横河武蔵野アトラスターズ 29-47 サントリーサンゴリアス
(week6/2008年10月26日 at宮城・ユアテックスタジアム仙台)
サントリー 層の厚さを示し後半に加速
第五節を終えて3勝2敗の4位と苦しみながらも連覇を狙う王者サントリーに対し、東北初見参、昇格後なんとかして初の勝ち星を挙げたい同13位の横河武蔵野アトラスターズがどう挑むか?
前半開始直後、横河ラックからターンオーバーしたサントリーがBKに展開、11番小野澤がタッチライン際を40m駆け抜け中央に回り込んでサントリーが先制のトライ(ゴール成功0-7)。すかさず横河もサントリーのキックパスのこぼれ球を拾って6番サモがストライドを生かしDFラインを突破。サポートについた1番山田がトライを返す(ゴール成功7-7)。点の取り合いになるかと思われたが、双方ハンドリングエラーや不用意なペナルティのためにリズムに乗れない。19分サントリー陣ゴール前5mのスクラムで得たPKから横河8番フィフィタが素早く仕掛け勝ち越しのトライ(ゴール不成功12-7)。サントリーもニコラス・山下の両CTBのランとFWの縦突破で横河陣に迫る。26分横河陣ゴール前5mスクラムからサントリー8番竹本がサイドアタックを仕掛け、敵BKを巻き込んでそのまま中央にトライ(ゴール成功12-14)し逆転。勝利への意欲を燃やす横河はプレッシャーをかけ続け前進を図り、35分サントリー陣22m付近ラックから・グレーガンのパスミスを誘う。こぼれ球を横河9番西田がタッチライン際で拾い、5番内藤につないでトライ(ゴール成功19-14)し、再び逆転する。前半は、攻守にわたってアグレッシヴにプレッシャーをかけた横河のリードでハーフタイムとなった。
個々の巧さとチームとしての力量を時折感じさせるものの、精度を欠いた前半を終えたサントリーは、後半開始から20番SH成田を投入し、テンポアップを図る。密集からのボール供給速度を上げることで、突破力あるサントリーBK陣が横河DFラインを翻弄し始める。徐々にラインブレイクの回数も増え、効果的に前進するBKをサポートするFWの集散も俄然速くなる。横河のDFがサントリーの攻撃の圧力に後退する。6分、横河陣ゴール前スクラムから展開し、一時出場の19番ハビリが同点のトライ(ゴール成功19-21)。12分、横河ゴール前PKから素早く仕掛けた20番のロングパスを受けた6番佐合がトライ(ゴール成功19-28)。地元宮城県出身、日本代表スコッド入りを果たしたばかりのサントリー17番畠山が後半14分に入替出場すると、スタンドからは大きな拍手が。それに応えるかのごとく19分にラックサイドに走り込んでSHからパスを受けるとDFを蹴散らして中央に豪快なトライ(ゴール成功22-35)。ユアスタのスタンドは最高潮に。31分、10番曽我部と替わった21番SO菅藤のキックパスを14番長友がキャッチし右隅にトライ(ゴール成功22-42)。41分、横河ゴール前スクラムから20番→21番→11番とつなぎ小野澤がこの日2本目のトライ(22ー47)を挙げた。横河も終了間際のペナルティで得たラインアウトからラックを連取し20番のチーム4本目のトライ(ゴール成功29ー47)でボーナスポイントを獲得した。
マン・オブ・ザ・マッチは、後半サントリーの攻撃を加速させたSH成田が受賞した。後半のトライすべてに絡み、選手のパフォーマンスを引き出して、多彩な攻撃を繰り出す立役者となった。一方、世界の「鉄人」グレーガンの出来は気になったが、そのポジショニングはワラビーズで抜群の危機回避能力を発揮した懐の深さを感じさせ、選手層の厚さと開幕時に比べて調子を上げてきた様子とあいまって、サントリーのシーズン終盤に見せるであろう底力に寄せる期待をいっそう膨らませるものであった。 |
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ラファイアリ ヘッドコーチ(上)、佐藤主将
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◎横河武蔵野アトラスターズ
○レオ・ラファイアリ ヘッドコーチ 「勝ちに来たゲームです。アタックし続けることを選手に伝え、前半はできましたが、後半は攻撃し続けることができず、サントリーさんのほうが自力を発揮して、勝つことができませんでした。ボーナスポイントを取れたことは良かった」
──この1ヶ月でチームをどのような形で立て直していきたいか?例えば、どこかに集中して練習に行ったり、合宿したりする予定はあるか?
