三洋電機ワイルドナイツとクボタスピアーズは、台風20号接近による大雨の降る太田市運動公園陸上競技場で開幕戦を戦った。激しい雨によりボールが手につかない場面もあったが、お互い気持ちを切らさずに最後まで我慢しあう締まったゲームとなった。
両チームとも雨によって攻撃オプションを狭められたが、ここぞの場面でトニー・ブラウンと山本貢という役者が着実にトライをもぎ取ってじりじりと三洋がゲームを優位に運んでいった。クボタも何度か相手ゴール前まで攻め込んだが、トライを取り切るところまではいかなかった。 前・後半にわたって常に相手ボールにプレッシャーを与え続けた出足の早い三洋のディフェンスに、今シーズンにかける意気込みを感じた。また、新加入のダニエル・ヒーナンが随所にわたって好プレーを見せた。特にノーサイド直前のインターセプトからのトライは圧巻で、今後の大暴れを期待させるものだった。
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山神監督(右)、荻原ゲームキャプテン
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三洋電機ワイルドナイツ 19-6 クボタスピアーズ(10月27日)
◎クボタスピアーズ
○山神孝志監督
「雨の中での試合とあって、ミスを少なくすることが勝利につながると意識して臨みました。相手陣に攻め込むことも多く、決して悲観はしていない。
後半最後の攻撃で、相手ゴール前でペナルティを得た時の選択判断のあやが出た。試合前の選手とのシミュレーションでは"ショット"だったが、選手が下した判断(スクラムを選択)は正しかったと思う」
○荻原ゲームキャプテン
「今日は悔しかった。監督が言った通り細かなミスや反則が勝敗を決めました。このチームはまだまだ詰めていく必要があると感じた。スクラムを選択した理由はリズムがクボタにあったことと三洋が疲れていると感じたこと。ウチの強みであるスクラムからのケフの攻撃を活かしたいと考えた。ブレイクダウンでの精度を高めていくなど、課題をクリアして今後の試合に臨みたい」
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宮本監督(右)、榎本キャプテン
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◎三洋電機ワイルドナイツ
○宮本勝文監督 「今日のような雨というコンディション、また開幕戦というプレッシャーによってかミスも多かったが、今日は勝ったということで100点と言いたい。ウチの持ち味である、ワイドにボールを振る展開はこのコンディションでできなかったが、今年のもう一つのテーマの、FWを前に出すことはできた。声を出しながら完璧に押し上げていったディフェンスは評価したい。監督になってから1勝3敗と分が悪いクボタには苦手意識があったが、今日はそういったものは感じずに戦えた」
○榎本キャプテン
「雨の影響でミスも多く自分達の目指すラグビーはできなかったが、最後まで我慢ができたことが良かった点。次の試合は雨は降らないで欲しい(笑)。ウチの持ち味はスピードあるBKの展開と強力FWの前進。ぜひ晴れた日にお客さんが見て楽しんでもらえる試合をしたいです」
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クボタ懸命な球出し |
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攻守にわたり存在感をしめすブラウン |
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相手にプレッシャーをかけ続けた三洋 |
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ヒーナンのトライに駆け寄る北川・相馬・霜村 |
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