いよいよ年内最後となった「ジャパンラグビー トップリーグ2009-2010」。順位争いも佳境に入り、前節の結果により三洋電機、サントリー、東芝の上位3チームのプレーオフトーナメント進出が決定。そして、下位チームに目を向ければ九州電力の降格が決定と各チームの命運が分かれてきた。残り2節となった今シーズンのトップリーグ、どのチームも年内最後の試合に勝って新年を迎えたいところだろう。一都四県・五会場で行なわれる第12節、ぜひスタジアムで冬の熱戦を御覧いただきたい。
■三洋電機ワイルドナイツ 対 ヤマハ発動機ジュビロ 群馬・太田(12月26日)
首位をひた走る三洋電機ワイルドナイツは、相変わらず安定した戦いを見せている。WTB北川(智)は、チームを勝利に導くトライを重ね、4年連続トライ王を虎視眈々と狙う。選手層の厚さも随一でベテラン、若手ともに戦略・戦術の理解度が高く、誰が入っても力強さは変わらない。
対するヤマハ発動機ジュビロは、前節サントリーに敗れはしたものの、戦い方にブレはなく、勝負を決するポイントさえ抑えておけば勝機はある。山村、大田尾のリーダーを中心にチーム一丸となって戦いたいところ。
■東芝ブレイブルーパス 対 サントリーサンゴリアス 東京・味スタ(12月26日)
前節プレーオフトーナメント進出を決めた東芝ブレイブルーパスは、LO大野やFL中居ら接点で仕事ができる選手たちが多いのが強み。ブレイクダウンの局面で優位に立てると“らしさ”が出てくる。
対するサントリーサンゴリアスは、ここにきてぐっとチーム力が上がった感がある。FWの運動量が多く、ターンオーバーからのアタックの精度も高く、WTB小野澤、長友、FB有賀らが一気にトライまで持っていける力がある。相手にとっては脅威だろう。
両チームの活動拠点が府中市であることから「府中ダービー」と銘打ったこの試合、府中市民の多くが見守る中、両チームにはラグビーの醍醐味を十二分に感じさせてくれる試合を期待したい。
■ホンダヒート 対 NECグリーンロケッツ 愛知・瑞穂(12月26日)
勝利こそ手にしていないものの戦い方が安定してきたホンダヒートは、残り2試合を勝って一つでも順位を上げたいところ。トライランキングに顔を出してきたWTB山田らを軸に積極的にアタックを仕掛けたい。
対するNECグリーンロケッツは、長いトンネルからようやく脱出。選手たちにも笑顔が戻った。FL権丈ら若手の活躍もチームにいい影響を及ぼしている。残り2戦を勝ってワイルドカード進出を狙いたい。
■クボタスピアーズ 対 近鉄ライナーズ 兵庫・ホムスタ(12月27日)
4連敗を脱したクボタスピアーズは、試合局面に応じてSOドゥラームがゲームのテンポをコントロールできるのが強み。また、LO今野ら試合を重ねるごとに成長を続ける新戦力の活躍にも期待したい。
対する近鉄ライナーズは、ワイルドカード進出に向けても負けられない。SO重光、CTB大西らの日本人コンビで崩して行きたいところ。
クボタ:オツコロ、近鉄:イエロメの両CTBの出来が、試合の鍵を握りそうだ。
■神戸製鋼コベルコスティーラーズ 対 コカ・コーラウエストレッドスパークス 兵庫・ホムスタ(12月27日)
神戸製鋼コベルコスティーラーズの地元・ホムスタで迎えるこの試合、神戸製鋼としては昨年敗れている相手に対し是が非でもリベンジを果たしたいところ。WTB大畑主将も戻るなどチームの安定感を取り戻しつつあるが故に結果にこだわりたい。FL伊藤(剛)、SH苑田、CTB元木らベテランの起用にも注目したい。
対するコカ・コーラウエストレッドスパークスは、勝利こそ挙げられていないが、上位チームとも対等の試合を繰り広げる力を持っている。持ち味のグラウンドを大きく使ったラグビーができれば勝機はある。FBウェブの正確無比なキックを軸に敵陣で試合を進めたい。
■福岡サニックスブルース 対 リコーブラックラムズ 福岡・レベスタ(12月27日)
リーグ戦9位の福岡サニックスブルースは、ワイルドカードに向け勝ち星を一つでも多く積み重ねて行きたい。SO田代、CTB小野の2人でゲームを組み立てたい。外国人選手の起用にも注目だ。対するリコーブラックラムズは順位だけを見ると10位と下位に位置しているが、スタッツは中位のチームに比べても遜色はない。SO河野、CTB金澤らシーズンを通して高いパフォーマンスを維持している選手たちに期待したい。
■九州電力キューデンヴォルテクス 対 トヨタ自動車ヴェルブリッツ 福岡・レベスタ(12月27日)
既に降格が決まってしまった九州電力キューデンヴォルテクスだが、残り2試合をしっかり戦い来季へ繋げて行きたい。FL松本、LO吉上ら接点で激しさを発揮できる選手たちを中心に九州電力ペースで試合を進めたい。
対するトヨタ自動車ヴェルブリッツは、プレーオフトーナメント進出に向け勝ち点を重ねて行きたいところ。FL中山、ホップグッドの仕事人とNo.8菊谷というオールラウンドプレーヤーを擁するFW陣は相手にとって脅威の存在になるだろう。両チームのFWの運動量が試合の鍵を握りそうだ。