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6節 マッチ&会見リポート(三洋電機 44-8 近鉄)

三洋電機 44-8 近鉄   三洋電機 44-8 近鉄   三洋電機 44-8 近鉄
マッチリポート
三洋電機ワイルドナイツ 44-8 近鉄ライナーズ
(week6/2008年10月25日 at 群馬・太田市運動公園陸上競技場)

4シーズンぶりにトップリーグに復帰した近鉄ライナーズと三洋電機ワイルドナイツが今季初の地元開催となる太田市運動公園陸上競技場で対戦した。
2勝3敗(9位)の近鉄ライナーズは、開幕戦で横河武蔵野アトラスターズに勝利、第2節でもコカ・コーラウエストレッドスパークスに勝利し、好調なスタートを切った。第3節以降、ヤマハ発動機、神戸製鋼、東芝といった上位チームとの対戦では敗れたものの、いずれも得点差が10点差以内と善戦している。
一方、5戦全勝(2位)の三洋電機ワイルドナイツは、1試合平均得点54点、平均失点10点が示すように圧倒的な攻撃力とディフェンス力を誇っている。
近鉄キャプテンのLOルーク・トンプソン、LOの山本健太、FL赤井大介、WTBの角濱嘉彦は、かつて三洋電機ワイルドナイツに在籍していた経験をもつ。三洋電機の手の内を知ったこれらのメンバーが古巣のチームにどのように挑むかに興味が持たれた。

無風、曇り空、気温20度のコンディションの下、三洋電機のキックオフで始まった前半は三洋電機の攻撃に対して近鉄が守りきる展開が続いた。今季好調な近鉄は素早いディフェンスと接点の攻防で一歩も引けを取らず、互角に渡り合う。しかしながら、10分近鉄陣30m付近で得たPGをSOブラウンが決め三洋電機が3点を先行した。その後スクラムで優位に立った三洋電機は、15分近鉄陣22m付近のスクラムからBKに展開し、ラックを連取して最後はLOヒーナンがゴールポスト左にトライ。GKも決まり10-0とリードを拡げた。さらに27分CTB入江のPGにより3点を追加した。対して近鉄は、32分中央付近スクラムから左に大きく展開してビッグゲインし、三洋電機陣15mで得たPGをSO重光が決めて13-3で前半を終了した。

後半4分、近鉄陣15m付近のPGをトニー・ブラウンが決め、差を広げる(16-3)。スクラムや接点の攻防で三洋電機がやや優位となった8分、近鉄陣10m付近のラックから得たボールをCTB入江がNo.8ホラニ龍コリニアシにキックパス、そのままトライ、トニー・ブラウンのゴールも決まり23-3となる。
ここから三洋電機の怒濤の攻撃が始まる。17分には三洋陣15m付近ラックからのこぼれ球をCTB霜村がラックサイドを抜け、北川にパスし、約40mを走りきりトライ、ゴールも成功(30-3)。22分、近鉄陣ゴール前スクラムからNo.8コリニアシがサイド攻撃、FLキーラン・ブラックがトライ、ゴール成功で37-3となり、ほぼ勝利を決定付けた。しかしながら、ここで諦めないのが近鉄の素晴らしい所、25分三洋ゴール前10m付近のラインアウトからラック、ラックサイドを突いたHO重枝がトライ、ゴール不成功(37-8)。36分近鉄陣22m付近のラックから左に展開し、後半WTB吉田に代わって出場した三木が左隅にトライ、トニー・ブラウンのゴールも決まり、44-8で試合終了となった。
スクラムではやや劣勢なものの接点の攻防では互角に渡り合った近鉄であったが、ゲームコントロールに優る三洋電機が終始エリアを支配し続けた結果が得点差につながった試合であった。


三洋電機 44-8 近鉄   三洋電機 44-8 近鉄
会見リポート
近鉄ライナーズ
コニアコーチ(右)、佐藤キャプテン代理
コニアコーチ(右)、佐藤キャプテン代理

◎近鉄ライナーズ
○ジョージ・コニアコーチ
「試合は毎回勝つために戦っているので、結果についてはもちろん満足していない。三洋がリーグの中で最も強いといわれているが、それを実感せざるを得なかった。ペースも良かったが、我々がセットピースで常にプレッシャーをかけていかなければならなかったのに逆にプレッシャーをかけられてしまったのが大きな敗因だと思う。最初のセットピースからテンポがつかめないまま流されてしまったのでこのような結果になってしまった。前半終了後この点を修正して、選手たちももちろん勝つ気で後半入っていったがこういう結果となってしまった」

