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11節 会見リポート(ヤマハ発動機 13-51 サントリー)

マッチリポート
ヤマハ発動機ジュビロ 13-51 サントリーサンゴリアス
【week11/2009年12月19日(土) at静岡・ヤマハスタジアム】

サントリー、隙の無いラグビーで8トライの快勝
プレーオフトーナメント進出に向け負けられないヤマハは、日本屈指と賞賛されるスタジアムのひとつ、ヤマハスタジアムへ、すでにプレーオフ進出を決めたサントリーサンゴリアスを迎えての一戦。今シーズンのホームゲーム最終戦、日差しはあるものの冬将軍到来の冷たい空気が肌を突き刺す中、地元をはじめ多くの熱心なラグビーファンが声援を送った。

前節のサニックス戦も前半の入りで受けてしまったヤマハは、この試合も最初のマイボールラインアウトのこぼれ球をサントリーに拾われ、No8竹本の突破からCTB12ニコラスに先制トライを許す。しかし直後の4分、そして10分にはハーフウェイ付近の深い位置から風上の約50mと2本のPGを五郎丸が決め6-5とヤマハリード。ボールキャリアがしっかりゲインを切るサントリーに対し、ヤマハは粘り強いディフェンスを見せ我慢の展開が続いたが17分、PGを決めサントリーが6-8と逆転。30分、SH佐藤のシンビンで1人少ない14人のヤマハは、強みのディフェンスでヤマハらしさを見せサントリーのペナルティを誘い、何とかピンチを切り抜けたと思ったが、35分にヤマハのハイパントをキャッチしたサントリーが連続攻撃。最後はCTB13平が左中間へトライ。39分にはヤマハのキャッチミスからボールを拾い上げた小野澤がディフェンスを振り切り8試合連続のトライをあげ、6-20とサントリーリードで折り返す。

リードしつつも「ボールを相手に渡さないように」とハーフタイムに指示を受けたサントリーは、後半開始早々、ヤマハのキック処理ミスに圧力をかけ、ボールを奪うと、CTBニコラスのパスを受けたNo8竹本が中央へトライし6-27とリードを大きく広げる。風上に立ち安定したセットプレーを軸とし攻守に落ち着きを見せるサントリーに対し、ヤマハはNo8トゥイアリイがランナーとしての強さを見せ応戦するが、組織的なサントリーディフェンスの壁に阻まれる。21分、ようやく敵陣に入り得たマイボールラインアウトから展開したヤマハはNo8トゥイアリイのオフロードパスに後半途中出場の八木下が走りこみ中央へトライ。五郎丸のGKが決まり13-27。反撃ムードが高まるも25分、五郎丸のロングゲインに小野澤が絡むと、戻りの速いサントリーがターンオーバー。途中出場のWTB長友が自陣から80mを自ら走りきりトライ。ヤマハは持ち味であるセットプレーでプレッシャーを受け流れが掴めず、逆にサントリーは勢いを止めることなくその後、好機をトライに繋げ13-51と快勝。残り2戦、東芝・三洋との対決に向け弾みとなる1勝をサントリーが獲得し、勝ち点5を加えた。MOMはサントリーHO山岡が初受賞。

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会見リポート
ヤマハ発動機ジュビロ
シューラー監督(右)、山村キャプテン
シューラー監督(右)、山村キャプテン


◎ヤマハ発動機ジュビロ
○ケビン・シューラー監督
「1対1のタックルやラインスピード、プレッシャーとサントリーの強みのところでしっかりコンテストをしようと臨みました。いいディフェンスで相手を止めた場面もありましたが、ディフェンスのミスからブレイクされ、ゲインを切られた時は厳しく、苦しい試合となりました。後半、いいラグビーをしようと選手らは最後まで頑張りましたが、結果的にこういう試合になってしまいました」

○山村亮キャプテン
「ホームゲームということもあって最後まで一生懸命やりましたが、本当に残念です。後半はミスタックルが増え、そこからゲインを切られました。トップリーグは残り2試合、日本選手権出場の可能性もありますので、来週の練習からもう一度切り替え、次の三洋戦に本気でぶつかっていきたいと思います」

