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入替戦 会見リポート(リコー 43-24ホンダ)

快晴微風の秩父宮、4年連続の入替戦となったトップリーグ11位のリコーブラックラムズが迎え撃つ相手は昨年と同じホンダヒート。ホンダはトップチャレンジ2を圧倒的な強さで勝ち抜き、昨年のリベンジを期した再挑戦となった。
「ブラックラムズ!パパンパパンパン!」「ヒートホンダ!パパンパパンパン!」両チームサポーターの熱のこもった声援を受け、リコーKOで試合開始。

前半4分にリコーが武川のPGで先制した後、10分にリコーWTB齊藤が負傷退場。急遽SHのリザーブである月田をWTBに入れるという変則シフトを強いられ、リコーのゲームプランに微妙な狂いが生じた。
11分にはラインアウトからホンダが展開しWTB上田が左隅に飛び込んだ。続けて12分にはホンダ陣22m付近リコーボールのスクラムから一瞬のターンオーバーでホンダFWが抜け出し、WTB木村に繋いで右隅に飛び込み、連続トライ。いずれも難しい位置からのゴールをFB嶋が決め、一気に3-14とホンダがリードを奪った。
しかしながらリコーに焦りの色はなく、20分にゴール前スクラムからCTB河野がクロスで入りそのままトライ、続けて25分にも同じくCTB河野がスクラムからのカットインで連続トライ。いずれも武川のゴール決まって17-14と逆転に成功。
さらに31分にホンダNo.8ピサが反則の繰り返しによりシンビンとなると、リコーは34分と41分にWTB池上が連続トライを挙げ、29-14とリードを拡げて前半を終了した。

後半に入ると一進一退の攻防が続いたが、11分にリコーがカウンターから左に振ってCTB田中が抜け出しトライ。16分にはホンダFB嶋がPGを返し36-17となった。
18分にリコーWTB池上が危険なタックルでシンビンとなったが、22分にはリコーがゴール前のモールを押し込んで突き放しのトライを奪う。
粘るホンダは25分、ゴール前の混戦からFL川添が抜け出しトライ、43-24と差を詰めたものの反撃もここまで。両チームリザーブ全員を繰り出した総力戦をリコーが制した。
ホンダは決定力のあるTB陣を擁しながら細かいミスでやや自滅した観がある。来季はトップウエストでワールド、近鉄などの強豪と覇を競うことになるが、切磋琢磨の中で一層のチーム力の充実を図り捲土重来に臨んでもらいたい。
古豪リコーがトップリーグの"壁"として、ホンダの前に立ちはだかった一戦であった。(陶久)
リコー 43-24ホンダ   リコー 43-24ホンダ


西山ヘッドコーチ(右)、大橋ゲームキャプテン
西山ヘッドコーチ(右)、大橋ゲームキャプテン

リコーブラックラムズ 43-24 ホンダヒート(2月12日)

◎ホンダヒート
○西山和幸ヘッドコーチ

「ちょっとゆっくり振り返ることができない状態ですが、ゲームに関しては選手は本当に良くやったと思います。トップリーグの力は付いていると思います。本当にもう少し足りない部分だけです。前半は立ち上がりから集中して、相手のミスにつけ込んで良い立ち上がりでした。その後簡単なミスで連続してトライを獲られたことがゲームの流れを作ってしまいました。後半は敵陣で進めるプランでしたが、ラインアウトのミスが重なってリズムに乗り切れなかったのがこの結果につながったと思います。確かに、力で負けたのですが、上で戦える力はあると思っています。来年はブッちぎりで上がれるようにしたいと思います。豊田織機、ドコモさんも力が付いてきています。良い意味でとらえると、それだけ関西でタイトなゲームが増えるということですので、上を見据えてレベルアップできると思います。確実に勝てる力のあるチームを作っていきたいと思います。組織的なことより、1対1の局面での力ですね。今日で言うと、少しずつ差し込まれていき、その時間が長いと4番目、5番目のカバーが遅れてしまうということです」

○大橋幸平ゲームキャプテン
「しっかり準備してきましたが19点差を返せませんでした。来年は19点差を詰めていきたいと思います。自分たちのミス、反則を修正できなかったのが良くありませんでした。去年より手ごたえを感じましたが、リコーさんもレベルアップしたということなんでしょうかね。
(来年はワールド、近鉄と戦うが)全勝優勝しなくてはトップリーグもないと思いますので、頑張ります」

リコー 43-24ホンダ   リコー 43-24ホンダ
リコーブラックラムズ

佐藤監督(右)、伊藤キャプテン
佐藤監督(右)、伊藤主将


◎リコーブラックラムズ
○佐藤寿晃監督

「トップリーグの時よりも多い報道の皆さんに驚いています。最初の獲られ方が、外国人のブレイクと単純なミスでしたので、フェイズを崩されたわけではなかったので、昨日のヤマハさんと一緒で、先制されても慌てずに、一つずつやれることをやっていこうと指示して選手たちも応えてくれました。ホンダさんの若干弱いところを突いてトライが獲れたので、スタッフの分析も良かったと思います。40点を超えてもそんな形で攻めていれば60点取れるゲームでしたが、そこが課題だと思います。FWで前半相手のスタミナを奪って、後半BKに外国人を入れて突き放すプランでしたので、斉藤の代わりに月田を入れました。過去3年入れ替え戦に出ているわけですが、不振のところは、技術以上にペナルティへの意識などが原因です。ラスト2試合は精神的成長ができて、自分たちの戦いができました。来年がスタートだと思います」

○伊藤鐘史主将
「こんなに集まっていただいてありがとうございます(笑)。最終戦から1ヶ月経ってゲーム勘、モチベーションにそれが表れてしまった前半でした。ホンダさんは良いチームですが、リコーも厳しい試合を13試合経験してきて、その差が出たかなと思います。とにかく、自分たちのミスからトライを獲られたので、焦らずにFWで前に出ようというプランでした。
(何が足りないのか)4年連続で入れ替え戦は申し訳ないです。接点の強さの差もありますが、例えば後半の立ち上がりなど、ゲームを通じて集中が維持できない、また、予期せぬことが起こったときに対応ができないのが若さの表れかなと思います。自分が入ってトップリーグが始まったのですが、すごく思うのは、毎年レベルが上がっているなということです。この相手だからこうなるとは決まっていない、その週、その週、分析して、ちょっとの差が上回れないという試合が続くんです」



2007年2月12日

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