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5節 マッチ&会見リポート(トヨタ 61-20 リコー)

12月1日土曜日、午後2時から、高知市の春野総合運動公園陸上競技場で、高知県内では、初めてとなるトップリーグの試合が行われました。トヨタ自動車ヴェルブリッツ対リコーブラックラムズの一戦です、会場には熱心なファンがつめかけ、トップレベルのラグビーを堪能しました。

「高知で初めてのトップリーグ開催を成功させたい!」ファンとスタッフ、みんなの気持ちが通じたのか、春野陸上競技場は、早朝から快晴、気温18度、弱風、緑の芝生と紅葉、そして青空がひときわ美しく、選手と観客を歓迎する記念すべき熱い一日となった。絶好のコンディションの中で選手たちのスピードと力あふれるプレーにスタンドからは、大きな声援と拍手がこだました。また、開会セレモニーとハーフタイムショーでは、「よさこい大賞」"ほにや"チームによる「よさこい鳴子踊り」が、華やかに舞い試合を盛り上げてくれた。

トヨタ自動車ヴェルブリッツは、開始早々から敵陣ゴール前に攻め込み、1分にラインアウトから6菊谷が先制トライ、7分には15遠藤が個人技を生かしたトライ、12分には再び6菊谷がトライ。これに対してリコーブラックラムズは、単純なパスミスなど自分たちのゲームができず、トヨタの一方的な展開となるかと思われたが、17分には、トヨタゴール前で12ロビンスがカットインしてトライ、その後一進一退のゲームが続きトヨタが36-15とリードして折り返した。

後半に入ってからも、4分12赤沼が6個目のトライをあげると、7分には10正面がDGを決めるなど、トヨタは選手がよく前に出てリズムが崩れることなくFW、BKともに息のあった攻撃でトライを重ねリードを広げた。
リコーは、後半も攻撃のリズムがつかめず、トヨタの分厚いDFもあって、ボールがつながらず得点に結びつけられなかったが、終了間際に連続攻撃から12ロビンスが中央に持ち込んだトライはさすがに見応えがあり観客席も大いに盛り上がった。しかし、時すでに遅く、試合は61-20の大差で終了した。
トヨタの個人のスキルの高さと連続攻撃を行う継続性、DFの確実さは素晴らしく、リコーはチームとしてのまとまりに欠けたが、最後にトライを返したように最後まであきらめないプレーは、観客を魅了させるに十分な好ゲームであった。今回の試合が、高知のラグビーファンの増加につながることを期待させる80分間であった。(西村景男)
トヨタ 61-20 リコー

トヨタ 61-20 リコー

リコーブラックラムズ

佐藤監督(左)、河野キャプテン
佐藤監督(左)、河野キャプテン

トヨタ自動車ヴェルブリッツ 61-20 リコーブラックラムズ(12月1日)

◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「まずは、応援にきていただいた皆様に感謝申し上げます。言葉にならない試合というかあまりにもアタックもディフェンスもできていない状態で、トライを取ったのもブライス・ロビンスの個人技のトライで、チームとしては殆どできなかった。残りの試合に向けてディフェンスをしっかり立て直していきたい」

○河野好光キャプテン
「今日は、チームとしてのエンジンがかかるのが遅かった。キックオフから自分たちのラグビーをしようと言ったが、トヨタの激しいプレッシャーの中に課題となっているモールセキュリティーやディフェンスにリズムが作れず、最後まで自分たちのほうへ流れがこないまま終わってしまった。練習の成果が出せなかったことが残念だった。次の試合の課題となるものが多く出たがそこをしっかりと修正してこれからの試合に臨みたい」

――要所で(得点を)とられているという試合のイメージでしたが、どう思われますか。
○佐藤監督
「前後半の最初の大事なところでとられた。要はタックルも機能せずミスが多かった。モールのトライに関しても3本くらい取られた、モールの真ん中を割られたことなどディフェンスでの問題があった」

