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2節 マッチ&会見リポート(東芝 40-24 リコー)

前節でサントリーにノートライに抑えられて惜敗した東芝ブレイブルーパスに対し、雨中の接戦の中、勝利を得たリコーブラックラムズ。キッズと共に入場するなごやかな雰囲気の中においても、両チームの熱い気持ちが感じられるキックオフ前であった。
先手を取ったのは東芝。フィジー代表5キャップを持つLOラトゥブラ・ラトゥバの高さを利用して、ラインアウトを制圧。敵ボールラインアウトでも充分な圧力を加える。前半9分にはラックからそのラトゥバがボールを持ち出し、ねじ込むようにトライ。先制点を挙げる。(G失敗5-0)19分には東芝SO廣瀬がするするとタックラーをかわしてNo.8豊田へつなぎ、最後はSH伊藤がトライ。(12-3)

順調に点差を広げていくかに見えたが、リコーの防御が相当固い。接点でのプレーにはNO.8ピーティー・フェレラがしつこくからみ、BKラインはダブルタックル、と気迫のこもった防御を見せる。21分には美しいBKラインで大きく右に振った後、逆目へ再度大きく展開してトライを挙げる。(G成功12-10)
両軍ともに譲らないディフェンスでゲームは一進一退を続けるが、前半26分に2分以上にもわたる長いプレーの継続の後、PR笠井が左隅に飛び込みトライ。その後、ラトゥバをシンビンで欠いている前半終了間際にもペナルティからモール形成を選択、最後にはモールに参加したCTBオトが抑え、26-10で前半を4トライで折り返す。後半開始早々にもトライをあげ、東芝が実力を見せる。

ところがリコーの心は全く折れなかった。7分に七人制代表FB小吹が快足を飛ばし左隅に技ありのトライ。27分にも同じく七人制代表CTB金澤が浮いたパスをインターセプトから60m近い距離を走りきってトライ。(40-24)その後ノーサイドまでスコアが変わることなく、両軍の一進一退の攻防が続いた。
FWのサイド防御の固さ、ロビンス、金澤の両CTBの活躍、後半から投入されたロコツイの強さを見せたリコーが点差以上に試合を緊迫させ、緊張感のあるゲームとなった。東芝は攻めては随所にハンドリングミスなどあり攻めきれず。キーパーソンであるマクラウドや渡邉などの仕事師を欠くとは言え、反省点の残る一戦となった。
東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ   東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ   東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ
リコーブラックラムズ

佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
佐藤監督(右)、伊藤キャプテン

東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ(11月4日)

◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「試合自体は非常に残念な結果でした。うちの戦い方が前半できなかったことに尽きます。敵陣に行けず、小さなミスでほとんど自陣で試合することになりました。後半、外国人を二枚バックスに置いて2トライ取れましたが、最低でもあと1トライほしかったです。東芝さんもベストメンバーではないと思いますが、徐々に差は縮まっていると感じました」

――東芝の強い点は?
「近場で差し込まれて、ボールキープはできても、スローボールにされてしまうのが東芝さんの強さです。リズムとボディコントロールのうまさを学んでチームを作っていきたいと思います」
――縮まった点は?
「うちがしっかりしたオフェンスをしたとき(トライを)獲れたのが大きいです」

○伊藤鐘史主将
「前半、ブレイクダウンでの力の差が点数に表れたと思います。バックスで勝負しようと外で接点を作ろうとしましたが、接点でプレッシャーを受けてしまいました。後半はランニングゲームになって、取り合いに持って行けたと思います。とにかくモールを作らせない、スローラックから足元にタックルして崩してしまおうというプランでしたが、それでも東芝さんのうまさ、強さでモールを作られたのは反省点です」

――去年より差は縮まったように見えるが。
「僕たちは日本一を目指しています。80分、点差は離れていても後半が大切とこの3年間の経験で分かっていますから、切れることはなかったのが良かったと思います。ディフェンスでもある程度までは行っていますが、ブレイクダウンで取りきれるところまで行っていません」



東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ   東芝ブレイブルーパス 40-24 リコーブラックラムズ  
東芝ブレイブルーパス

瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン
瀬川監督(右)、廣瀬キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○瀬川監督

「先週、負けたところからスタートして、今日の勝利まで本当に長く感じました」

――どんな練習を?
「サントリー戦では、自分たちがボールを動かすという攻撃がまったくできず、今週はすべてオフェンスの練習だけしてきました。攻める意識で試合に臨んだのが良かったと思いますが、3トライ獲られたのは反省点です。クイックで自陣からも攻める意識が選手が持ってスペースを生かそうとしてくれたのは頼もしい点です。前半の始めは、攻める方向がチグハグで、後半も崩しておきながらフィニッシュまで行けず、トライまでの過程を整備したいと思います」

――けが人の状態は。
「ファイナルならマクラウドも渡邉も行ける状態です。100%でないので、チームとしても序盤ですから、元気な選手を使うほうが良い効果が期待できると考えました。かかっても3週間という怪我です。大きな怪我でなく、二人がいなくても勝てたのは大きいと思います」

○廣瀬キャプテン
「新しい監督の瀬川さんに初勝利をプレゼントできて嬉しかったです。今まで苦労したので本当に良かった」

――ブレイクダウンで圧倒できなかったのは。
「力の差はあると思いますが、寝込んでしまうプレーがレフリーと確認できませんでした。もう少しサポートも速くならないと、と思います」
――キーパーソンが欠けて?
「マクラウド選手がキープレーヤーですが、今日はオト選手が強さを生かして攻めて行ければと、かえってすっきりしたかもしれません」



2007年11月5日

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