○佐藤幹夫キャプテン代理
「まず、三洋という素晴らしいチームに対してチャレンジして行こうとチームで話していたのですが、自分たちが攻撃できる時間が限られている中で細かいミスが出てしまい、このような結果になってしまった」

──ポゼッションとかボールを出す回数を見ると、後半でははるかに近鉄のほうが多かったが、三洋相手にこのような数値が出せたということはポジティブな結果といえるのでは。
○コニアコーチ
「相手がどんなチームであれ毎回一歩一歩向上していこう、良いゲームをしていうことでやってきた。ポゼッションが相手よりも高かったというデータが出ているということはタックルなどの質という面で相手より優っていたということではないか」

──三洋というチームと戦うために、いろいろな準備されたと思うが、それ以上に三洋が上回っていたということか。
○佐藤キャプテン代理
「相手がどうこういうことよりも自分たちのラグビーをしようということで今までやってきた。ディフェンスが厳しく最後までボールをコントロールできないで終わってしまったという印象がある」
○コニアコーチ
「最後に、ディフェンス特に一対一のタックルで相手に負けていなかったという点では選手を褒めてあげたいと思う」

──フィジカルな面で互角に戦え、自分たちの力を確認できたということか。
○コニアコーチ
「相手も同じ人間なのでもちろんフィジカルな面でも頭の中で考えていることでも常に勝負していかなければならないので、どんなゲームにおいても100%の力を発揮できるようにしたい」

三洋電機 44-8 近鉄   三洋電機 44-8 近鉄   三洋電機 44-8 近鉄
三洋電機ワイルドナイツ
飯島監督(右)、三宅ゲームキャプテン
飯島監督(右)、三宅ゲームキャプテン

◎三洋電機ワイルドナイツ
○飯島均監督
「前半は、近鉄のきびしいディフェンスで、なかなか簡単にゲインラインを超えられなくて、このような得点差になった。後半は、近鉄の前半の疲れがあったためかよく繋がるようになってきた。ディフェンスもセンターを中心によく止めていたと思う。ただ、相手の厳しいというか荒いディフェンスにつきあってしまった点があったが、もう少し冷静になることも必要だったのではなかったか」

○三宅敬ゲームキャプテン
「プレッシャーと激しいラグビーに前半は合わせてしまった部分があった。それが後半に影響したのか足が止まったところで後半うまく展開でき、このような結果になった。激しいプレッシャーに受けた部分もあって自らが苦しくしてしまった」

──相手の接点の強さは感じたか。
○飯島監督
「ここ3試合は、負けているとはいえ強豪相手にいい試合をしてきているチームなので、接点やディフェンスは非常に強いという印象を受けた。近鉄には元三洋電機にいた選手が多く、古巣のチームと戦うときは120%以上の力を出すという法則があるらしく、その通りだった」

──リザーブの選手の交代のタイミングは?
○飯島監督
「怪我があったり、怪我をしやすい選手であったりといったことを考慮して交代のタイミングを決めている。基本的には22人で戦うことにしている。過去タイミングを間違えて14人で試合を行わなくてはならなかったことがあったので、そういった反省も踏まえて決めている」

──これでシーズンの前半が終わり、ここまで順調にきているが、後半に向けて気を付けなければいけないことは?
○飯島監督
「ここまで順調にきています。後半戦に向けていかにモチベーションを維持するかはいろいろな人の意見を聞いて参考にしたいと思います。後半戦までの1ヶ月間プレッシャーをかけていくのかあるいはまったくボールに触れないでモチベーションを高めていくのかの両極端があると思うが、その辺はバランスの問題だと思う」
○三宅ゲームキャプテン
「非常に順調にきていると思う。勝って話ができるといういい環境にあるが、これまでの課題も修正しなければいけないし、進化もしなければいけない1ヶ月と思う」

──地元での試合について一言。
○飯島監督
「できたら地元の試合をもっと多くしてもらいたい。遠征と地元開催では選手の疲労度がまったく違う」
○三宅ゲームキャプテン
「試合後、今日のようにファンの方々と交流できる地方の良さがある」



2008年10月28日

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