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1節 マッチ&会見リポート(リコー 9-3 日本IBM)

昨シーズンの11位(リコー)と12位(IBM)の対戦は、ノートライながらも優位に試合を進めたリコーブラックラムズが、粘る日本IBMビッグブルーを1PGに抑えて初戦を飾った。

台風の接近でキックオフ前とハーフタイムにそれぞれ予定されていた日体大チアVoltexやキッズチアPopinsによるパフォーマンスは中止されたが、子供達によるリーディングフラッグで両チームが入場。前半は北スタンド(国立競技場側)からの強い雨風を背にしたリコーが、SO河野のキックを軸にIBM陣で戦う時間が長く、22分、32分そして35分には一気にIBMゴール寸前まで迫ったが、最後はハンドリングエラーや反則によってトライまでは至らなかった。

前半を終えて6-0というスコアは、風上であったチームにとっては不十分なリードであったが、リコーは後半も地域、ボール支配ともに優位を保った。10分IBMのSO坂本がシンビンとなったPKのチャンスに、河野がこの日3本目となるPGを決め9-3。その後もリコーはFWがブレイクダウンで激しくファイト、サイドのディフェンスも確実で、IBMの反撃をFB高主将の1PGに抑えて逃げ切った。

リコーは、ベテランLO遠藤、強いタックルを繰り返したFL伊藤主将、昨シーズンまでのロバートソンを彷彿とさせる南ア出身のNO8フェレラらFW陣の働きが素晴らしかった。またBKも、昨シーズンはCTB出場が多かった河野が風下からでも距離の出るキックや時折見せる鋭いランでチームを牽引した。
IBMはリコーにゴールを割らせないディフェンスと最後尾からの高のキックでよく対抗したが、決定力に欠け、後半早々のPG機を逸したのも響いた。今シーズンこそ入替戦出場を回避したい両チーム、先に白星を挙げたリコーに対し、IBMも7点差以内の敗戦によるボーナスポイント1を獲得した。(米田)
リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー   リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー   リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー
日本IBMビッグブルー

安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン
安藤ヘッドコーチ(右)、高キャプテン

リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー(10月27日)

◎日本IBMビッグブルー
○安藤裕樹ヘッドコーチ

「悪天候の中、グラウンドまで足を運んでくださったお客様、関係者の皆様、ありがとうございました。選手はベストを尽くしてくれましたが、総合的に見てリコーさんが一枚上手でした。前半は、リコーさんのペースでテリトリー獲得も後手に回ってしまいましたが、前半の最後に象徴されるようにディフェンスでよい形をつくれました。後半、風上になって相手のミスを誘って最後はひっくり返そうと思いましたが、リコーさんのトップリーグの経験豊富なところに紙一重でやられたと思います。選手には良くやったと言ってあげたいと思います」

○高忠伸キャプテン
「・・・難しいゲームでした。今日の天候では第一印象はどっちにころがるか分からないゲームだと感じました。ペナルティからの攻め方をもっと明確にすべきでした。リコーさんはさすがに意思を統一して、雨の中の戦い方をうまくされていたと思います。こちらも学んで、これからやり直していきたいと思います」
――選手の意識は?
「まず、風上を取られたので、こちらは地域を取るという意識でした。また、22m以内の意識ですね。マイボールを続けてキープして、獲れるところ、獲ろうという考えでしたが、リコーさんにうまくやられたという感じです」


リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー   リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー   リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー   リコーブラックラムズ 9-3 日本IBMビッグブルー
リコーブラックラムズ

佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
佐藤監督(右)、伊藤キャプテン


◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「非常にタフなゲームでした。7割、8割ゲームを支配していて得点が取れないので、通常は選手が不安になるところでしたが、後半、風下でディフェンスをしっかりやってくれて、時間もしっかり使ってくれて選手がうまくやってくれたと思います。まあ、よけいなペナルティが1本ありましたが。開幕戦は、この天候もありますが、勝つことが大事です。どこの試合も勝敗がついて、去年の順位は関係ないということが分かってきたと思います」
――ハーフタイムの指示は。
「風下でしたが、それほどきつい風でなくなったので、キックで敵陣へ行こう、ラインアウトのモールから崩していこうと話しましたが、選手は問題なくやってくれました」
――前半は風上を取ったのですか?
「コイントスに勝った結果です」
――時間の使い方は選手は意思統一していたのか。
「徹底していた、と言い切りたいところです。が、他にやるべきことが多くあって、恥ずかしながら1週間前にとりあえずやっておいたというレベルでした(笑)」

○伊藤鐘史主将
「悪天候の中、ラグビーをするのが難しかったのですが、自陣で無駄なペナルティをせず、余裕を持ちながら戦えたことが良かったと思います。後半は幸い、風も前半ほどきつくなく、ボールコントロールもできるようになって運もあったかと思います」
――トライチャンスで獲れなかったわけは?
「この天候ですから、バックスにボールを供給するのが難しく、戦術もフォワードで行こうとなったのですが、ラインアウトも取りきれず、相手の良いサックでモールが形成できず、ラック、ラックでうまくボールを出せなかったのが原因だと思います」



2007年10月28日

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