の前半4分シャトルズはクボタ陣22m付近での相手ペナルティ(オフサイド)よりチャンスを掴みSOウィリアムズ選手がペナルティゴールを決めて先制(0-3)、その後もシャトルズは再三クボタ陣に攻め込むもクボタの厚いディフェンスを突破できない。シャトルズはクボタ陣での相手ペナルティより9分、14分、19分と連続の得点チャンスを掴み2つのペナルティゴールを決め0-9とシャトルズペースで試合を進めた。
この試合は負けられないクボタは前半23分にシャトルズ陣22m付近でラインアウトよりサイドを突く連続攻撃を仕掛けHO荻原キャプテンが気迫のトライを決め7-9と追撃態勢に入ったが両チーム一進一退の攻防が続き前半を終了した。
後半に入り、クボタはSO森脇選手に替わりドゥラーム選手を投入しボールが繋がり始め、早々の5分には敵陣ゴール前5m付近でシャトルズの反則よりチャンスを掴み、WTB伊藤選手がトライ(ゴール失敗/12-9)と逆転した。試合は両チーム一進一退の攻防を見せたがシャトルズも諦めてはいなかった。後半8分、15分にはWTB筒井選手が連続トライを奪い逆転、18分には10mラインアウトよりボールを繋ぎ後半より入ったLO石川選手もトライ、続く20分にはFB大門選手が約70mの独走トライを決め12-35とクボタを大きく突き放した。
試合を見ていた誰もが「シャトルズの勝利」と思った。それでもクボタは諦めなかった。荻原キャプテンの「残り20分で5トライ取りにいくぞ!」の言葉にチームは燃えた。クボタは後半26分LOホラニ龍選手のトライに続きPR手塚選手、WTB伊藤選手が連続でトライを奪い31-35とシャトルズに追いついた。試合は残り5分、熱狂する両チームの熱いファンの声援が場内に響いた。
試合終了直前の後半39分、シャトルズ陣に勢いよく攻め込むクボタはWTB伊藤選手が敵陣ゴール左隅にトライを奪い劇的な逆転(38-35)。クボタは大きな1勝と勝ち点(5)をチーム全員とファンの熱い応援の力で勝ち取った。
マン・オブ・ザ・マッチは、この日3トライを奪ったWTB伊藤有司選手の受賞となりました。
次節、クボタは東芝ブレイブルーパス(5勝1分/2位)に戦いを挑み(10/23秩父宮14:00)、シャトルズはリコーブラックラムズ(2勝4負/9位)に挑む(10/23 大阪 近鉄花園 12:00)。(佐藤克則)
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田村監督(右)、吉田キャプテン
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◎豊田自動織機シャトルズ
○田村誠監督
「残念な結果です。最後まで決められない、最後のところを指導しきれませんでした」
──後半、点差をつけたところでどのような戦術やメンバー交代を考えたか?
「前半は劣勢ではなかったが、とり急ぐようなところがあったので、そのようにならないよう臨みました。しかし、後半ラインアウトでミスしたり並びの順番を間違えたり、勝負どころでミスが出てしまいました。メンバーの交替はフィットネス重視で行いました」
○吉田正明キャプテン
「後半、自分達のペースでしたが、最後の10分間にクボタさんにトライをとられたのは甘かった。我慢できなかったところが反省点です」
──相手の攻めに対し受けに回ってしまったか?
「最後まで走りきれなかった。気持ちが緩んでしまいました」
──相手が追い上げてきたとき、体力的な問題があったのか?
「セットプレイでのミスもあり、体力的に力を使ってしまいました」
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佐野監督(右)、荻原キャプテン
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◎クボタスピアーズ
○佐野順監督
「勝つことがこんなに難しいことだということを実感しました。反省すべきところがいっぱいあります。トライは、22名全員で最後までつないでとったものです。豊田自動織機さんは外国人選手中心に個々の力が強かった。我慢すれば最後はチャンスがくると思っていました。まずは一勝をあげることができたので、今後も頑張っていきたいと思います」
──ドゥラームの働きはどうでしたか?
「ドゥラームの投入は予定通りで、アタックにリズムが出ました」
──技術的およびメンタルな部分で勝てないことが続いたが、チームとして難しかったのでは?
「悪いことを言い合うのではなく、自分たちが何をすべきかを考えるようにしましたが良く耐えたと思います。技術的には、ディフェンスからの建て直しに注力し、対サントリー戦の前半のような戦いを続けたいと思いました」
──伊藤有司選手のどのようなところに期待するか?
「下半身が太く、外国人選手にも負けない力強さがあります。これからは、経験を重ね、チームでやることへの慣れを増してバックスリーで伸びて欲しい選手です。14番伊藤選手のトライ、即ちウイングがとるトライはボールが良く動いている証であり、新人ながらも絶対にトライをとるという気持ちが表れています」
○荻原要キャプテン
「今日の結果については嬉しく思います。反省すべきところがいっぱいありますが、気持ちを切り替えて来週も頑張りたいと思います」
──後半、逆転したと思ったら相手にトライをとられ流れが悪くなったが、どのように盛り返したのか?
「逆転されたのは、個人のタックルミスによるものでしたが、最後に相手にトライをとられたとき、味方の選手たちの目が死んでおらず、トライしようという強い気持ちを表していました。まだ試合時間が20分あり、相手は後半パフォーマンスが落ちる、最後までやればトライをとれると思っていました」
──ペナルティゴールを狙わないで仕掛けたのは、キャプテンの判断か?
「相手が後半疲れている様子でしたし、味方の攻めの気持ちを出すために、そのように判断したものです」
──アタックについて。たくさんトライをとったが、今後に向けた収穫はあったか?
「相手のスペースが空いているところを攻めましたが、セットプレイがこれからの課題と思っています」
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