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4節 マッチ&会見リポート(NEC 21-14 クボタ)

マッチリポート
NECグリーンロケッツ 21-14 クボタスピアーズ
(week4/2008年10月10日 at東京・秩父宮ラグビー場)

クボタ 反則プレーで自滅し、NEC3連勝
第3節まで、クボタは対ヤマハ、対トヨタで接戦をものにして、2勝1敗。NECはまだチームの仕上がりに課題は残っているものの、横河、IBMに順当勝ちして2勝1敗。それぞれ、リーグ戦の最終順位で、上位4チーム以内へ入る可能性をつかんでおくため、また、上位6チーム以内を確保するためには、ぜひ勝っておきたい重要な試合である。

前半7分、NECは敵陣ゴール前でのすばやい攻撃からWTB武井への飛ばしパスが通り、トライ、5-0とした。一方、クボタは、これまでの試合と同様に、SOドゥラームの多彩なキックを軸にゲームメークし、相手のペナルティを確実にPGで得点につなげていった。前半28分には、ドゥラームからのキックパスがWTB根岸へつながり、クボタもトライをとり、前半は11-11の対スコアで終了した。

後半に入り、クボタは6分にPGの3点を加え、11-14とリードするが、16分にはNECがペナルティキックからのクイックプレーでFLマーシュがトライをとり(ゴール成功)、18-14と、逆転に成功した。
4点の僅差で、残り時間が20分あまりとなったので、観客としては、これからが手に汗を握るアタック・アンド・ディフェンスを展開してくれるのだろうと期待して観戦していたのだが、試合の終盤は残念な結果となった。
後半28分に、クボタCTB吉田がスタンピングで退場処分となり、NECはそのペナルティキックをPGで3点の加点として、NEC21-14クボタと、7点差とした。さらに、33分にはクボタFLヒッキーがパンチングでシンビンをとられ、クボタは最後の7分間を13人で戦うこととなり、4点差あるいは7点差を追いつける可能性を自ら放棄してしまったのである。実力差のあまりない両チーム間の接戦の好ゲームを期待していた観客にとっては、最後の10分間は残念な結果となった試合だった。
前半にはNEC CTBロコツイのアーリータックルでのシンビンもあった。両チームとも、今後、クリーンなプレーを徹底し、観客にラグビーの面白さを教えてくれるような試合を見せてほしい。(正野雄一郎)
会見リポート

クボタスピアーズ
山神監督(右)、鈴木キャプテン(中)、荻原ゲームキャプテン
山神監督(右)、鈴木キャプテン(中)、荻原ゲームキャプテン

◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「最初に、先週もレッドを出し、締めてきたのに、レッドとシンビンを連続で出してしまったことについてお詫びしたいと思います。楽しみにしてくれたファンの皆様やメディアの前で繰り返されてしまったことを、監督として重く受け止めています。チームが本物になるのが大事だとつくづく感じました。試合は接戦になると思っていたとおりで、しっかりコミットしてターンオーバーして攻めたかったのですが、前半、ボールがスリップし、お互いにフラストレーションがたまり、波に乗れませんでした。コントロールしてトライに結び付けたNECさんが上だったと思います。ただ、13人でしのいだことは評価したいと思います。80分通して芯になるところ、幹になるところを太くしたいと思います。まだ、弱さを露呈したので、ポジティブに受け止めて、直していきます。全体的なゲームプランは間違っていないと思います」

──最後のペナルティから展開してキックし、拾った相手に蹴りだされたプレーは?
「どういう判断か、冷静に聞きたいと思います。ターンオーバーからアタックしたかったが、13人では厳しいとも思っていました。微妙なチャンスを獲りきれていないので、冷静なしっかりしたアタックが課題です。あの場面は最終的には選手の判断です」

○鈴木力キャプテン
「キャプテンとしてもレッドとイエローは、ゲームを楽しみにしてくださったファンの皆様にお詫びしたいと思います。結果をしっかり受け止め、チームとしてチャレンジャーとなって最後まで戦い、80分、崩れないチームをつくります。次の試合に向けて、しっかり気持ちを持って一からチームを作り直したいと思います。申し訳ありませんでした」

──最後のプレーは?
「最後は獲るつもりで選手は必死に走ったと思います。裏が空いていると思って蹴ったのではないでしょうか。逆にトライされると勝ち点も取れないので、僕としてはずっとキープしていきたかったけれど、選手の判断を尊重します」

○荻原要ゲームキャプテン
「レッドとイエローは、心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。NECさんの接点が強く、自分たちのイージーミスが多かったと思います。練習で出ることは試合でも出ることが分かりました。次節に向けて、立て直します」

──レッドの時は?
「ひざが顔に乗りました。その前からレフリーには、笛の後にクボタの選手が続けてプレーをしていると注意を受けていました。自分の力のなさを痛感しています」


NECグリーンロケッツ
細谷監督(右)、箕内ゲームキャプテン
細谷監督(右)、箕内ゲームキャプテン

◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督
「今日の試合は戦前からタイトなゲームになると予測していました。クボタさん相手にどうペナルティをしないか、心臓部を機能させないかが最大のテーマでした。しかし、我々のほうがペナルティが多かったのでは。しかも自陣で、ということでプランどおりではない試合展開でした。ただ、22名で戦うことができ、リザーブが踏ん張ってくれました。勝つ執念が相手を上回ったと思います。また、相手が終盤焦ってペナルティをしてくれたのも助かりました。しかし、この内容では東芝さんに太刀打ちできません。8日間、しっかり改善修正をしていきたいと思います」

──シーズン前はアタックに力を入れるという話だったが?
「それは、一つの大きなテーマで、今日はペナルティをしないで相手の強みを事前に押さえるという考えです。というのは、クボタさんはトライをここまで3つしか獲っていないので、ペナルティさえしのげは我々にトライチャンスが来ると思っていました。また、ブラインドにギャップができるので、我々がポイントをつくり、そこにランナーを走りこませるというプランでした。1対1でハードにヒットし、イージーなキックをするのはやめ、セットを支配するのがテーマでした」

○箕内拓郎ゲームキャプテン
「開幕から雨が続いて、もっとボールを動かしたいと思います(笑)。しかし、こういう中で勝てたのは良かったと思います。イエローカードもレッドもトップリーグとして恥ずべきプレーです。チーム内で規律・モラルを徹底したいと思います」

──クボタの戦い方は変わったか?
「スタンドオフが外国人になってキック主体となり、80分で1点差でも勝ちに行くというチームになったと思います。キッキングゲームでミスが出ると危ないのですが、アタック面では昨年のほうが得点力があったのではと思います」

──前半、11対11に追いついたペナルティは躊躇したのか?
「久富がコンタクトを入れていたので時間を稼いだだけです(笑)」

──ペナルティキックで得点する展開はなぜ?
「ペナルティで得点し、クボタさんがペナルティで追いつけなくなる得点差にしようというプランで狙いました」



2008年10月11日

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