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リコーブラックラムズ 29-27 コカ・コーラウエストレッドスパークス
【week4/2010年10月2日(土) at 東京・秩父宮ラグビー場】
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リコー、接戦を制し、対コカ・コーラウエスト戦、初勝利
これまでの3試合を、ともに1勝2敗の成績で迎えたチーム同士の第4戦。両チームともバックスに大きく展開してトライをとる同じような攻撃的なスタイルのチームで、実力的にもほぼ互角、さわやかな秋晴れの下でのキックオフとなった。
試合は、予想通り、バックスでの展開でトライを取り合う展開となった。開始直後から、コカ・コーラウエストはバックスを大きく左右に展開し、FWが着実にフォローし、ボールを出す攻撃を繰り返し、2分に、LO川下-HO蔵-SO吉原とつなぎトライ(ゴール成功 0-7)を決め、コカ・コーラがリードすると、リコーは6分にSO河野がPGを決め、10分にはゴール前スクラムから出たボールを、左ブラインドWTBに入った小松が受け、トライ(ゴール不成功)、8-7と逆転した。
21分にはコカ・コーラウエストWTB原留がPGを決め、8-10と逆転するが、26分にリコーはゴール前での3次、4次と亘る攻撃から、最後は左オープンで、WTBのポジションに待っていたPR長江へのロングパスがきまり、長江がトライ(ゴール成功)、15-10と再逆転した。しかし、コカ・コーラウエストもFW/バックス一体となった攻撃を続け、38分にはゴール前からのモールを押し込みNo.8山口がトライをとり(ゴール不成功)、15-15の同点でハーフタイムとなった。
後半11分に、自陣ゴール前のタッチからのクイックラインアウトからWTB 小松が80m好走し、最後はFB横山伸がトライ(ゴール成功)、リコーが22-15とゲームをリードした。
しかしコカ・コーラも走り負けず、一方的な試合にはならない。16分にはコカ・コーラウエストがゴール前でのモールから、ブラインドサイドにSH香月-FL桑水流と回し、トライをとり(ゴール不成功)、22-20と点差を詰めるが、20分にはリコーWTB星野がトライ、29-20と突き放す。最後まで試合をあきらめないコカ・コーラウエストは27分、ラインアウトからの攻撃でCTBベイトマンからのパスを受けたWTB原留がトライ、29-27と追い詰める。コカ・コーラウエストは37分に左中間約30mでのペナルティを得て、PGでの逆転のチャンスとなるが、WTB原留がゴールポストをはずし、万事休す。リコーがどうにか2点差で逃げ切った結果となった。
リコーは4トライでボーナスポイントも獲得し、勝点5。4トライで7点差以内の負けのコカ・コーラウエストも勝点2を獲得した。
両チームとも最後まで走り続け、点数の競った展開となったが、ディフェンスが若干淡白だったためか、大味な試合となったのが残念だった。(正野雄一郎)
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向井監督(右)、山口ゲームキャプテン
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◎コカ・コーラウエストレッドスパークス
○向井昭吾監督
「本日はありがとうございました。先々週、近鉄戦に勝って、この勢いでやっていこうと臨みましたが、あまりにもBKが確実なプレーができず、FWはよく頑張りましたが、この結果となりました。トライできたところをキチッと獲れず、その差がこの得点差となったと思います。気持ちを切り替えて頑張って行きたいと思います」
──今日の敗因を挙げるとすれば?
「ディフェンスですね。どこのチームもしっかり守って、敵陣に入ったら獲って帰ります。全員アタックは好きだから、何とかアタックはできていますが、トップのスーパー14レベルで本当にタックルできる選手が必要です。また、そうでないと日本代表のレベルも下がってしまいます。大きい選手が怖いとか、一発で仕留められないのでは困ります。外国人選手が向こうに多いから負けたといわれるのは嫌です。結果として2点差での負けは非常に悔しいです」
○山口智史ゲームキャプテン 「今シーズン、最初で最後の秩父宮の試合で、全国にいる仲間に良いラグビーを見せたかったのですが、結果は負けて残念です。近鉄戦で勝ったことが若いメンバーの糧になっていましたが、今日は若い選手の成長という面では残念な結果となりました」
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ローデン監督兼ヘッドコーチ(右)、滝澤ゲームキャプテン
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◎リコーブラックラムズ
○トッド・ローデン監督兼ヘッドコーチ 「このように競った試合になると予想していました。グチャグチャしたけれど、コーラさんもリコーもスタイルが似ていて、戦うとお互いの良さを消し合ってしまいます。トップリーグでコーラさんに勝ったのは初めてで、なぜか勝てないチームだったので、勝てて嬉しいです。今日は自分たちのポテンシャルの60%くらいでしたので、90%出せるようにしていきたいです」
──勝てなかったコーラに対して、どのように優位に立とうとしたのか?
「まず、走り勝てると思っていました。ラインブレイクしてのトライチャンスを生かせなかった場面がありましたが、全体的にアドバンテージがあると思っていました。ディフェンスでは、自分たちのスキルを修正できれば、そこでも行けると思っていました。ただ、100%は行かないとも思っていました。アティテュードとして、何度もキープしてやり続けることはできたと思います。コーチングでは教えられないことで、選手の気持ちが重要でした」
──簡単にトライを2本獲られたが?
「1本目はレフリーがいないスペースをコーラさんに賢く突かれました。最後のトライは個人のディフェンスエラーです。そこは練習している部分で、アティテュードとしても大切なところです。うちも3本くらいミスをしています」
──メンバー選考の基準は?
「どの試合も違います。もちろん、怪我が大きな部分ではありますが、去年、トップリーグで戦って、選手をローテーションしていかねばならないことを学びました。シーズン終盤に選手がいることが重要です。スコッドのなかにはレベルの近い選手がたくさんいますので、ローテーションで人が入ってもちゃんとやっていける自信があります」
──ラーカム選手、キム・ヨンデ選手は?
「ラーカムは37歳、毎試合はキツいでしょう。ローテーションで試合を選んで使いたいと思います。キャリアの中で怪我も多いので。(横山)伸一も良いプレーをしていますし。キム・ヨンデは、うちに来たときから怪我をすでにもっていて、良いコンディショニングをやり直しているところです」
○滝澤佳之ゲームキャプテン 「まず、集まってくださった会社の皆様、リコーファンの皆様に感謝いたします。トライを獲っても突き放せず、セットピースも取れず、苦しい時間帯が続く試合でした。チームとしては、ゲームの中で若手の(星野)将利、小松、(横山)伸一に引っ張られて、勝った試合で良かったと思います。勝ち点5点を取れて嬉しいです。競ったゲームに勝ったのは大きいです。また1週間、トレーニングして次の試合に臨みます」
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