東芝ブレイブルーパスが地力を見せた一戦だった。
天候は晴れ、風も弱く絶好のコンディションの下、東芝のキックオフで試合は開始された。10分経過頃まで両チームキック主体の手堅い試合運びで無得点。25分東芝はラインアウトからモールを押し込みオトがトライ、7点を先取する。30分東芝は、ゴール前ラックから右へ回しスイッチした冨岡が広瀬よりパスを受けトライ。12-0とリードする。エンジンのかかった東芝は中居がトライを重ねる。クボタスピアーズも懸命に攻撃するが、ブレイクダウンで東芝が優勢のためトライまで至らない。38分クボタは伊藤がPG、東芝19-3クボタそのまま前半終了。東芝は着実に得点をあげているが、FWに昨年までの迫力が感じられない。
後半4分東芝は、相手ボールのラインアウトを中居が奪い豊田にパスしトライ。クボタは、13分、18分にFW・BK一体の攻撃でトライを重ねる。東芝26-17クボタ。18分東芝はオトがトライ。東芝33-17クボタ。34分東芝はオトが不行跡でシンビン。これは余計な行為で、これからのシーズンを考えると、チームにとって大きなマイナスだ。結局このまま試合終了。試合全般にわたってクボタの攻撃が東芝の防御を破れなかった印象。しかし両者の力の差は、近付いてきた感じがする試合だった。(新井章久)
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山神監督(右)、鈴木キャプテン
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東芝ブレイブルーパス 33-17 クボタスピアーズ(1月6日)
◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督 「5連敗の後、3連勝、新年で東芝さんということで、練習、試合の入りも悪くなかったと思います。接点、ブレイクダウンでの東芝さんの、なかなか下に倒させてくれない強さに、前半、後手に回りました。タイトにやって、何とか後半、チャンスをものにしようと送り出しましたが、ミスからトライされたのは痛かったです。しかし、チャンスメイクしてトライを獲れましたし、自信をもって良いと思います。ベストメンバーの東芝さんにしっかり戦えたことを糧にして、ミスもありましたが、全員のメンバーがそれぞれ力を出してくれていますから、残り4ゲームしっかり戦って中位を抜け出したいと思います」
○鈴木力キャプテン 「強い東芝さんということで、持てる力を際限なく出せるというチャレンジの気持ちを持って臨みました。時間帯によってはクボタペースのところもありましたし、良い形のトライも獲れ、ゲームの中での修正もできましたので、自分たちの糧にしていきたいと思います。今までの東芝との試合では、後半にかなり失点していましたが、東芝さんは近場だけでなく遠くへボールを運んでいたと思います。ディフェンスの対応が難しくなったという印象です」
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瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン
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◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川智広監督 「本日はありがとうございます。今日から5試合続けて戦って、優勝を達成するためには、1戦1戦、目の前の対手を倒すしかないと臨みました。5ポイント取れて満足しています。クボタさんは二人の外国人と赤塚選手のFWで来ると予想していた通りで、東芝もここ何試合かFWの力が発揮できていましたので前節の神戸戦と同様、ボールを動かし続けていこうとしました」
――立川選手は復帰してすぐフル出場。
「彼はゲームから遠ざかっていてまだまだ本調子ではないので、1分でも長く出ることで試合勘が戻ると思っていました。彼からダメと言ってこない限り出そうと思っていました」
――吉田朋生選手は?
「伊藤も球捌きは素晴らしいテンポがありますが、朋生には地道なディフェンスもあります。後半、予定通りの交代でした」
○廣瀬俊朗キャプテン 「最初はFWのモールで行こうという作戦でしたが、BKに回してしっかりトライを獲れたのでチームの成長に満足しています。『今度はモールで行こう』と、試合中の修正もする力が選手についてきたと思います」
――立川選手は?
「パフォーマンスはまだまだだったと思いますが、彼が後ろにいるとチームとしての安心感があって、落ち着いてディフェンスできます。しっかりゴールラインを割らせない良さが出ていたと思います」
――BKの展開力とキャプテン自身は?
「怪我人が戻って厚みも出てきましたし、僕も内へのパスなど、オプションが広がって来ました。僕自身は、前半にキックのミスがあったのですが、ようやく、ランが戻ってきたので今日は思い切り走れました」
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