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6節 マッチ&会見リポート(サントリー 60-15 トヨタ自動車)

マッチリポート
サントリーサンゴリアス 60-15 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
【week6/2009年10月17日(土) at東京・秩父宮ラグビー場】

サントリー、トヨタに圧勝、5連勝
初戦を引き分けた後、共に順調に4連勝を重ねてきたサントリー(勝点22)対トヨタ(勝点20)の注目の一戦が、秩父宮ラグビー場で行われ、6,000人を上回る観客が集まった。

先手をとったのはトヨタ。序盤、相手にプレッシャーをかけ続けたトヨタのペースで試合が進み敵陣内での攻防が続くなか、サントリーの反則を誘ってラインアウト、モール、ラックからゴールめがけて果敢に攻めるトヨタは9分、スルーパスを交え左に展開、NO.8菊谷が左隅に先制のトライ(0-5)。トヨタの攻撃の勢いは止まらず、18分サントリーの反則による約40mのPGをSO黒宮がしっかり決め、0-8とリードする。
しかし、サントリーも反撃を開始、21分ラックからテンポ良く左に展開、WTB長友が左中間にトライ(ゴール成功)、7-8と一点差に迫る。ここから試合の流れがサントリーへと傾く。25分、トヨタの反則によるPGをCTBニコラスが手堅く決め、10-8と逆転に成功。31分には、ラックから左サイドを突いたLO5眞壁がゴール中央にトライ(ゴール成功)、17-8と点差を広げる。35分にも、ゴール前のラックを起点とした攻撃からFL佐々木が抜け出し右に展開、CTBニコラスの絶妙なキックを押さえたWTB長友が右隅にトライ。22-8とサントリーのリードで前半を終える。

後半開始直後、勢いづくサントリーは中央付近のラックから左に展開、甘くなったトヨタのディフェンスラインの隙を突いたFB有賀からパスを受けたWTB小野澤が左中間にトライ(ゴール成功)、29-8とする。4分にも自陣でのラックから右に展開、パスをつないでLO4ファンニエルデンが約30mを豪快に走って右中間にトライ(ゴール成功、36-8)。
その直後の7分、トヨタは敵陣ゴール前のラインアウトからモールで押し込んでLO5マクドナルドが左中間にトライ(ゴール成功)、36-15と反撃する。しかし、18分サントリーは敵陣内右のスクラムからFW、BK一体となったアタックでFB有賀が左隅にトライ(ゴール成功、43-15)。
これ以上突き放されまいとするトヨタは、サントリーの反則を誘いアタックを仕掛けたものの、24分逆にサントリーにボールを奪われ、約50mを疾走したCTBニコラスにトライを許す(48-15)。その後も集中力を途切れさせなかったサントリーは、29分には自陣内からボールをつないでWTB北條が、35分にはHB成田からパスを受けたWTB長友が、連続してトライ(いずれもゴール成功)。この結果、サントリーはトヨタに前後半合わせて9つのトライを浴びせ、60-15で圧勝した。

サントリーはこの勝利で勝点を27とし、前節までの勝点23の三洋電機や、本節での勝点を22に増やした東芝などとの優勝争いから目が離せない。なお、マン・オブ・ザ・マッチにはサントリーのNO.8竹本選手が選ばれた。(小林吉文)

サントリー 60-15 トヨタ自動車 サントリー 60-15 トヨタ自動車 サントリー 60-15 トヨタ自動車 サントリー 60-15 トヨタ自動車

会見リポート
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
石井監督(右)、麻田キャプテン
石井監督(右)、麻田キャプテン


◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○石井龍司監督
「何も言うことありません。完敗です。もう一度、一からやっていかないとこの差は埋められません。真摯にやっていくしかありません」

──ハーフタイムの指示は?
「イージーなペナルティやノックオンなどをなくそうと」

──アイイ選手のポジションは?
「キック処理からのカウンターを念頭に置いていました。もう一つはFWが順目のアタックをできなかったのですが、サントリーさんのFWの反応がよいから、逆サイドからとどめを刺してくれと言っていました」

──改善策は?
「常々、選手に言っていますが、100%を出すには、自分たちがどんなに強い相手でも、弱い相手でも、同じことを何回やってもできるように練習することだと思います」

──ラックの厚みがなかったようだが?
「向こうのプレッシャーを非常に感じていて、ボールが出ているのに、到達したプレーヤーがBKにパスか、拾うのかという判断がプレッシャーで正確にできなかったと思います」

○麻田一平キャプテン
「たくさんのファンの皆様の前でトヨタらしさを出せず、申し訳ない気持ちで一杯です。立ち上がり10分はトヨタらしさを見せられたのですが、後の70分は気持ちの入ったプレーがほとんど出せませんでした。完敗なんですけれど、次、来週は三洋戦ですので、気持ちを切り替えて、もう一度やり直します」

──トヨタらしさを出せなかった部分は?
「ブレイクダウン、攻守のリアクションです。サントリーさんのキックからカウンターを狙ったのですが、孤立してターンオーバーされたところです。簡単に相手に(ボールを)やってしまいました」

──サントリーの強いところは?
「最初のボールキャリアーに寄ろうとするとプレッシャーが高くて、向こうの集中力が切れず、立ってつないでいくところは勉強になりました」

──トヨタらしさを出せないのは何故か?
「サントリーさんが本当にすごい、素晴らしいラグビーをしているように感じました。トヨタとしては、10分間はボールキャリアーも前に出られて、ディフェンスも力を出せたと思います。ブレイクダウンでプレッシャーをかけたかったのですが、ファーストタックルが悪くて、相手の仕掛け勝ちと言う感じです」

サントリー 60-15 トヨタ自動車 サントリー 60-15 トヨタ自動車 サントリー 60-15 トヨタ自動車
サントリーサンゴリアス
清宮監督(右)、佐々木キャプテン
清宮監督(右)、佐々木キャプテン


◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「今シーズン、調子が良いと言われていたトヨタさんとこういう試合ができて、自信になりました。一つ一つのプレーの正確さが違うところを確認できたのが収穫です。去年に引き続きトヨタさんに勝つことができ、今年は非常によい状態と自信がもてる試合でした」

──どのあたりにフォーカスしていたのか?
「相手の強み、持ち味を消しながらサントリーの強みを出すことで、随所にそのプレーが出ました」

──眞壁選手について?
「髪を振りながら走るので、よく走っているように見えて得していると言うか(笑)、ルーキーですので、一つ一つラグビーを学んでいく立場のプレーヤーです。多分、日本代表に入るでしょうが、もっとラグビーを理解する時ですね。彼には自由にやれと言っています。持ち味はフィットネスの高さですので。相当、アピールしてくれています」

○佐々木隆道キャプテン
「トヨタさんという凄いチームを相手にして、最初は流れを失いましたが、こういうスコアで、サントリーがしっかりプレーしたからこういう結果が出たものと満足しています。トヨタさんとは、この先、またやることになると思いますので、今日の結果は忘れて、次のクボタ戦に向けてしっかりやっていきたいと思います」

──予想以上の大差がついたが?
「最初から激しく来ることは分かっていましたが、最初にターンオーバーした時に、キックミスで流れをつかみ返せませんでした。キックがうまくいって攻めたとき、トライが獲れたので、我慢すれば獲れるなという感じがありました。皆が激しく仕事をしてくれたおかげだと思います」



2009年10月17日

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