冬本番を思わせる肌寒い気候となった12月3日、1ヶ月の間隔をおいて再開されたラグビートップリーグ、近鉄花園ラグビー場でトヨタ自動車ヴェルブリッツ対日本IBMビッグブルーの一戦が行われた。
試合開始当初からトヨタが押し気味に試合を進めていたなか、7分、IBMがトヨタの一瞬の隙を突いて攻め込み、FBの高がトライを奪い先制するものの、その後は落ち着きを取り戻したトヨタがフォワードで圧力をかけ、17分、20分、27分と3連続トライを奪って逆転した。IBMも34分に1トライを返したが、前半終了間際にトヨタがトライを奪い、22対10で前半が終了した。
後半開始早々の1分にNo8のタマイティがトライを奪い、その後もフォワード、バックスが一体となった多彩な攻撃でIBMのディフェンスを撃破し、連続4トライを奪った。また、前半は不調だった廣瀬のゴールキックも決まるようになり、IBMに1トライを返されるものの、ロスタイムに入っても2トライを奪い、72対17でトヨタ自動車ヴェルブリッツが快勝した。
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大西ヘッドコーチ(左)、高キャプテン
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トヨタ自動車ヴェルブリッツ 72-17 日本IBMビッグブルー(12月3日)
◎日本IBMビッグブルー
○大西一平ヘッドコーチ 「点差のとおり完敗です。ミス、反則が多かった。気持ちはわかるが気負いが変な形になってしまった。細かく見直さないとわからないが、全体的にミスの多い試合だった」
○高忠伸キャプテン 「前半は、やろうとしていたプレーがいくつかでき、いい勝負ができたが後半はミスで崩れてしまい、トヨタを勢いに乗せてしまったのがこういう結果になった、完敗です」
――攻めても最後に取りきれないのは?
○大西ヘッドコーチ
「トライを取ろうという意思はあるのだが、一人ひとりの気持ちが分離してしまっている。チーム全体でとろうという意識が必要だ」
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朽木監督(右)、麻田キャプテン
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◎トヨタ自動車ヴェルブリッツ
○朽木英次監督 「一ヶ月の休みで前半節の課題をしっかり克服すべく高知県で合宿して自信を持って今日のゲームにのぞんだ。目標は4トライ以上、相手を10点におさえることだった。点数をおさえることができず課題が残ったが、たくさんトライをして満足している。
次のゲームがトヨタにとって大切なゲームになるのでよいステップになった。いったん今日のゲームは忘れてしっかりチーム作りをしていく」
○麻田一平キャプテン 「ゲームの最初はミスが出たし悪かった。個々のアタック、特にBKが個々で仕掛けて相手の裏に出るプランだった。結果、トライをたくさん取れたのはよかった。ディフェンスを整備してサントリー戦にのぞみたい」
――序盤のミスについて?
○朽木監督
「IBMが反則から早く仕掛けてくるのは予測していたので、まず反則しないこと、もし反則をおかしてもリアクションの速さで対応しようと。しかしわかっていながら反則をおかして早く仕掛けられたところが唯一のほころび、そこから起点をつくられた。なんとか後半は修正できた」
――前半節の課題とは?
○朽木監督
「前半戦を戦って、うちがトライをとられたパターンを分析した結果、『FW力』特にモール、ラインアウトがトップチームと比べて劣っていたので、この『FW力』を強化してきた。メンバー変更もしながら、よいFWを作れたと思う。モールで一つ取られたが、モールで攻めるオプションが一つ増えた。これからはトーナメントのつもりで負けたら終わりという覚悟を決めてのぞむ」
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