C:2009, JRFU(Photo by A. HASEGAWA) |
神戸製鋼コベルコスティーラーズ 23-10 ヤマハ発動機ジュビロ
(week13/2009年1月18日 at兵庫・ホームズスタジアム神戸)
ヤマハのキックオフでゲーム開始。開始早々積極的に仕掛ける神戸製鋼は6分、13分とPGで得点を重ねる。(6-0)
接点で押し込むが反則やケアレスミスでチャンスを潰すヤマハ。その劣勢を打開したのは、FB15五郎丸のカウンターアタック。切れ味鋭いランから得たチャンス、ラックから出たボールをSO10太田尾がラインの裏に絶妙なショートパント、CTB13三角が左中間で押さえトライ。(G不成功6-5)
ラインアウト・パント処理のケアレスミスで押され気味の神戸製鋼、ヤマハがブレイクダウンを制し、神戸製鋼DFに風穴を開けたのは22分。神戸製鋼陣ゴール前10m左中間ラックからオープン攻撃、最後はFB五郎丸が飛び込みトライ。(G不成功6-10)
攻勢のヤマハは28分にもPGチャンスを得るが、FB五郎丸が今日3本目のショットを外す。このエラーが後半に微妙な陰を落とす。
前半終了間際から攻勢に出るものの、攻め切れなかった神戸製鋼だったが、その姿勢は後半早々に結実する。41分、左右に展開するうちに見えたヤマハDFの綻びをNO8マパカイトロが突き、走りこんだPR1平島がトライ。(G成功13-10)
一気に流れは神戸製鋼に傾くかと思われたが、粘るヤマハはDFから流れを掴み、48分PGチャンスを掴む。しかし、これまたPGを外しゲームの主導権を握れない。一進一退の攻防が続いたゲーム展開、動いたのは59分。ヤマハ陣22m左中間ラックからヤマハがノット・ロール・アウェイの反則を犯したPGチャンスを神戸製鋼FB15デルポートが決め、16-10。
残り時間20分となり、1トライ1ゴールで逆転しても勝ち点4しか得られないヤマハは連続得点を狙い、積極的なアタックを繰り返すが、ターンオーバーしたボールをダイレクトで出してしまうなど、勢いに乗れない。46分SHを矢富が入替出場したところから、リズムを取り戻しつつあったが、WTB大橋の再三に渡るタックル等で譲らない神戸製鋼。息詰まる攻防が20分近く続いたが、決着したのは79分。自陣ゴール前ラックから危険を賭してサイドアタックを仕掛けたSH矢富だったが、パスミスをPR3山下に拾われポスト下にグラウンディングされ万事休す。(G成功23-10)
手に汗握る攻防を演じた両チーム、プレーオフ最後の座は神戸製鋼が勝ち取り、逆にヤマハは日本選手権出場の権利さえ失うという、あまりに明暗がくっきり分かれた結末を迎えた。(廣島 治) |
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堀川監督(右)、山村キャプテン
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◎ヤマハ発動機ジュビロ
○堀川隆延監督 「素晴らしい環境、大観衆でゲームができたことに感謝しているが、本日の敗戦は悔しい。この1年間の集大成として挑んだが小さなミスが命取りになった。だがこの1年間やってきたラグビーは自信になった。最後まで攻め続けてくれた選手に感謝している」
○山村亮キャプテン 「神戸まで応援に来て下さったファンの皆さんに感謝している。小さなミスが重なり、このような結果となった。この試合でシーズンが終わるのは残念だ」
──試合前と試合中で、神戸のイメージの相違はあったか?
○堀川監督
「予想通り。ダイレクトキック、ノックオンといった自分たちのミスで自滅してしまった。ただスペースを作り、取るべきトライはとれた」
──後半にマイボールラインアウトのミスが続いたが?
○堀川監督
「相手に分析された結果だと思う。途中で外から指示を入れたが修正ができなかった」
──1年を振り返っての誤算は?
○堀川監督
「シーズン前半は失点が多かった。できればゲームメーカーがもう1枚欲しかった」
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平尾GM兼総監督(左)、後藤キャプテン
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◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二ジェネラルマネージャー兼総監督 「久しぶりのベスト4で正直嬉しい。内容は別として選手がよくやってくれた。内容は地味だが辛抱強く我慢強くプレーした結果だ。最後にプレーオフの権利をもらえたので次につなげたい」
○後藤翔太キャプテン 「次の舞台に立てるのが嬉しい。ファンの皆様の応援に感謝している。失うものはないので思いっきり(プレーオフへ)チャレンジ、2試合にベストを尽くしたい」
──前半はキックを裏に蹴られてスペースを作られたが?
○平尾GM
「そんなこともあるかなと(笑)。後半はそんな場面を作らせなかった。前半の反省が生かされた」
──前半の嫌なムードをどうやってクリアしたか?
○後藤キャプテン
「自分たちより相手が受けたプレッシャーが大きかったと思う。前半失ったトライは僕のキックミス。後半はシンプルなゲームプランの選択ができた。FW、BK共に力がつき、余裕を持ってプレーの選択ができたことが大きかった」
──シーズン13節終わってチームの成長は?
○平尾GM
「序盤は体作りが主だった。選手が試合ごとに成長してくれた。1試合毎の内容を反省、次につなげてくれた。またフィジカル面も成長した」
──次の試合に向けては?
○平尾GM
「立場的には気楽なので良い意味でチャレンジしたい。(相手は前回勝利の東芝だが)前回の試合結果は気にせず、チャレンジャーとして真っ向勝負でいいゲームをしたい」
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