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13節 マッチ&会見リポート(神戸製鋼 33-52 東芝)
C:2010, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ 33-52 東芝ブレイブルーパス
【week13/2010年1月9日(土) at 兵庫・ホームズスタジアム神戸】
トップリーグの順位は確定しているものの、長年死闘を繰り返してきた両チームは、東芝のキックオフから意地のぶつかり合いとなる。ベイツ、大野らFW陣が激しいアタックを繰り返す東芝に対し、神戸製鋼のゾーンディフェンスが機能し、見所の多いブレイクダウンの攻防となった。
一進一退が続いた14分、神戸製鋼SO森田のタッチキックミスから、東芝が激しいブレイクダウンの連続の末、FL6ベイツがトライに結びつける(G成功0-7)。積極的にアタックする神戸製鋼だが、その分後ろのスペースが手薄になってしまう。23分、SO森田のキックによるエリアマネジメントに微妙な狂いが生じ、カウンターアタックを仕掛けた東芝SOヒルのパントをWTB廣瀬がキャッチ、上手くフォローしたFL中居がトライし、差を拡げる(G成功0-14)。ここから、徐々にブレイクダウンで劣勢に立つ神戸製鋼は、タックルの甘さも手伝い連続トライを献上、34分までに0-31とリードされる。
唯一優勢なスクラムに活路を見出す神戸製鋼は38分、東芝陣内22m付近中央ラックから左展開、途中出場のCTB大石からWTB大橋にあっさりパスが通りトライ(G成功7-31)。僅かながら、後半に望みを繋ぐ。
後半、FWを一気に3名入れ替え、リズムを変えた神戸製鋼は、44分東芝ゴール前5mLOからモールを押し込み、途中出場のNO.8マパカイトロが押さえトライ(G成功14-31)。一気に攻勢をかけたいところであったが、49分自陣左LOから、東芝WTB宇薄の巧みなダミーパスに翻弄、ビッグゲインを許し、最後はWTBオトに繋がれトライ(G成功14-38)、気勢を削がれる。
残り30分、地元での最終戦、このままでは終われない神戸製鋼は、HO松原のビッグゲインで東芝ゴール前に迫るなど、ゲームを諦めない。60分には後半安定したLOを押し込み再びNO.8マパカイトロが押さえトライ(G成功21-38)。63分には、自陣10m付近からのラックで、ターンオーバーしたボールを繋ぎ、FBアンダーソンが、上げたショートパントを巧くキャッチし、そのままトライ(G成功28-38)、射程距離に東芝を捕らえる。
FWの足が止まりだした両チーム、1トライずつ挙げた残り10分に力勝負を挑む。神戸製鋼ゴール前で、4人を残し、モール攻撃をかける東芝に対し、必死に守る神戸製鋼。勝敗、順位を度外視した、ラグビーの魅力ともいえる激しいブレイクダウンの攻防は、観客の心を熱くさせ、場内も異様な興奮状態となった。最後は78分モールを押し込んだ東芝FL6ベイツが押さえトライ。最終スコアは33-52と東芝の快勝であったが、終盤の攻防は、改めて‘肉弾戦'の醍醐味を観客に再認識させるとともに、両チームとも続くシーズンに大きな可能性を残したゲームであった。(廣島 治)
平尾GM兼総監督(左)、松原キャプテン
◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二GM兼総監督
「最終節での東芝戦だったが、前節が一番重要なゲームだった。前半は立ち上がりから取るべきところで取れず、逆に向こうに取られてしまった。
後半は盛り返してくれたが、もう少しというところでそうさせてくれなかった。前半の失点がひびいた。日本選手権出場に向けて、得点力増を目指して神戸らしいゲームをしていく」
○松原裕司キャプテン
「前半は取れるところで取れなかった。しかし総合的には大敗してもいいところから盛り返せる地力はついてきたと思う」
──大量失点した原因は?
○平尾GM兼総監督
「ディフェンスというより、一発目のタックルが決まらないと無理、前半はそういうケースが多かった。タックルの整備と、得点力の向上が必要だ」
──リーグ戦を振り返ってみて?
○平尾GM兼総監督
「もうちょっと行けると思っていた、昨季は久しぶりのプレーオフ進出で、それを最低ラインに設定していたが、もう少しかなと、たられば、の話だが勝てていたゲームもあったと思う。
大きなフィールドでみると負けてはいないのだが、局面であわてず、自信をもって対応する必要がある」
○松原キャプテン
「去年よりは地力はついている。去年は勢いだけだったが、今年は自分たちで考えたことがゲームに出せている。しかしチームとしてのまとまりが必要」
──日本選手権出場にむけてアタックの整備は?
○平尾GM兼総監督
「後半、ボールが早く動くようになった。ここに磨きをかけていく。手ごたえは感じているので、自信をもってやっていく。地力は持っているのだから」
瀬川監督(右)、中居副キャプテン
◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督
「リーグ最終節ですばらしい環境でゲームができたことを感謝している、今季は関西での試合が少なかったので、関西の東芝ファンも喜んでくれたと思う。
ゲームは前半と後半が入れ替わったような大味なものになってしまい、プレーオフまでに修正したい」
○中居智昭副キャプテン
「前半はオフサイドプレーヤーを作りだし、裏へ出ていこうというアタックができた。後半は神戸の流れの時に守りきれず、2〜3度いいモールも組まれた、ここを修正したい。
がまんするべき所はできている。チームとしてはレベルアップしているのでこれからが勝負だ」
──33失点、ディフェンスに関して?
○瀬川監督
「33点取られたことは本位ではない。後半にあっさりと失点してしまった。流すところ、詰めるところの意思統一と全体としてのまとまりが必要で、ここを修正してプレーオフにのぞみたい」
2010年1月10日
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