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11節 マッチ&会見リポート(神戸製鋼 26-17 リコー)

神戸製鋼の先蹴で始まったゲームは、神戸製鋼の連続ラッシュで、一気に動く。2分、リコーゴール前5mラックより左展開、SOホラが強引に突っ込みゴールポスト下へT(G成功7-0)。前節のゲームに比べ、接点でのFWの集散が速い神戸製鋼だが、その後はケアレスミスでチャンスを潰す。その中、6ゲームぶりにスターティングメンバーに名を連ねる神戸製鋼SOホラが、積極的にコンダクトを揮う。HO村上、NO8伊藤はFWをリードし、抜群のボディーコントロールを伴い、しばしばゲインラインを突破するが、肝心のところでチャンスを潰す。手数は多いが、相手にダメージを喰らわせる前に反則を取られる神戸製鋼といったところか。
リコーも負けずに積極的なオープン攻撃を展開するが、WTB大橋の見切りがズバリ当たり、ゴール前で止められる。一進一退の状況を打ち破ったのは神戸製鋼。34分リコー陣内左中間22m付近ラックからキックされたボールをWTB大橋がチャージダウン、こぼれ球をそのまま押さえT(G成功14-0)。その後も肝心な場面でケアレスミスを繰り返す神戸製鋼だが、それをチャンスに変えられないリコー。前半終了間際の39分、左中間ゴール前ラックより右展開、ホラの突破からCTB高倉につなぎT(G成功21-0)。神戸製鋼が理想的な形で前半を終える。

後半、交替出場したWTBロコツイの突破が、流れをリコーに傾ける。46分、Pから得たラインアウトを押し込み、FL6相がT(G不成功21-5)。FW3名を入替、モールを優位に進めるリコーに対し、SOホラの動きが効果的な神戸製鋼。膠着状態が続く中、57分カウンターアタックからグラウンドをワイドに使う神戸製鋼のパスをリコーCTB13金澤がインターセプト、走りきって右隅にT(G不成功21-10)。前半のタックルオフサイドを修正したリコーが、DFの押し上げを起点にゲームの流れを引き寄せる。アタックを繰り返すも、ゴールラインを割れない神戸製鋼だったが、65分リコーゴール前ラックから出たSOキックを神戸製鋼FL7ブラッキーがチャージダウン、こぼれ球をそのまま押さえラッキーなT(G不成功26-10)。ようやくボーナスポイントを獲得し一息ついた神戸製鋼に対し、勝ち点獲得を狙うリコーは猛攻を繰り返す。交替出場のNO8カウヘンガの突破から前進するリコーだが、ここ一番で神戸製鋼SH後藤のタックルにチャンスを潰される。75分、神戸製鋼陣内右5mスクラムより左展開、WTBロコツイがハンドオフでDF3人をかわしT(G成功26-17)。なおも猛追したいリコーだったが、モールプレーで時間を使う神戸製鋼が逃げ切りタイムアップ。マイクロソフトカップ進出に是非とも欲しかった5ポイントを獲得できた神戸製鋼に対し、1ポイントでも獲得できなかったリコー。両チーム2ゲームを残し、微妙なアヤが大きな影響を及ぼす予感を残す結果となった。(廣島 治)
神戸製鋼 26-17 リコー   神戸製鋼 26-17 リコー

神戸製鋼 26-17 リコー   神戸製鋼 26-17 リコー

C:2008, JRFU(Photo by A. HASEGAWA)

リコーブラックラムズ

佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
佐藤監督(右)、伊藤キャプテン

神戸製鋼コベルコスティーラーズ 26-17 リコーブラックラムズ(1月19日)

◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「ファンに勝利する姿を見せたかったが申し訳なかった。前半の失点が痛く、2本チャージでトライをされたのが後々大きかった。後半の攻撃でブレイクするランナーが入って継続することができた点は良かったが。前半のミスを次戦までに修正し残り2試合を望みを託したい」

○伊藤鐘史キャプテン
「沢山の応援の方々に感謝したい。それと今集まっていただいている大勢の記者の方達にも(笑)。神戸製鋼はペナルティーからの仕掛けが早く、そのテンポに合わせてしまい前半は自分たちのゲームプランができなかった。後半は神戸製鋼の足が止まってきたのでこちらのプランどおりに得点できたが、後もう一押し足りなかった。残り2戦をとにかく頑張りたい」

――今日のゲームプランについて。
○佐藤監督
「前半、FWはモールに重きを置いた。その結果、僅差で折り返すことができ、後半はカウヘンガ、ロコツイを投入しスピードある攻撃を重視した。後半は2人のランナーが機能しチームもそれにマッチしていたが、前半あまりにも敵陣で攻める時間が短かった」

――ブレイクダウンでのターンオーバーが多かった点については?
○伊藤キャプテン
「前の試合後から特別なことは行ってない。春から行ってきたことの結果だと思う」

――ハーフタイムにレフリーと話していた内容は?
○伊藤キャプテン
「ブレイクダウンでゲートから入れずオフザゲートが多かった点についての話。また自分たちのチャンスのマイボールラインアウトで相手が空中でプレッシャーをかけていた点について話した。とにかくレフリーとコミュニケーションを取りたかった」

神戸製鋼 26-17 リコー   神戸製鋼 26-17 リコー

神戸製鋼 26-17 リコー   神戸製鋼 26-17 リコー
神戸製鋼コベルコスティーラーズ

平尾総監督(左)、後藤キャプテン
平尾総監督(左)、後藤キャプテン


◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○平尾誠二総監督

「取りあえず当初の目的である勝ち点5が獲れて良かった。リコーは入替戦もかかっているのでモチベーションも高く、楽なゲームではないことは予想していた。こちらのミスで最初にもたつき、ペースを掴めなかったことは修正したい。残り1試合1試合を4トライ以上で勝つことがチームの目標なのでそれに向けて頑張りたい」

○後藤翔太キャプテン
「前半はとにかく自分たちのやりたいことができた。後半はガス欠(前半のアップテンポによる疲れ)だった。でも自分たちのやりたいことが見えたのが収穫。今後はそれを80分間継続できる体力、クリアな頭が必要なので意識していきたい」

――ホラのスタンドオフの先発起用について。
○平尾総監督
「うちのチームはスタンドオフを選ぶのは非常に難しい(笑)。その中でロイスの怪我により外国人2名枠の兼合いもあった。ディフェンスは彼は厚みがあり安心。FWのセットプレーの強みも彼を選んだ要因だ」

――トヨタ戦以降特に何か変わったことはあったか。
○後藤キャプテン
「特にミーティングを増やしたとか特別変わったことはしていない。あの試合は神戸製鋼が全否定されたゲーム。悔しかったが何が足りないかが見えた。自分たちができるのは残り3試合に向かって行こうということで、チームが一丸となれた。気持ちの切り替えができて思い切って試合ができた」

――チャージでのトライの要因は。
○後藤キャプテン
「接点でのプレッシャーを80分間かけ続けられた結果だと思う」

(文責:藤本英一)



2008年1月20日

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