東京・秩父宮ラグビー場でのジャパンラグビー トップリーグ第6節 第一試合は、5連敗(第13位)で苦しいリーグを戦っているクボタスピアーズと、1勝4敗(第12位)と開幕(IBM)戦での勝利以降、勝ち星のから遠ざかり波に乗れないリコーブラックラムズの、どうしても勝ち星がほしい両チームの試合です。(同カードはトップリーグ開幕(2003〜)以来、クボタが4勝0敗と連勝中)
試合はリコーのキックオフで始まった。開始早々、積極的に速い展開で攻めるクボタは前半6分、リコー陣ゴール前5m付近でラインアウトよりモールを押し込みNo8ケフ選手が先制トライ(ゴール失敗)。その後も左右にボールを連続攻撃展開するクボタはリコー陣ゴール前5m付近での相手ペナルティよりSO伊藤選手がペナルティゴール成功。対するリコーは前半16分にラインアウトより展開し、CTBロビンス選手が蹴り込んだボールをクボタ側選手が拾い敵陣へ蹴り込もうとしたところをFB小吹選手がチャージし、ボールを追ってトライ(ゴール成功)し1点差に追い詰める。その後両チームトライを重ねて15-14で前半を折り返した。
後半4分にクボタは敵陣ゴール前5m付近ラインアウトからのモールを押し込みPR手塚選手が先制トライ(ゴール失敗)、後半11分にもトライ(ゴール成功)を重ねた。後半14分にはリコー陣22m付近まで攻め込みラックより出たボールをLOマーティン選手がドロップゴールを決めてリコーを引き離した。リコーはクボタ陣に攻め込むもチャンスを生かせず、またラインアウトも安定せず課題の残る試合となった。クボタは今日の試合に千葉県にホームグラウンドを置く小中高校生を招待(先着100名)しており、熱い声援の中で貴重な勝点5を勝ち取った。 (佐藤克則)
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佐藤監督(右)、河野バイスキャプテン
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クボタスピアーズ 30-14 リコーブラックラムズ(12月8日)
◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督
「今日の試合は、ゲーム前からクボタさんの強みのモールを何とか崩していこうというプランでしたが、そこでやられてしまいました。マイボールラインアウトの獲得率も非常に悪かったのが大きいです。前半もボールを持ってチャンスが作れたのですが、フィニッシュまで行けませんでした。後半は敵陣で戦えず、結局このようなゲームになってしまいました。非常に残念です」
――伊藤キャプテンは?
「内側靭帯を少しやっていて、受傷後3〜4週間という診断ですので、うまくいけば来週、再来週復帰でしょうか」
――フェレラ選手は?
「今、首を痛めています」
○河野好光バイスキャプテン
「前半の立ち上がりにモールで獲られて、いつもは切れるところが、今日はFWが盛り上げてくれて、前半は自分たちのリズムでできました。後半は皆が攻撃を焦ってあたふたしてしまいました。ラインアウトからの攻撃がまったくできず、少ないチャンスもボールセキュリティでミスが出て、フィフティ・フィフティのパスで自分たちの首を絞める結果となってしまいました」
――攻め急ぎ?
「ボールセキュリティが課題です。ラックでキープできず、簡単にパスして取られたのが非常に残念です」
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山神監督(右)、鈴木キャプテン
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◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「春からデイフェンシブなチームを作ろうとしてきました。ここまで、5戦全敗だが、ディフェンスは機能していました。今日も2トライに抑えましたし、コンスタントに力が出せています。今日はアタックミスが多く、チャージされるなど甘さも出ましたが、勝ったことを素直に喜びたいと思います。ディフェンスはさらに強化して、もっと強い相手でもアタックして自分たちのリズムで戦っていきます。今日はマーク(マーティン・ヴィール選手)のドロップゴールで2トライ2ゴール差以上にして、リコーさんをアタックしかない状況に追い込んだのが大きかったと思います。これまで、うちが苦しんでいた状況を今日は相手にさせることができました」
――大津留選手については。
「2年ぶりに復帰しましたが、関東学院でもレギュラーぎりぎりで頑張って来たので、ここぞという嗅覚に優れています。2年前の終盤に靭帯を損傷して去年は棒に振って、今年は春から復帰していたのですが、オーストラリア合宿で肩を痛めて、やっと出られました。タックルも良かったので、後半戦に向けて戦力が整ってきたと嬉しい気持ちです」
――茂木選手は。
「早稲田でレギュラーになれなかったのですが、非常にランニングフィットネスの高い選手で、今日は彼の良い点が出ましたね」
○鈴木力キャプテン 「まず、今日の初勝利ですが、たくさんの応援の皆様のためにどうしても勝ちたかったので勝ててほっとしています。5連敗中も皆が支えてくれたので、今日の勝利を皆で喜びたいと思います。積極的にアタックに行けて4トライ獲れたのは良かったのですが、シンビンを二人出したのは良くありませんでした。いくら相手がプレーの中で何かをしたとしても、自分を見失わないようにしないと。しっかり反省したいと思います」
――自信を失わなかったのは?
「やっぱり、春からチーム全員で上位進出を目標にいろいろな山を皆で乗り越えてきたから、チームがばらばらにならず、各個人がやってくれたのだと思います」
――今日の試合の良かった点は。
「セットプレーでプレッシャーをかけられたのが良かったですが、もっとミスを少なくしていきたい。二つ続けて良いプレーをすれば流れがこちらに来ると、皆で言い合って戦っていました」
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