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三洋電機ワイルドナイツ 55-9 NECグリーンロケッツ
(week11/2009年1月4日 at群馬・太田市運動公園陸上競技場)
三洋電機ワイルドナイツの22人がピッチを縦横無尽に走り回った。
強豪NECグリーンロケッツをホームに迎えて行われた第11節で、三洋がこの日集まった4,306人の観客に圧倒的な強さを見せつけた。
NECのディフェンスが機能していた前半こそゲームは拮抗したが、FW1人をシンビンで欠いた時間帯の2Tをきっかけに三洋が流れをつかみ、味方のチャンスメイクに対して周りの選手が確実に呼応しトライまで結びつける素晴らしい攻撃でゲームを支配した。
三洋電機は、前後半合わせて8Tの猛攻でリーグ戦全勝と首位をキープ。NECは順位を6位に落とした。
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細谷監督(右)、櫻谷バイスキャプテン
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◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督 「コンディションは良かったので自分たちのラグビーを見せることができるはずだったが、セミシのシンビンで14人で戦った後半の立ち上がりに2つのトライを献上してしまったことで試合の流れをたぐり寄せることができなかった。
前半は機能していた1対1のディフェンスが後半になってやられ始めて、ボールをスローにできずに相手の連続攻撃を許してしまった。我々にとっては完敗のゲーム。三洋さんの強さを引き出してしまったという感じ。残りの2試合で、しっかりとしたゲームを行うことが次につながると考えている」
○櫻谷勉バイスキャプテン 「三洋戦に向けて、この1週間よいトレーニングを積み今までにない良い準備ができていた。セミシがいなかった後半開始の10分には、ボールをキープし時間を稼ぎながら逆に先制点を取って優位に立とうというプランで臨んだが、なかなか敵陣に入っていけずに自分たちで苦しい展開にしてしまったことが敗因。完全に力不足だった。次の2試合ではNECらしいプレーを見せて、何としても勝ち点5を獲って次につなげたい」
──トライが獲れなかったことについてどう考えるか?
○細谷監督
「前半にいくつかのチャンスはあったが、ゴール前まで迫りながらもミスで終わらせてしまった。トライを獲れなかった後に、単純なミスからカウンター攻撃を受けて1本でトライを奪われたことが悪い流れを作った」
──「良い準備ができた」とはどんな準備をしてきたのか?
○櫻谷バイスキャプテン
「対三洋の特別な準備ということよりも、自分たちのプレーの精度を高めるためのコミュニケーションが取れて一体感のある練習ができていると感じていた。分析に基づく対策もあった。前半に試みたラインブレイクなどをターゲットプレーとしていたが、小さなミスで精度が落ち相手のターンオーバーを生んでしまった」
──残り2試合に向けての修正点は?
○細谷監督
「我々の強みであるディフェンスの修正。今日のようにトライを獲られていたらゲームにならない。また4Tを獲りにいくために、1対1でのボールキープ力とブレイクダウンでの2人目の早い寄りを高めたい。今日の試合の前半にできていたことをもう1回思い出してやっていきたい」
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飯島監督(右)、榎本キャプテン
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◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督 「2009年の最初の試合で地元での最後の試合ということで私自身は熱くなっていた部分があったが、選手たちは強豪NECを相手に80分間、挑戦者として攻める気持ちを忘れることなくプレーし続けてくれた。今シーズンで一番いい試合ができた。
トニー・ブラウンの怪我の後、チーム編成などの面で苦しい状況もあったが、選手一人ひとりが精神力で乗り越えようとしてきたことがカタチになってきたと思う。
前半の途中でFWの核であるヒーナンが怪我で退場したが、替わった選手がそれ以上のプレーを見せてくれたことに自信を持った。選手たちの日ごろの準備には頭が下がる思いがする。そのことが勝った以上に嬉しい」
○榎本淳平キャプテン 「監督が言ったとおりベストのゲームだったと思う。アタックもディフェンスも自分たちの意図するプレーができた。またどんな状況でもしっかりとしたリアクションができて自分たちの持ち味を出し切れた最高のパフォーマンスの試合だった」
──前半はタイトな展開だったが?
○飯島監督
「ディフェンスはうまくいっていたので、このまま我慢を続ければ必ず得点機がきて勝てると自信を持っていた。ディフェンスの強いNECからそう簡単に得点できないことを選手は理解していたが、その中で相手のミスからのターンオーバーや5次6次まで続く攻撃があったように選手は非常によく走っていた」
──トニー・ブラウンの怪我以降、どんな点に気をつけてきたのか?
○榎本キャプテン
「チームの支柱として大きな存在であったので、その影響は決して少なくはないが、替わりを務める入江やトゥキリを周りの選手がサポートすることで、ブラウニーのいるチームと遜色のない新しいチームを皆で作ろうと話し合ってきた」
──ターンオーバーを多く取れたのは?
○飯島監督
「我々はフィットネスに自信を持っているが、その選手たち全員が『もうこれ以上走れない』と言うほど走ったことがターンオーバーを生んだ。昨年もトライの半分以上がターンオーバーからだった。『ディフェンスしてターンオーバーしてトライを獲る』というイメージを選手が持ってプレーしていたと思う」
──地元・太田で試合をすることについて。
○飯島監督
「試合後に(多くのファンがグラウンドに降りて選手にサインや握手を求める)この光景が見られることがとても嬉しい。今日は正月で少ないのではと思っていたがこのように多くの方に来場していただき感謝しています」
○榎本キャプテン
「地元での試合はどんなときでも本当に力になり、ありがたいと思っている。試合の後に皆さんがグラウンドに入ってこられるというのは、おそらくトップリーグの中で三洋の太田での試合だけだと思う。ぜひ続けていきたい」
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