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NECグリーンロケッツ 26-17 日本IBMビッグブルー
(week3/2008年9月21日 at千葉・柏の葉公園総合競技場)
キックオフ数時間前から降り出した秋雨に打たれながら、トップリーグ第3節、NECグリーンロケッツ対日本IBMビッグブルーの千葉ダービーはスタートした。
前節、横河武蔵野アトラスターズを下し、今季初勝利を飾ったNECグリーンロケッツだが、相手を受けてしまい苦戦した前半の反省点と終盤に露呈したディフェンスの不安をどこまで修正できているかが大きなポイントであった。
一方、日本IBMビッグブルーは、今季ここまで2連敗とやや苦しいスタートとなったが、前節の神戸製鋼コベルコスティーラーズと1ペナルティゴール差の死闘を演じ、巻き返しのきっかけをつかんでいる。元来潜在能力の高さは大きく評価されているチームなだけに、既にトップリーグで確固たる地位を築いているNECグリーンロケッツに対してどこまで肉薄できるかが大いに注目された。
試合は前半からお互いにミスが目立ち、一進一退の攻防を繰り返したが、24分、31分と相次いでNECがペナルティゴールを成功させ、流れをつかんだ。32分には相手キックのミスを突き、連続攻撃からセミシがトライ、ゴールも成功し、試合は一方的な展開になると思われた。しかし、IBMも36分見事なラインアウトのサインプレーからフッカー安江が独走トライ、ゴールも成功し、NECに傾いていた流れを引き戻した。だが、前半終了間際に不用意なペナルティから失点し、結果的には試合を左右する大きなものとなった。
後半も立ち上がりからNECが流れをつかみ、相手のシンビンからゴール前に攻め込む。ところが、相手ゴール前のバックスのパスミスから大きく地域を挽回され、9分にペナルティゴールを奪われ、流れはIBMに大きく傾いていった。なおも攻撃の手を緩めないIBMは、18分連続攻撃からフィリピーネがトライ、ゴールも成功させ、一気に逆転した。その後お互いに流れかけたペースを奪い合う一進一退の攻防が続き、試合は緊迫したものとなったが、NECの徹底したハイパント攻撃が功を奏した。28分ハイパントから相手ボールをターンオーバーし、右オープン攻撃、ロツコイの見事な仕掛けから窪田がトライ、ゴールも成功させ、試合を再逆転し、続く29分にはペナルティゴールを成功させ、一気に勝負を決めた。その後、勝ち点の奪取を狙いIBMも死力を尽くして攻撃するが、インゴールに運んだかに思われたボールのグラウンディングが認められず、ノーサイドの笛が鳴った。
千葉ダービーに燃える両チームのファイト溢れるブレイクダウンの攻防は見応えのあるものであった。最後に点差こそ開いたが、日本IBMビッグブルーの健闘は称賛に値するものであった。(千葉県協会・塚越康利)
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細谷監督(右)、熊谷主将
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◎NECグリーンロケッツ
○細谷直監督 「悪天候のため、多数のトライの奪取は考えられなかったので、上のボールの確保やイーブンボールの働きかけ、ミスボールへのセービングなどを注意して試合に臨んだ。IBMの近年の躍進ぶりは理解していたので、厳しいゲームになると予想していた。NECの流れをミスから相手に持って行かれた点を反省したい。後半のペナルティゴールを狙うべきところを攻めた点や前半のラインアウトからの一発でトライを奪われた点を反省したい。厳しい状況であったが残り10分の厳しい状況から逆転したのは選手を讃えたい。次回のクボタ戦に向けて修正していきたい」
──ラトゥの入れ替えとしてロビンスを交代したが、なぜロコツイではなかったのか。
「予めのプランであった。ロコツイのパフォーマンスは高く、相手も嫌がっていたのでそのまま起用した。ロビンスはふくらはぎに違和感もあった。後半のトライではロコツイは良いプレーをした」
──スクラムの圧倒をゲームで生かしていないように感じたが。
「『圧倒』ではない。『安定』である。むしろ相手の1番が健闘していたのでよく我慢したように感じている。NO8のサイド攻撃やロコツイの攻撃も用意していたが使えなかったのはそのためである」
──相手のシンビンの場面で得点できず、失点したことに関しては。
「神戸戦の反省点を生かし切れなかった。クイックが止められた場面でショットに変更すべきであった。相手のFWが少ない場面で、FWは攻めたかったようだが、結果から見ればショットであった」
○熊谷皇紀主将 「前節の前半の苦戦の原因が『受けて』しまった点にあった。本日のゲームの立ち上がりには満足している。流れを相手に渡し、相手の息を吹き返してしまったのは、自分たちの甘さである。クボタ戦に向けて修正したい」
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安藤ヘッドコーチ(右)、高主将
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◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ 「敗因を考えたが、コメントできないほど悔しい。前節も含めて、この結果を受け止め修正していきたい」
──トライ数は同じ。大事なところでの反則については。
「レフリングの見解の相違はあったが、前半を含めて不用意な反則やミスからの反則も多くあった。見解についてはそれも含めたものがラグビーであるので、ゲーム中に修正できるようにしていたい」
──ゲーム適応能力に問題があったのか。
「それもある。前半はケアレスミスが目立った。そのミスがトータルなゲームマネージメントに響いた」
──前半終了間際の失点が響いたのではないか。
「地域や時間を考えて、不用意なペナルティを犯さぬように、チーム内で共有し今後は修正していきたい」
──NECがペナルティゴールを狙う局面で攻めてきたことに関してはミスだと思うが、ピッチではどう感じたか。
「目に見えるミスは外から見ていてもわかると思うが、ピッチ内では口では言えぬような状態であり、NECが大勝しても、IBMが大勝しても良いような局面を感じていた。うまく表現できないが‥‥」
──その他に考えられる勝負のポイントはあっただろうか。
「個人的なミスもあったが、それをとやかく言ってもしょうがなく、15人、リザーブも含めれば20人以上の問題でもあり、わからない。抽象的で申し訳ないが‥‥(笑)」
○高忠伸主将 「お互いにミスが多く、内容的には良くないゲームであった。だが、一度は逆転することができ、IBMぺースを実感できたのは収穫であった。負けは負けで原因はたくさんある。今後修正してチームの伸びしろに期待したい」
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マン・オブ・ザ・マッチはNECグリーンロケッツのセミシ・サウカワ選手 |
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