開幕を間近に控えた8月29日、東京・品川にあるグランドプリンスホテル高輪において、「ジャパンラグビートップリーグ2008-2009 プレスカンファレンス」が開催されました。多数のプレス関係者・チーム関係者が出席するなか、トップリーグの6年目のシーンについて、そして開幕戦について、紹介がありました。
今シーズンは「試験的実施ルール(ELV)」の採用により、より展開の早い試合が予想されます。同時に外国人選手の出場枠が2から3に増え、外国人レフリーも5名が招聘され、プレーオフトーナメント「マイクロソフトカップ」では、初のテレビマッチオフィシャル(ビデオレフリー)も導入されます。
新たな予感を感じさせるトップリーグ6年目のシーズンが、間もなく始まります。
■ご挨拶──開幕に向けて
森喜朗・日本ラグビーフットボール協会会長
「トップリーグが、いよいよ開幕です。
ところで先日、第16回 日・韓・中ジュニア交流競技会が開催され、ラグビーの試合も行われました。これは体協の主催で、私は体協の関係もあり(注:森会長は日本体育協会会長でもある)、試合を観てきました。日本は中国・韓国に完勝しておりますが、実は昨年、中国で行なわれたこの大会で、日本の代表チーム(高校)は、中国にも韓国にも、かなりの点差で負けているのです。どうしてかときいたら、必ずしもレギュラー主体のチーム編成ではないということでした。これはよくない。全力であたるのが相手への礼儀ではないでしょうか。
私はラグビーというスポーツを、グローバルなものにしたい。世界のスポーツにしたい。サッカーもたいへん面白いスポーツですが、ラグビーはもっともっと面白いと思うのです。だからこそ、昨年の日・韓・中ジュニア交流競技会のようなことを繰り返してはならないのです。
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森喜朗・日本ラグビーフットボール協会会長
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日本のラグビーは100年の歴史があり、アジアで最も普及しているのが日本であります。IRBの加盟国のなか(世界)で、競技人口は5番目に多く、登録チーム数は3番目に多い。アジアにある日本こそが、起爆剤としてラグビーのグローバル化に寄与し、普及の一翼を担うべきであろうと、我々、日本協会は考えているのです。
ラグビーは紳士のスポーツといわれる。私など、始めは『どこが紳士か』と思っていました。ラグビーはとても激しいスポーツだからです。しかし、紳士として自らを戒める気持ちがなければ、ラグビーは成り立たない。そういう気持ちでなければ、30人もの人数でプレーなどできないし、あんな壮快なプレーが続くはずがない。私はそう考えます。
私は子どもたちに、ラグビーをプレーしてもらいたい。ラグビーの真髄は犠牲的精神です。人のために、自分をどれだけ犠牲にして尽くせるか。どのスポーツもこうした崇高な面をもっているとは思いますが、ラグビーがいちばんだと思うのです。
このたび文部科学省から発表された、小学校学習指導要領の解説に、タグラグビーが採用されました。これは子どもたちにラグビー競技を通じて、協調性、犠牲的精神、敢闘の精神、勇気などをしっかり学んでほしいということだと思います。
そのためにも、子どもたちに、ラグビーはすごいなあ、素晴らしいなあと、思ってもらえるのがトップリーグであろうと。
そしてまた、トップリーグにご参加の企業の皆さんにお礼を申し上げたい。観客席には、応援の社員の皆さんとともに、会社の役員の皆さんも足を運んでくださいます。会社のトップが陣頭指揮をとるスポーツは、他にないのではないか。頭が下がる思いでおります。
そしてメディアの皆さま方、スポンサーの皆様方にも、日本のラグビー熱を高めるべく、日本ラグビー、トップリーグへの変わらぬご支援を賜りたく、お願い申し上げるしだいです」
真下昇・ジャパンラグビー トップリーグチェアマン(日本ラグビーフットボール協会副会長兼専務理事)
「トップリーグは9月5日、開幕を迎えることになりました。今シーズンで6年目です。5年でひと区切りとしますと、トップリーグは今季、第二ステージに入るといえるでしょうか。
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真下昇・ジャパンラグビー トップリーグチェアマン
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去年、ラグビーワールドカップフランス大会で、日本は勝てはしませんでしたが、フィジーに善戦し、またカナダとは引き分け、連敗をストップしました。しかし、さらなる激しい戦いをして上を目指していく、さもないと世界から取り残されることになります。