――立ち上がりのトライをどう分析されますか。
○河野キャプテン
「最初から自分たちのラグビーをしようと言うことであったが、ミスで自分たちの首を絞めてしまった。ミスをしてとられても下を向かずやってきたが、あまりにも同じようなミスが多かった」

――ファーストプレーのミスは、ご自身で何がまずかったと思いますか。
○河野キャプテン
「キックオフでマイボールがとれてなかったことと、モールセキュリティーが課題になっていた中での開始直後のトライになり、流れが変わっていったと思う」


トヨタ 61-20 リコー

トヨタ自動車ヴェルブリッツ
アフターマッチファンクションで。石井監督(左はし)、麻田キャプテン(右はし)
アフターマッチファンクションで。石井監督(左はし)、麻田キャプテン(右はし)


◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○石井龍司監督

「今日はリコーさんが、予想していた以上に動きが悪かった気がする。トヨタは、今までの4節の戦い方と比べると、チーム内の簡単なミス等が激減しているので非常に安心してみられた。春からやってきた、自分たちのプレーが自分たちの中でできるようになってきたので、意図したゲーム展開になるとうちの選手は強いなあと改めて選手のすばらしさに感激している」

○麻田一平キャプテン
「トップリーグが始まってから4節が過ぎ、なかなか自分たちのいい形が出せずフラストレーションがたまる試合が多かったが、今日は監督の言ったように個人で前に出るトヨタの良さがでた。やっていても楽しかったし、今までになく声も出てコミュケーションもとれて一番いい試合だった。このゲームに満足することなく次回の試合に向けて頑張りたい」

――試合の中、要所で(得点を)取っていったと思いますが、どのあたりで勝利を確信しましたか。
○石井監督
「前半40分間、ゲームの中でいい流れができなかったし、後半に入ってからも私の中では気の抜けない試合だったが、後半27分、広瀬の入替をした頃に勝利を確信した」

――ゲームの中でミスが激減したと言われたがどのようなことですか。
○石井監督
「春から取り組んできたことが出てきたということです。中でも先週の明治大との合同合宿の中で、大学生の姿を見て基本プレーなどに選手達の得るものがあった」
○麻田キャプテン
「アタックのことでは、2日間の合同合宿で、トヨタの求めているイメージがつかめたと思う。それが今日何回もでた。選手がしっかり前に出て早い展開をすることができた」

――先週から怪我人が復帰したことで変わったことは?
○石井監督
「一番はバックスのラインに勢いが出てきたこと、その他では選手間の信頼ができてきたことなどがある。練習でいいプレーをしているからこそ試合でできた」
――選手が復帰したことでゲームプランを変えたのか。
○石井監督
「特にないが、ボールをグラウンド一杯使ってやっていこうということだった」
――試合の満足度は?
○石井監督
「今日の時点では、100%です。まだまだ選手達は強くなっていくと確信しています」
――最後のトライは気のゆるみからか。
○石井監督
「最後以外のトライは防げると思う。つなぎ目のディフェンスが機能していなかった。最後のトライは気のゆるみというかそういうところから切り返された」
――タックルミスはある程度改善されたか?
○石井監督
「ある程度改善されたが、肩がぶつかるようなところで逃げられるところは反省するところ」
――高知県での開催は今回初めてで、こういう機会がなかったわけですが、今度高知県でやる機会があれば、こういうところに気をつけたらと言うことがありましたら聞かせてください。
○石井監督
「環境がすばらしいので、ぜひまたやりたいと思います。うちのチームはまだ簡単なミスなどがあり、トップチームとして高校生とかに真似して欲しいと思っているので、ミスのないゲームを披露したい」

トヨタ 61-20 リコー

JR高知駅構内に掲示されたポスター
JR高知駅構内に掲示されたポスター1

JR高知駅構内に掲示されたポスター
JR高知駅構内に掲示されたポスター2



2007年12月4日

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