立ち上がり、神戸製鋼の攻撃が目立った。リコーの動きの固さと反則から、3分に神戸製鋼がラインアウトからトライ。前半中頃からは、神戸製鋼に反則が目立ち始め、徐々にリコーが攻勢に転じた。トライチャンスもあったが、ペナルティーゴールに止まった。前半終盤には神戸製鋼が再度ラインアウトからトライし、12対3で神戸製鋼がリードし折り返す。
後半に入り、一進一退を続ける中、20分前後には両チーム選手の入替が頻繁に行なわれたが、やや神戸製鋼が押し気味に進めた。しかし、神戸製鋼はチャンスを反則でつぶす一方、リコーは粘り強くディフェンスし、力強さを感じるゲームとなった。終盤、リコーはトライを許したが、ロスタイムに初トライし、次への意気込みを感じさせた。
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佐藤監督(左)、伊藤キャプテン
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神戸製鋼コベルコスティーラーズ 19-8 リコーブラックラムズ(9月17日)
◎リコーブラックラムズ
〇佐藤寿晃監督
「リコーファンの方に対して恥ずかしい試合をしてしまった。前半はキックやキャッチミスが多発し、リズムに乗れなかった。後半は神戸の攻撃をしのいだが、結果としてこの点差になってしまった、ともかく前を向いてやっていくしかない」
〇伊藤鐘史キャプテン
「トヨタ戦の反省から、今日の目標のラインアウトでマイボールを取って展開していくという点では収穫があった。しかし、その次のフェイズでブレイクダウンした時の神戸は予想以上に厳しかった。ディフェンスは途中で引き締めることができたと思う。ゲーム開始からあのスイッチでいけなかったのが最後まで響いた」
――この点差についてどう思うか。
〇佐藤監督
「自分たちでゲームをコントロールできなかったのが負けにつながった。力の差というより基本的な部分で負けた。攻めた時間、守った時間を比較すると、うちは短い時間で得点している。この時間の比率をどれだけ高めていくかが、今後の課題」
――神戸に対してどのような対策でのぞんだか。
〇伊藤キャプテン
「まずFWのモールで行くこと、神戸のディフェンスの上がりが早いので、FWで崩して、クイックボールを出して裏へ出ようとしたが思い通りにボールを動かせなかった」
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増保監督(左)、林キャプテン
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◎神戸製鋼コベルコスティーラーズ
○増保輝則監督
「とりあえず勝ててよかった。しかしながらまだ取りきれていない。前回の反省で、相手陣に釘付けにならないようにキックを有効に使っていこうとしたが、ツメの部分があまい。少し取り急ぎすぎる。普通ならボールをリリースしてテンポを上げるのだがそれができない。ちょっとガメッてボールの出が遅くなったり、コントロールができなくなったりした」
○林慶鎬キャプテン
「勝ったことに関してはよかったと思っているが、4トライをあげてボーナスポイントが欲しかった。ゲームを支配していたのに、取りきれない。もっと得点力を高めることが課題」
――今後の選手起用について。
○増保監督
「これからサニックス、トヨタとFWの強いチームとあたっていく。うちのチームは比較すると少し小さいので外国人選手の起用もふくめ考えていく、BKも元木が戻ってくればラインが前へ出られるだろうし、外も使えるようになるだろう」
――後半のラインアウトが崩れたことについて。
○林キャプテン
「サインは自分が出していた。少し考えすぎてしまった。リコーは後半に修正していくだろうと予想してこちらからリズムを変えたが、結局、変化してこなかった。結果的に前半のままでよく、変える必要はなかった」 |