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寒風になびくフラッグ
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東芝ブレイブルーパスは、自らが犯した数多くのノックオンに苦しみながらも、日本IBMビッグブルーを寄せ付けず勝ち点5を獲得。次節からはNEC、トヨタ、ヤマハとの、プレーオフトーナメント(マイクロソフトカップ)進出を賭けた戦いが待っている。
寒風吹き荒れる秩父宮ラグビー場。トップリーグ旗を真ん中に、ブレイブルーパスとビッグブルー、3つのフラッグが北スタンドのスコアボード上で激しく踊っている。前半風上の東芝は、立ち上りのIBMの攻勢をかわすと18分過ぎからIBM陣に入り込む。そして21分、CTBマクラウドのラインブレイクからゴール前に迫ると、密集を押し込み先制のトライ。27分にNO8ホルテンがトライした後の33分にも、自陣から一気に繋ぎ、前節から復帰のFB立川が大きくゲイン、最後はSO廣瀬主将がトライし前半を終了。
東芝は後半も10分過ぎまでIBMに手を焼いたが、15分に廣瀬とシザースしたマクラウドがトライ。その後試合は停滞したが、終盤に3トライを畳み掛けてIBMを突き放した。東芝の前主将CTB冨岡は今絶好調だ。元々定評のあるディフェンスだけでなく、今季はボールを持てば積極的に仕掛け、左足から繰り出すロングキックは効果的だ。31分には自陣からギャップを突いてラインブレイク、サポートがいないのを見てキックを転がし、戻ったIBMの選手に巧く絡んでファンブルを誘いSH吉田のトライへと繋げた。またタイムアップのホーンが鳴る中、パスダミーで裏へ抜け出すとFB立川へラストパス。この日東芝7つ目のトライを演出した。
IBMは風下だった前半、東芝のキックを蹴り返さずに粘り強く繋いだ。前半無得点に抑えられながらも、後半5分にはNO8ギルブライドがこの日唯一となるトライ。続く12分にはSO加瀬が鮮やかなDGも決めて見せた。しかし前後半それぞれの立ち上りを除けば、チャンスを作り出せず苦しんだ。昨季通算では2勝(2分9敗)で、今季も現時点で2勝までは来ているが、このままでは終われないIBMは、三菱重工、クボタ、神戸製鋼との対戦を残している。(米田太郎)
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日本IBMビッグブルー 8-45 東芝ブレイブルーパス(1月13日)
◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ 「今日は寒い中、沢山のファンの方にご来場いただき、御礼申し上げます。せっかくお越しいただいたのにワンサイドゲームとなってしまい、非常にチームとして申し訳なく思っています。ただ一つ、選手はこのゲームに勝つことを目標にしっかり準備をしてきました。まぐれでなく、勝てるという自信もありましたが、結果的に東芝さんの個々の強さ、重さにやられました。前半は、相手の強みを出させないように消耗しないでゲームを運びたかったのですが、モールで獲られ、結果的には後半、FWの足が止まってディフェンスでプレッシャーをかけられなくなってしまいました。残る3試合、今日の課題をしっかり修正して臨みます」
――課題は。
「後半ラスト20分のフィットネスがチームとして大きな課題です。最後までの集中力、ゲームマネジメントもそうです」
○高忠伸キャプテン 「東芝さんのプレッシャーの下、インサイドブレイクされました。しかし、悲観することなく、次の試合の準備をしたいと思います。今日は、まず、テリトリーを取ってディフェンスでしっかりプレッシャーをかけるプランで、前半20分までは自分たちのラグビーができて良かったが、少し緩みが出たところからやられました」
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◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督 「まずは、寒い中、グラウンドに来ていただいたお客様に感謝したいと思います。しっかり勝ち点を取っていく、目の前の相手を倒していく、そのためにブレイクダウンで取ろうと臨んだ試合でした。選手は一つ一つのプレーに集中してくれたと思います」
――敗戦からどう立ち直ったのか?
「選手たちは、こう獲ろうというイメージの共有はできていると思いますが、その中で今ひとつ回っていなかったと思います。具体的には、つなぐけれど、前へ行くことを忘れていた部分がありました」
○廣瀬俊朗キャプテン 「前半の入りの部分ではあまり良くなかったので、大きな反省点でした。ただ、大胆に攻めることはできたので、今までになかったことと満足しています。練習で去年のメンバーが戻ってきてくれてしっくりしてきたと思います」
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