ホンダヒート 17-27 NECグリーンロケッツ
【week12/2009年12月26日(土) at 愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場】
冬の寒さが少し和らいだ瑞穂ラグビー場で、勝たなければトップリーグ残留が厳しくなる大事な一戦が行われた。前半はNECのキックオフで始まった。風はNECに味方していた。
前半開始1分、NECは敵陣奥深くに入りマイボールスクラムを獲得する。すると、このチャンスを確実に得点に結びつけた。左FLセミシ・サウカワが左隅に飛び込み開始早々NECが先制トライをあげる。その後のゴールキックは外れたが5-0とリードした。一方、ホンダもすかさず反撃をする。前半3分、敵陣22m付近、右ラインアウトから左に大きく展開し最後は右WTB山田章仁がインゴールに飛び込むもノックオンがあり惜しくもトライが取れなかった。お互いに負けられない戦いの中で激しいタックルが観客を盛り上げる。すると、前半11分、NECはセンターライン付近でホンダボールをターンオーバーし連続攻撃を見せる。最後は大きく右に展開し右WTB窪田幸一郎が右隅に飛び込み追加点をあげた。さらに前半21分、NECはSO松尾健が見事なキックパスを決める。左方向に蹴ったキックはBKラインで待ち構えていたセミシ・サウカワに通り左隅にトライをあげ17-0と着実に点差を広げていった。ホンダは前半31分、NECのキックをチャージし、こぼれたボールをSHヤン・ヨンフンが左隅に持ち込みトライをあげた。ゴールも成功し7-17と反撃を開始した。しかし、直後の前半33分、NECはキックカウンターからFB吉廣広征が真ん中にトライをあげ24-7とホンダを寄せ付けない。前半終了間際にホンダはPKを成功させ10-24とするが前半はNECが有利に試合を運んだ。
後半になると気温がぐっと下がり肌寒くなった。しかし、グラウンドでは両チームが激しくぶつかり合い試合は熱を増した。後半に先制したのは前半の勢いそのままにNECであった。後半7分、NECのSO松尾健がPKを成功させ27-7とリードを広げる。絶対に負けられないホンダも後半16分、敵陣10m付近でペナルティを獲得すると、素早い仕掛けからNo.8川添学が左隅に飛び込む。ゴールも決まり17-24と差を詰めた。ますます激しくなるゲームは両チームから負傷者を出す。戦略的な選手変更も活発に行われ、どちらもリズムを変えようと必死であった。しかし、なかなか突破口が見えないまま残り時間が少なくなる。お互いが敵陣の深くまで入り込むが激しいタックルによりトライが取りきれない。無情にもノーサイドの笛が鳴り響く。残留をかけた大切な一戦はNECが24-17でホンダを破った。
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シェラット ヘッドコーチ(右)、木村主将
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◎ホンダヒート
○ジョン・シェラット ヘッドコーチ 「トップウエストに降格になることもあり、今日の結果にはがっかりしている。ゲームに関しては大事なところで得点をとられたが、選手ががんばったことを誇りに思う」
○木村允彦主将 「エリアマネージメントに失敗した。この1年間トップリーグでやってみて、やっていく力があることはわかったので、もう一度しっかりチームを見つめ直して、チームを作り直したい」
──今日はいい試合だったが、勝てなかった理由は?
○木村主将
「トップリーグでは、細かいところでのミスが少ないチームが勝つ。状況判断・ゲームメイク・基本プレーのミスが多かったところが敗因。そしてトップリーグではチャンスゾーンで確実に点を取るという意識の高いチームが勝つということがこの1年間でよくわかった。
──チャンスとピンチに対する意識を養うには?
○木村主将
「場数をどれだけ踏むかだと思う。前半節よりも後半節のほうが成長していたのは経験を多くしたことが大きかったと思う」
──今日のゲームはホンダにとって大一番だったが、気負いはなかった? その気負いがミスにつながっていたのでは?
○木村主将
「ミスが多いのはいつもと同じ。エリアマネージメントの失敗が大きかった。気合は十分に入っていて、とてもいい雰囲気でやれた」
──主将自身、地元名古屋でプレーできたことについての感想は?
○木村主将
「瑞穂は自分自身、高校時代からあまり相性がよくないが、グラウンドとしては好きなグラウンド。たくさんの応援が来てくれることもあるし、成長した自分のプレーを見ていただきたいという気持ちが強い」
──今日のNEC戦に向けてのゲームプランは?
○シェラット ヘッドコーチ
「ミッドフィールドでゲームを進めたかったが、できなかった。また、クリーンなボールを出したかったが出ず、勢いがつかなかった」
──トップリーグ最後の1試合に向けて?
○シェラット ヘッドコーチ
「コカ・コーラ戦はプライドをかけて戦う。体力もパワーもいるが、今シーズンのラストは勝利で終わるつもりだ。1シーズンでトップリーグに戻るためにも、最後にいい結果を出して終わりたい」
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岡村ヘッドコーチ(左)、ラトゥ主将
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◎NECグリーンロケッツ
○岡村要ヘッドコーチ 「ホンダもNECも崖っぷちだったので、ホンダがNECをターゲットにしてくることは分かっていた。捨て身でくる相手に対して、捨て身でぶつかり、激しく戦った。ここ数試合、メンタル面でもフィジカル面でも成長したプレーヤーを誇りに思う」
○ニリ・ラトゥ主将 「今日は大きなチャレンジだった。選手の努力に対して誇りに思う。いいパフォーマンスができた。次戦に向けて頑張りたい。FW・BKともによかった」
──ホンダで脅威だったのは?
○岡村ヘッドコーチ
「自陣からでも積極的にきたし、外国人プレーヤーと1発でとれる戦力は脅威だった。NECはCTBを中心によくディフェンスしてくれた」
──前半4トライとることができて、後半消極的になったのでは?
○ラトゥ主将
「最初力強くスタートしたいということでよかった。後半も努力したが、エネルギー面で下回ってしまった。しかし、5ポイントとれたのはよかった」
──今日のホンダ戦に向けてのプランは?
○岡村ヘッドコーチ
「11月以降、自分たちのプランをもっていたし、選手もそれをよく理解し、ずっとちゃんとできていたので、特にホンダ戦に向けてプランを変えるつもりはなかった。その中で敢えて、ディフェンスの整備とコンタクトエリアの整備をホンダ戦に向けて確認した」
──ハーフタイムに出した指示は?
○岡村ヘッドコーチ
「前半気持ちが入りすぎて、ボールばかり追っていたので、役割を明確にしようということは指示した。それが後半には修正できた」
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