前半5分にトライを挙げ、早々にリードした近鉄だが、接点で若干の甘さが出て、その後、敵陣GL前で何度となく攻めるが、三菱の粘り強いタックルのため、取りきれない。しかし前半17分、度重なる三菱の反則に対し、レフリーがペナルティートライを近鉄に与え14-0。近鉄は、その後もFL6タウファ統悦を核に突破を図るが、味方FWがスイープしきれず、優位にゲームを支配できない。前半24分、三菱陣10m付近の近鉄ボールスクラムから、サインミスのこぼれ球を拾い、三菱SH芝本が独走トライ(G不成功14-5)。その後両チームとも1トライずつ取り合うが、三菱は自陣GL前から展開したボールをターンオーバー、近鉄は自陣ゴール前のラックをターンオーバーしたものの、キックをチャージされたもの。強引なプレーからの綻びが、失点に結びつく展開であった(21-10)。
後半6分、展開から好機を掴んだ三菱が連続攻撃、NO8ブレアがトライ(G不成功21-15)。近鉄FWが接点で遅れ始め、三菱がゲームを支配したが、少ない好機を近鉄が生かし反撃、三菱陣22m内でのPGを10重光が確実に決めリードを広げる(24-15)。LOトンプソンがBKラインに参加、効果的なゲインを重ね、リズムが戻った近鉄は、後半27分トライを挙げ突き放す(G成功31-15)。直後の後半30分、反撃に出た三菱は、近鉄GL前ラックから展開、FL佐藤のトライで息を吹き返す(G成功31-22)。その後のリ・スタートでキックの応酬となったが、自陣でボールをキャッチした近鉄が、キックではなくランでゲインを図ったが、自陣10〜22mの中間付近で捕まり、FWのバッキングアップが遅れるなど苦しい試合展開。FWの足が止まったところを三菱に仕掛けられ、後半34分ペナルティーからSH9芝本→CTB13タウシリと繋ぎ、トライ(G不成功31-27)。流れは完全に三菱の中、三菱陣10〜22mの中間付近でペナルティーを貰った近鉄は、タッチで時間を稼ぐのではなく、PGを選択。成功すれば7点差となり、残り時間を考えても総得失点差で三菱を上回るため、重要なキックとなったが不成功、三菱のカウンターアタックから猛攻の末、最後は三菱WTB14三須が逆転トライ(G不成功31-32)。時間と自動昇格のプレッシャーの中、正にしのぎを削った両者であったが、最後の5分間、足が前に出続けた三菱が大きなヤマを乗り越えた。(廣島治)
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中谷監督(左)、辻本キャプテン
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近鉄ライナーズ 31-32 三菱重工相模原(1月27日)
◎近鉄ライナーズ ○中谷誠監督 「今日の試合の結果は私の責任‥‥それ以上ありません」
○辻本裕キャプテン
「感情的‥‥冷静に話すことができないけれど、次があるから次に向けて頑張ります」
――後半38分にPGを狙ったのはベンチの指示か。
○中谷監督
「ベンチの指示ではない。4点差を7点差に引き上げたかったことと思っている」
――精神的はことも含めチームをどう持っていくのか。
○中谷監督
「2月12日のことは、今は何も考えていない。最後のチャンスになるかもしれないが準備をしていく。今日のことしか考えてこなかったので、頭を切り替えていくことにする。チャンスがある限りそこに向かっていくしかない」
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相良監督(左)、佐藤キャプテン
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◎三菱重工相模原 ○相良南海夫監督 「私たちはこれを目標にしてきたので(トップリーグに昇格できて)うれしいです。私はスタンドで選手を信じていた。最後まで選手があきらめずに戦ってくれたことが良かった。皆に感謝したい」
○佐藤喬輔キャプテン 「九電戦があのような結果で終わってしまったので、原因である接点とセットプレー、特にラインアウトを一からやり直した。途中、苦しい展開に間違いなくなると思っていたので、絶対にあきらめない気持ち、折れない心を皆で持とうと常に声を掛けた。結果が出せて良かった。うれしいです」
――近鉄のスクラムの圧力はどうか。
○相良監督
「スクラムは五分に近いのでいけると思っていた。フォワード勝負でして来てもらったほうが焦点がはっきりするので、その点僕は選手を信じていた」
――近鉄の変化を感じたのはいつごろか。
○佐藤キャプテン
「16点差のあと、まだまだいけると感じた。また一本取り返したあとは"いける"と考えた。点差はあったが、我々の押し時と思った」
――近鉄の終盤のPKはどう感じたか。
○相良監督
「モールで勝てる自信があったのでタッチキックを蹴ってもらったほうが良かった。私としては、PGを狙って欲しくなかった」
――トップリーグへの抱負は。
○相良監督
「とにかく、上ることを考えていた。(私なりの)ビジョンはあるが会社にも相談をしながらこれから考えます。一年で終わらないように頑張ります」
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