時おり氷雨のふる花園ラグビー場、サントリーの先蹴で幕があがった。立ち上がりの7分、サントリーが相手ゴール前右35mからのPGを失敗、クボタのディフェンスが非常に強く硬いので手堅くゲームをすすめるように感じられた、12分に相手陣45m中央ラックから9-10-14の北條が右隅にトライ、これで波に乗るかと思われたが、やはりクボタのディフェンスは崩れない。逆にクボタが22分相手ゴール前35m付近ラックから右へ9-10から内の6へリターン12-14とつなぎ根岸が左中間にトライ、ゴールも決まって7-5と逆転、クボタは25分、35分とDGを試み、前半なんとか点差を引き離したいが失敗。
後半の6分、ゴール前左中間ラックから9番田中が右に回りこみトライ、8分にも小野澤が左隅にトライで突き放すかに思えたがはやはりクボタのディフェンスは崩れない。逆に11分にゴール前15mで7番岩上がキックをチャージしこぼれ球を9番茂木が左中間にトライ、その後サントリー、クボタともにチャンスはあるものの、相手の好ディフェンスと自らのミスで取りきれない。ようやく23分にサントリーが相手ゴール前ラックから18番早野が持ち出しトライ、ボーナスポイント獲得の4トライ目をあげて一息ついた様子。しかしその後もクボタのディフェンスに阻まれ追加点は上げられなかった。
サントリーBK陣が何度か切り込むが相手を仰向けに倒すクボタの猛タックルが随所にみられスタンドを沸かせた。前節のサニックス戦の敗戦から見事にチームを立て直したクボタのディフェンスが「らしさ」のないサントリーに対して際立ったゲームであった。勝負どころでの自力の差でサントリーが勝利したといった感のゲームであった。
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C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)
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山神監督(左)、鈴木キャプテン
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サントリーサンゴリアス 24-14 クボタスピアーズ(1月20日)
◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督 「あいにくの雨で寒い中、多くの声援をいただき感謝しています。ナイスゲームができたと思っている。『このあたりで勝ちが欲しい』と甘くなったディフェンスを建て直し、このチームの原点に返ったと思う、ミスといえば前半はモールを押し込こまれてサイドが甘くなった時くらいでそれ以外は特になく、後半はスクラムなどで少し差はあったものの、サントリーがやってくることはわかっており、オフロードのところで何処でタックルに行くかも決めていた。ゲーム運びに問題はなかった、苦しい場面を最後まで好タックルでしのいで…『こういうゲームが出来るんだ』と思った。残りのゲームは残留のかかった大切なゲーム、それに臨むためにもよくやったと思う」
○鈴木力キャプテン 「サニックス戦は相手のプレッシャーで気持ちが後向きになっていた、今日のサントリー戦は気持ちの部分で前向きに向かって最後までプレーする事ができた。後半に入ってサントリーはゲーム運びが上手いと感じた。残りのゲームも今日の気持ちをベースにチャレンジしていき頑張ります」
――今季のクボタは勝てそうで勝てない。理由は?
○山神監督
「ディフェンス中心にチームをつくり、昨年までにはないアタック(特に個人の)を向上させようとしたが時間がなかった。またケフやマクイナリも研究されていた。相手に取られないようにはなったが、取る所を引き出せなかった、時間的なことも含めて私のミス」
――サントリーのゲーム運びの上手さとは。
○鈴木キャプテン
「ゲームの中での集中するところ、ここで取るという所でのコミュニケーションでうちより上回っている」
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清宮監督(右)、大久保キャプテン |
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◎サントリーサンゴリアス
○清宮克幸監督
「タイトなゲームでした、クボタさんも先週サニックスさんに負けていて、チームが一つの課題にフォーカスでき良い状態だったと思う。クボタのプレッシャーを受けて前へ出られなかったのが4トライに終わった原因。5ポイント取れたことを良しとして来週のゲームにのぞむ。残りのゲームを苦労して勝つ事でマイクロソフトカップに向けていいチームになると思う」
○大久保直弥キャプテン
「監督が言われたようにクボタさんのひたむきなタックルで前へ出られず苦しい中にもなんとかトライを取れたことで次につながるゲームができたと思う」
――前半5-7で折り返したハーフタイムの指示は。
○清宮監督
「1対1で負けているのでもっと前へ出る。あと風上になるので攻めていく」
――4トライを取ったあともゴール前まで攻め込みながら取れなかったのは?
○清宮監督
「ゴールに近づけば近づくほど、相手のディフェンスの意識も高まる。そこでどんな形でも取っていければ一番いいんでしょうが…」
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