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マイクロソフトカップセミファイナル マッチ&会見リポート(東芝 38-33 トヨタ自動車)

後半ロスタイム、逆転トライ&ゴールを狙ったトヨタ自動車ヴェルブリッツは、自陣でボールを回すもパスミス。ターンオーバーした東芝ブレイブルーパスがタッチに蹴り出しフルタイム。最後は得点を詰められた東芝だが、前半9分以降は一度もリードを許すことなく逃げ切った。

バックスタンドで緑の小旗を振る一団はトヨタの地元愛知のサポーター。その声援に応え、トヨタが軽快なテンポで連続攻撃。3分に敵陣で得たPKのチャンスを、ケガで出場が危ぶまれたSO廣瀬が確実に決め先制した。しかしこの後は、“東芝の”廣瀬が目立つ展開。5分、トヨタのキックを東芝CTBマクラウド、SO廣瀬でカウンター、ラックからショートサイドを攻めWTB吉田大がディフェンスの裏へキック、これをFB立川が冷静に押さえて逆転。9分には自ボールラインアウトでのミスも落着いてリカバー、SH吉田朋がセーフティーゾーンを走った後、マクラウド、立川が素早く吉田大へ繋ぎトライ。21分にもラインアウト後の展開で、廣瀬が転がしたボールへCTB冨岡主将が飛び込むなど、チームとして取り方をよく心得ている東芝が前半を21-10とリードした。

東芝は後半も、交替HO松尾が1分にモールから飛び込み、21分にはインサイドブレイクした廣瀬のオフロードパスからマクラウドが走り切った。後半のトライはこの2つだけだったが、縦を突かれてもワイドに動かされても東芝ディフェンスが大きく崩れることはなく、3分と終盤には3トライ奪われたものの終始危なげなかった。

トヨタは廣瀬が前半19分のゴールキックまでプレーしたがやはりダメ。アイイとの交替のため、LOケートも北川と替わるなど、想定していたケースながらも予定より早いタイミング。セットからシザースなどで縦を突いた後ボールを出すが、2次以降の攻撃が不発。終盤、NO8ホルアの巧みなキックを追ったWTB久住や、敵BKパスをインターセプトしたアイイのトライなどで二度に渡って7点差に迫るものの、その後必ず東芝に得点を許し波に乗れない。ロスタイムにもWTB遠藤の爆発的な走りから5点差まで迫ったが、時すでに遅しであった。(米田太郎)
東芝 38-33 トヨタ自動車   東芝 38-33 トヨタ自動車   東芝 38-33 トヨタ自動車   東芝 38-33 トヨタ自動車
朽木監督(右)、麻田主将
朽木監督(右)、麻田主将

東芝ブレイブルーパス 38-33 トヨタ自動車ヴェルブリッツ(1月28日)

◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○朽木英次監督

「トヨタとして、トップリーグ4強のチームらしく、チャレンジスピリットを強調し、しっかり準備をして臨んだ試合でした。東芝さんに対して多少の奇策も用意したが、やはり、小細工は通用せず、ベースのところで追いつけなかった試合でした。
ただ、東芝さんの得意なモールは互角で、ある意味自信になったところがありました。試合のアヤとしては、ちょっとしたゴール前の反則や、ピンチのときの一つのタックルミスが試合を決めました。トヨタとしては、良いチャレンジになりました。
日本選手権に向け、もう一回しっかりしたチームを作ってきたいと思います。プランとしては、前回、外へ振ったときに東芝さんが外への対応ができるチームだと気づきましたので、若干、縦へ攻めて、東芝がやや下がる展開に持ち込みたかったのですが、なかなかその展開ができませんでした。
(廣瀬選手の交代について)4日前の練習で左足の肉離れを起こし、昨日のチームランまで何もできない状況でした。その上、今日は、立川選手のトライのときに全力疾走して、また痛めたようで、本人は自分では『痛い』とは決して言わない選手ですので、10分ほど様子を見てドクターストップをかけました」

○麻田一平主将
「トヨタは4強に残ったチームとして、チャレンジしたいと、強い気持ちで臨みました。試合中は『いける』という感じがありましたが、ちょっとした反則を点につながれたり、ラインアウトからの仕掛けで1発で獲られたりと、ディフェンスがちょっと淡白だったかもしれません。すごく悔しいのですが、12月の対戦時より、少し成長していたと思います。しっかり今日の反省をして、もう一度、東芝、サントリー、ヤマハさんにチャレンジしていきたいと思います。速い展開で出せればいけると思っていましたが、ディフェンスがかぶさってきて、二人で挟んできてボールが上になり、パイルアップを取られるなど、やはり向こうが上だったと思います」

東芝 38-33 トヨタ自動車   東芝 38-33 トヨタ自動車   東芝 38-33 トヨタ自動車

薫田監督(右)、冨岡キャプテン
薫田監督(右)、冨岡キャプテン


◎東芝ブレイブルーパス
○薫田真広監督

「まず、4強になっての、このゲームは非常に厳しいゲームでしたが、逆に大きな財産にもなったと思います。プランとしては、トヨタさんはラスト25分からインパクトプレーヤーが出てくるので、それまでに点差を広げておこうと考えましたが、できませんでした。ただ、要所要所でのターンオーバーができて、選手の判断を評価したいと思います。
サントリーさんとは真っ向勝負したいと思います。ラック主体のサントリーさんに対してディフェンスの整備をしたいと思います。2、3名の怪我人もいますので、状況を見て判断します。
(サントリー戦は?)基本的には天候はどちらでも良いんですが、清宮が『晴れろ、晴れろ』と言うので、それなら雨が降ったほうが良いのかなと言っているだけです(笑)。
(サントリーも接戦を制してきているが?)天候によっては、逆に双方空いたスペースを狙ってくるので、それまでの過程の中で駆け引きしていきたいと思います。サントリーさんは今日、後半の後半に3トライ続けて獲られているので、メンバー交代の様子も気になるところです。じっくり分析して臨みたいと思います」

○冨岡鉄平キャプテン
「もう少しボールを動かして面白いラグビーをして、試合を楽しみたかったのですが、非常にトヨタさんが強く、思うようなラグビーができませんでした。アタックの前へ出て来る強さ、ディフェンスの強さ、これまでで一番強いトヨタさんだったと思います。トーナメントは一発勝負、よい勉強になりました。これだけ強いトヨタさんに勝ったのだから自信をもって、モチベーションを上げてサントリーにチャレンジしたいと思います。
(アイイ選手について)感覚的にラグビーしてくる選手かと思っていましたが、60分、しっかり計算して、勝負どころでは勝負してくる選手です。ただ、今日は内に居てくれたので、爆発的な良さを出されなくて良かったと思います。
(フルバックだったら嫌だったか?)日本選手権もありますので‥‥(笑)。
後半はこれまで出られなかった松尾が彼らしいトライをしてくれました。アンラッキーなトライもありましたが、あそこで簡単に流れをうちに持って来させないトヨタさんの強さです。広瀬が、リーダーらしくメンタル的にも強いプレーをして、マクラウドのトライも彼が演出し、苦しい展開を打開してくれて頼もしかったです」



2007年1月29日

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