ドーム内の無風状態で、トヨタ先蹴にてキックオフ。キックによる陣取りでペースに持ち込もうとする神戸製鋼に対し、タッチを切らず継続を意識するトヨタ自動車。その積極的なアタックはすぐ結実する。5分 FL6中山が突破し形成された神戸ゴール前5mのラックから右展開、SO正面-FB遠藤と繋ぎT(G不成功0-5)。スクラムをはじめとするセットプレーに安定感がない神戸製鋼は、タックルミスを重ね次々と失点を重ねる。21分には、トヨタのBK展開に翻弄され、DFが混乱状態に陥り、SO正面に早くも2本目のTを献上(G成功0-22)。鋭いアタックを時折みせる神戸製鋼だが、安定感をみせるトヨタDFは最後の一線を越えさせない。30分、そればかりか、前がかりになった神戸製鋼のアタックラインの間隙をぬって、WTB水野がインターセプト、60mを独走しT(0-27)。
前節のヤマハ戦と同様、気持ちを切り換え大逆転を狙いたい神戸製鋼だったが、46分得意のカウンターアタックからBK展開を試みるが、浅いラインを狙われ、WTB水野に2本目のインターセプトからTに繋げられ、万事休す(G成功0-39)。接点での攻防を少人数で優位に進めるトヨタに対し、要所でのDFに厳しさがない神戸製鋼。この流れはゲーム中、ほぼ修正されることなく、マイクロソフトカップ進出を賭けた大一番が、7-45というスコアに表れた。
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C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
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平尾総監督(左)、後藤キャプテン
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神戸製鋼コベルコスティーラーズ 7-45 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(1月13日)
◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二総監督 「完敗だ。前半の不用意な失点がチームの選択肢を狭めた。この結果を我々は受け止めて今後のゲームに繋げたいと思う」
――前半の大量失点について。
「ゲームの入り方が悪かった。ゲームプランの問題なのか、もう少しきめ細かさが必要だった。劣勢からゲームが始まるのは良くない。これは大いに反省すべき」
○後藤翔太キャプテン 「完敗です。応援の方々に申し訳ない。これからできることは限られているが、残り試合は精一杯戦いたい」
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石井監督(右)、麻田キャプテン
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◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○石井龍司監督
「今日は初めてのグラウンド、しかもドームなので環境面で不安だった。しかし選手が良く対応してくれた。ただ後半のアタックのオーバーが悪かった。それでも神戸製鋼に大勝できたことは自信になると思う」
――ゲームプランについて。
「神戸製鋼はキックが多いので、ボールの確保に注意した。そしてボールを大きく動かして継続することを意識した。前半はそれが完璧にはまった。FW戦の圧勝は、全く予想外だった」
――マイクロソフトカップに前進したと思うが意気込みは。
「我々はまだ崖っぷちの状況。3敗でベスト4に入るのにギリギリの状態であり、今後の試合を大事にしていきたい」
○麻田一平キャプテン 「良いスタジアム、沢山の観客の中で試合ができて楽しかった。神戸製鋼はブレイクダウンが強いのでそこを意識したが、FWが頑張ってくれた。今日の自信が過信にならないように気持ちを切り替えて次戦に臨みたい。3敗した時点から、トーナメントの気持ちで戦っている。残り1戦1戦を大事に戦っていきたい」
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