「地元に帰って、1週間リフレッシュします。毎週ゲームで疲労が蓄積していますし、肉体的にも精神的にもダメージを受けているので、リフレッシュします。重要な次戦の日本IBM戦に向けて徐々に3週間前から準備をしていきたい」
○佐藤幸士主将
「今日のゲームは負けたゲームですが、ボーナスポイントを取れたことはうれしく思っています。今日のゲームに関してはサントリーのメンバー発表があったときにメンバーを見て、横河としては勝てる、と思って臨んだゲームでした。No.8のソンゲタが出ていないということで横河のサモとフィフィタでゲインラインを突破することができれば、必ずチャンスが生まれ、一度良い流れができれば今日のゲームは勝てると、ゲームに臨みました。
前半はそれなりのゲームができましたが、後半に関してはキッキングゲームとこちらのミスでサントリーさんの底力を出させてしまったと思っています。ただ、収穫の多いゲームなので次に活かしていきたい」
──収穫はどの辺に感じているか?
「昨年のトップリーグチャンピオンであるサントリーさんと対等に戦えるという点と、負けたゲームですが、ボーナスポイントを取ったということが選手にとって今後自信になると思います。気力の面でポジティブになれば、すべての点で良い方向に向かっていくのではないかと思っています」
──前半競っても後半突き放されるという展開が続いている。ウィンドウマンスに入りますが、どのようにして初勝利に持っていきますか?
「後半立ち上がりの10分を集中するように声がけしてグラウンドに入っていますが、集中していないという訳ではないのですが、自分たちでミスをしているのかもしれません。集中しすぎてというか、興奮しすぎてしまうので、熱くなるのではなく、冷静にうまく集中できる心境を作っていくような練習をしていきたいと思っています」
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清宮監督(上)、山下主将
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◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督 「素晴らしいグラウンドでゲームができたことをうれしく思います。今日のゲームは前半・後半でまったく違う印象のゲームになってしまったのですが、これも成長、強く大きくなる過程の1つかなと思っています。これから1ヶ月、Bチームの試合が3試合ありますので、良い競争をして、残り全勝して上位に食いついていきたいですね」
──大きく強くなる過程だということだが、ウィンドウマンスの間どのようなところに課題を置いてチームを強くしていくのか?
「中心メンバーがチームから離れるので、できることをしっかりやっていきます」
──地元出身の畠山選手について監督から一言。
「大々的に取り上げていただいたようで、ありがとうございます。先週のゲームであるいは練習でチーム内の競争に勝って、3番スタメンで出場すれば盛り上がるだろうなと思っていましたが、チームもそうですが、彼も発展途上の段階なので、日本代表としてPRしてきて欲しいですね。彼のポテンシャルは素晴らしいものがあると思います」
○山下大吾主将 「仙台の皆さん、東北の皆さん、ありがとうございました。監督の言ったことがすべてなのですが、成長段階といいますか、もがいてもがいてやっと勝てたという感じです。これからチーム全員が競争して、体をぶつけ合ってラグビーをして、1つでも多く勝っていけたらと思っています」
──前半苦しんでしまった理由は何か?
「単純に体をぶつけていなかったということです。前進できていなかったということです」
──行かなくてはいけないのに行けなかった?
「1対1で勝ち切れていないのにボールを繋いでしまったミスであったり、ハンドリングミスであったりです」
──後半に向けて修正した点は?
「前半トライを取ったのは、瀬川選手が前進したときだとか、ライアン選手が前進したとき、竹本選手が前進したときなので、1対1で勝って前進すればトライが取れるので、それをしようといいました」
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