──11月に来季チーム編成のリリースが出た後、今季最後のホームゲームでした。臨むにあたり何かしたことはありますか。
○山村キャプテン
「先週のサニックス戦もスイッチが入らないというか受けに回った試合で11月、いろいろあったことに逃げてしまうのは簡単ですけど、それは弱い人間のやること。言い訳にすることなく真摯に向き合い、試合へ臨むにあたりもう一度、ヤマハのラグビーを話し合いました。ゲームプランに則り、セットプレーでプレッシャーをかけ、ディフェンスはラインスピード、シンプルにフォーカスしてやってきたことが、前半途中ぐらいまではできましたが、前半の最初と最後のトライが痛く重く響いたと、感じています」

──今後に向けた修正点は。
○シューラー監督
「得点力、アタックがあるトップチームは止めて倒すことが必要。1対1のタックルで止めた時はいいフェーズがでしたが、ミスした時はゲインされているので、ここが大きな修正点。また、安定していたセットプレー、特にラインアウトでプレッシャーを受けたことからアタックのチャンスがなかった。ここも修正点です」

──リーグ戦は残り2試合。プレーオフ進出に向けて。
○シューラー監督
「一番重要なことは逃げずにひとりひとりがラグビーに対し向き合うメンタルの部分。そしてプライドを持ち思い切ってやること。リフレッシュして三洋戦、NEC戦と頑張ります」
○山村キャプテン
「プレーオフ、というより目の前の1戦1戦が大事。今日もヤマハのやろうとしたことができなかったし、出せなかったので、三洋戦に向け気持ちを切り替え練習をし、それをしっかりと出し切ることを大事にしていきたいです」

──寄せられるファンの声援については。
○山村キャプテン
「ファンの皆様の声援は非常に嬉しいです。1戦1戦、シーズンが終わるまで全力でやり続けることがファンのため、自分達のため、今後のラグビー人生のためになると思います。僕らはヤマハのため、全力でプレーし続けるだけです」

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サントリーサンゴリアス
清宮監督(右)、佐々木キャプテン
清宮監督(右)、佐々木キャプテン

◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「残り3節となって、上位と戦うためにも今日の試合は非常に重要で、そういう気持ちを選手らがいいラグビーで見せてくれた、という感じです。(試合後の場内インタビューで)試合につける点数を60点、70点と言いましたが、次に向けすごくいい結果。また、私はこのスタジアムへ初めて来ましたが素晴らしい。日本にラグビーができるスタジアムがあるのは非常にいいこと。来年も使いたいですね」

○佐々木隆道キャプテン
「監督もおっしゃったように、この3戦、まずヤマハ。ヤマハは僕が入団し4年、いつも接戦、1点差ゲームで負けるといった本当に厳しい試合が続いていたので、今日もそうなるかと思いましたが、最初の入りをみんなで意識し、やろうと言い、結果的にそのプレーからライアンがトライし、チームの成長を感じました。例年の通り、途中でヤマハが盛り返すシーンはありましたが、相手のロングゲインからターンオーバー、そしてトライを奪うことができ、サントリーとしてはしっかり練習したことが出せ、その結果、大差ゲームになったと思います。リーグ戦のラスト3つが本当の勝負だと言い続けてきたので、僕も内容に関しては満足しています。ただ次がありますので、もっと精度の高い、ミスのないラグビーをしていきたいです」

──今のヤマハのチーム状態を見て、この試合で注意した点は。
○清宮監督
「注意することといえば、いろいろなスポーツでもこういう状態になったシーズンは目に見えない力が出ると思うので、そこはすごく注意していました。もちろん、ヤマハのホームという警戒もしていました」

──満足いかなかった点数の部分は。
○清宮監督
「その都度、満点のレベルは上がっていますので、これからの上積み部分が30点、40点。今は可でも優でもなく良。最後の試合で100点満点を取れるチーム、優を取れるゲームをしていきたいと思っています」

──実際の試合でヤマハ選手のエネルギーをどう感じたか。
○佐々木キャプテン
「しっかりとファイトしてきましたし、自分達にとっては厳しい試合となりました。(相手のロングゲインもありましたが)あそこは、小野澤さんが止めてくれると信じていたし、時間をかせいでくれている間に、みんな必死に戻ろうと周りに声をかけました」

──次節、府中ダービーに向けての意気込みは。
○佐々木キャプテン
「府中で東芝の選手とはよく顔を合わせることがありますし、知り合いも多く試合が非常に楽しみです」
○清宮監督
「その年、勝ったチームが府中の町を仕切れますので」
○佐々木キャプテン
「今度は勝ちたいです」

ヤマハ発動機 13-51 サントリー


2009年12月20日

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