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サントリーサンゴリアス 67-3 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
(week11/2009年1月3日 at東京・秩父宮ラグビー場)
サントリー、対神戸製鋼に完勝し、マイクロソフトカップ出場を決める
第10節を終わり、サントリーは3位、神戸製鋼は4位につけて、両チームにとり、残り3節で、プレーオフのマイクロソフトカップへの出場権がある4位以内を決定するためには、今日の試合は非常に重要な試合となった。チームの総合力から見るとサントリーに分があるようには見えるが、神戸製鋼も過去2試合は東芝に勝利、三洋に善戦とチームの調子を上げてきており、十分に勝機はある。
前半は両チームともキックを多用せず、ボールの展開を図る観客には面白い試合運びとなった。サントリーが前半9分PG成功で3-0とリードした後、神戸製鋼もボールをバックスに回すが、サントリーの分厚いディフェンスが勝り、神鋼はなかなかゲインラインを突破できない。逆にサントリーは前半22分、ゴール前5mスクラムのチャンスを生かし、SO曽我部がトライ(ゴール成功)(10-0)。神鋼もPGで3点を返し、その後、神鋼No.8マパカイトロがシンビンとなって14人になっている間に、サントリーは34分、自陣20mあたりからSH田中がサイドを抜け、最後にはFB北條がトライ(ゴール成功)、17-3とした。
神鋼もよくボールを展開してアタックするが、攻め切れずにブレークダウンでボールを奪われ、カウンター攻撃されるという場面が目についた。前半終了直前にサントリーCTBニコラスがシンビンとなり、サントリーの人数的優位がなくなったと思われた直後、自陣でのラックからのこぼれ球を生かしたサントリーFB北條が70m独走しトライ(ゴール成功)、さらに得点を追加し、24-3で、前半を終了した。
後半8分に、再び神鋼ボールのターンオーバーからのカウンター攻撃でサントリーが4トライ目を挙げ、試合の勝利と勝点のボーナスポイントを確実にすると、その後サントリーは5トライを追加し、最終的には67-3と、この2チームの対戦では記録的なスコアになってしまった。
サントリーはこの勝利でマイクロソフトカップへの進出が決定した。トップリーグの終盤に向かい、サントリーはチーム作りが順調に進んでいることが証明され、次節以降の対東芝、対トヨタ戦が楽しみになってきた。一方、神鋼はブレークダウンでの弱さ、ディフェンスの悪さが目につき、ベスト4に残るには今後ひとつも負けられない厳しい状態となった。(正野 雄一郎)
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平尾GM兼総監督(左)、後藤主将
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◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二ジェネラルマネージャー兼総監督 「ゲーム前は行けるかなと見ていましたが、ちょっとチグハグなところがあって、正直、残念です。我々自身もしっかりしなくてはと思います」
──反省点は。
「前半、ミスでボールを渡してしまっては、それが得点されてしまいました。力がないんですわ。前半の戦い方がすべてです」
──ディフェンスは?
「うまく攻められました。それに対してカバーリング技術が足りなかったと思います。しっかり立て直して行きたいと思います。微妙なんですけれど、チームとしての力の出しどころ、ゲームマネジメントのところもです。個人で負けているとは思わないし、前半のゲームのこなし方ですね。流れもよかったが、点数そのものに良くない獲られ方がありました。しっかり受け止めて、後2つ勝ってチャンスを求めたいと思います」
○後藤翔太主将 「かなり強い気持ちで臨んだのですが、結果がこれでしたので、しっかり受けとめたいと思います。しっかり、残り2試合戦えるよう準備します」
──反省点は。
「ラグビーゲームで負けたという印象です。サントリーさんはしっかり考えられて、うちの弱みを突いてきました。ストレートの打ち合いというより、サントリーさんのラグビーがうまかったなあという感じです。サントリーさんは前へ出てプレッシャーをかけようとして、それに付き合ってしまったなあという。結果論ですが、もっとフィールドポジションを取っていきたかったです。うちは後ろで止めたので、そこをターンオーバーされました」
──前半の最後に正面のゴールを狙わなかったのは?
「向こうが14人になっていて、行きたい、行けるという気持ちでした。ゲームの流れでしたが、チャレンジした結果ですので、後悔はないです」
──待ちのディフェンスだったのか?
「一人ひとりの気持ちが入っていないということではなく、サントリーさんが選択肢を多く持っていて、うちが的を絞れないアタックをしてきたということです。フィジカルが足りないということでもなく、ラグビーがうまかったなあと感じました」
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清宮監督(右)、山下主将
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◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「明けましておめでとうございます。一言で言うと、良い準備をして、それを選手が実行してくれました。この点差となるとは思っていないし、今シーズンのサンゴリアスのベストゲームだと思います。先々週、サテライトでNECさんとやって負けたのですが、サントリーの足りないところ、気持ちの面とか、スタッフから意見が出て、今日はウォーミングアップから乗っていました。一丸となる雰囲気が作れたのは大きかったです。つまり、サテライトで負けてチームの力を引き上げることもあるということです」
──曽我部選手は?
「サテライトにスタメンで出ました。そこで結果を残したので、今日出しました。チャンスを生かしたプレーヤーを使うというセオリーを持っていますので。今まで足りなかった部分、ゲームコントロールも良かったし、タックルミスもなかったし、カバーリングも良かったですね」
──田中選手の評価は?
「Aですね。サントリーに必要なスキルを持っています。若い選手同士が組むとどうしてもアクシデントが起こるが、キヨノリはカバーできますし、ゲームをコントロールできますから」
──どんな準備を?
「それは見ていただいたとおり、神戸の弱いところを突くということです」
○山下大悟主将
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。良い集中力でターンオーバーからのトライがありました。そこが一番満足しているところです。まだ、これから強い相手との対戦がありますので、しっかり気持ちを引き締めて、次の東芝戦に向かっていきます」
──前半の最後の場面では?
「まあ、落ち着いて守ろうと思っていたけれど、一番良い結果(ターンオーバーから北条選手がトライ)になりましたね。(横から清宮監督が『あのシーンはスクラムで勝ったからです。攻めさせなかったから、スクラムは評価できます』)もちろんゼロで抑えるつもりでした」
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