そういう意味でトップリーグは、メディアの皆様方、また参加チームの皆様方と、いろいろなアイディアを錬りながら、より活性化させていきたいと考えております。
またトップリーグでは、ピッチのなかの活動だけでなく、社会貢献活動もすべきという観点で、地球にみどりを増やそう、子どもたちにラグビーを体験してもらおうなど、地域の学校や自治体と連動しながら、地域ヘの貢献を進めていきたいと考えています。
今年のトップリーグも、素晴らしい戦いが展開されると思いますが、そうしたなかで、マイクロソフト株式会社様には多大なる貢献をいただいております。プレーオフトーナメント マイクロソフトカップに出場する4チームは、昨年以上に、感動と興奮を呼び起こすような、素晴らしい、厳しい戦いをしてくれることを期待しております」
鈴木和典・マイクロソフト株式会社 執行役(ジャパングローバルパートナー担当)
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鈴木和典・マイクロソフト株式会社 執行役
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「早いもので、マイクロソフトがトップリーグの支援をさせていただいて5年がたち、6シーズン目となりました。マイクロソフトでは、協会の方々・チームの方々とその企業の方々・そして会場ではファンの方々とさまざまな交流をさせていただいております。特に弊社では、インターネット・ポータルサイトであるMSNを活用した情報発信、マイクロソフトカップ決勝の前座試合として小学生によるマイクロソフトカップの実施と、少しでもラグビーの発展に寄与できればと、やってきております。
トップリーグは日本最高峰のリーグです。このリーグの充実が、日本ラグビー全体の発展につながります。そういう意味でトップリーグの充実した内容のゲームが、よりたくさんのファンの方々を試合会場に引き寄せ、より強い日本代表チームを鍛えあげ、そしてラグビーのグローバリゼーションにつながっていくと理解をしています。
そういったことをご支援させていただくため本日、MSNラグビーというポータルサイトを、リニューアル公開させていただきました。より内容の充実した情報発信をし、よりたくさんのご興味をもっていただくようにしたいと思っております。また来年の2月8日(日)、マイクロソフトカップ決勝当日は、昨シーズンと同様、小学生によるミニラグビーの大会「マイクロソフトカップ」を開催させていただきます。そういったことで、頂点ばかりでなく、裾野の広がりについても、微力ながら貢献をしてまいりたいと考えております」
■今シーズンの概要
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稲垣純一・ジャパンラグビー トップリーグ事業委員会COO
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続いて稲垣純一・ジャパンラグビー トップリーグ事業委員会COO(最高執行責任者)より、2008-2009シーズンの概要について説明がありました。
特に今シーズンは、「試験的実施ルール(ELV)」の採用によりラグビーの内容そのものの質的変化が予想されるほか、運営面などでもさまざまな新しい試みがなされます。トップリーグは6年目を迎え、新たなステージに進みます。具体的には以下の項目について説明がなされました。詳細は、別途、当サイトでご案内してまいります。
- 外国人選手の出場枠、2→3に
- 試験的実施ルール(ELV)
- 日本選手権出場枠、4→6に
- マイクロソフトカップ順位決定方法の変更
- フェアプレーチーム賞の選考基準変更
- 外国人レフリー5名を招聘
- テレビマッチオフィシャルを導入(マイクロソフトカップ)
- マン・オブ・ザ・マッチを新設
- 「TRY for GREEN」プロジェクトを展開
- 「キャプテン会議」の発足
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「キャプテン会議」について説明する大畑大介選手(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)
「今シーズン、各チームのキャプテンと代表選手からなるキャプテン会議を発足することになりました。トップリーグ全体を盛り上げるためになにができるのか、チームの垣根をこえて、選手として意見を出し合っていきたいと思います」
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