12月9日に神戸で行われたトップチャレンジ2第 1節で、両チームノートライながら、18-9でHondaに競り勝った三菱重工相模原と、第2節で、そのHondaに33-7で敗れたマツダブルーズーマーズとのトップリーグ昇格への生き残りをかけたゲーム。トップチャレンジ1に入るためには、マツダは44点差をつけて勝たねばならない。逆に、三菱重工は引き分けでもトップチャレンジ2をトップ通過できる余裕がある。
こうした一発勝負の試合では、入り方が非常に重要だが、三菱重工は見事だった。
前半開始1分、敵陣10mライン上のラックから、左への3次攻撃で、パスを受けた三菱重工11番シェーン・ウィリアムズが突破し、8番李にパス、さらに李のオフロードパスを受けたシェーン・ウィリアムズがタックルを二人かわして中央に回り込みトライ。ゴールキックも同選手が難なく左足で決めて7-0となった。
負けられないマツダも奮闘し、8分、敵陣ゴール前左中間スクラムから8番トンガ選手がサイドを突き、ラックから左に展開し、9番森から11番三好への飛ばしパスが通り左中間にトライ。15番前田のゴールも決まり、試合は振り出しへ。
三菱重工は「いけいけ、ミツビシ」の応援に応え、14分、この試合のキーパーソンになった11番シェーン・ウィリアムズの細かいステップからのラックから速い展開の3次攻撃、さらにゴール前10mのラックで9番から10番へパス、ダミーで裏に出た10番阿久田が右中間にトライし12-7となった。
この後は、三菱重工に運も味方したようで、23分、敵陣ゴール前左端の5mスクラムからラックになり、FWの足に当たったボールがマツダ陣インゴールに転がるところを、すかさず三菱重工7番中川ゴフが押さえた。難しい角度のコンバージョンをシェーン・ウィリアムズが決め、19-7と点差を広げる。
続く25分にも、三菱重工はキックオフボールを獲得して右展開し、9、10、13、5とつなぎ、最後にパスを受けた14番椚が大外から回り込み、中央にノーホイッスルトライ。前半は、三菱重工が26-7とリードを奪った。
後半、風下となった三菱重工だったが、またも入りが良く、1分に右展開し、アングルを変えて入ってきた14番椚にマツダBKは誰も触れず、そのまま中央右にトライ。3分には、相手のファンブルしたボールを拾った三菱重工11番シェーン・ウィリアムズがディフェンダー二人をステップとチェンジオブペースでかわし、左中間にトライ。さらに、4分には三菱重工6番堀越が左隅にトライし、一方的な展開となった。
この後も三菱重工は14分に15番青木の左中間トライを加え、19分に、ターンオーバーから左展開し、ディフェンス二人を置き去りにする衰えのないスピードを見せた11番シェーン・ウィリアムズが、この日ハットトリックとなる左隅へのトライ。
さらに、交代した選手の活躍もあり、26分、31分、35分、39分とトライの山を築いた三菱重工相模原が81-7で勝利した。
後半25分に退くまで、3トライ5ゴールの11番シェーン・ウィリアムズの大活躍で、トップチャレンジ1に駒を進めた三菱重工相模原は、第1節1月5日に秩父宮で豊田織機と対戦する。
ウェールズ代表87キャップ、2008年IRB世界最優秀選手に選ばれ、テストマッチ通算60トライ(ライオンズを含む)の老練なステップとチェンジオブペース、コース取りとバッキングアップの動きは特筆に値する。身長わずか170cmの「ポケットロケット」シェーン・ウィリアムズ選手を、ぜひ、その目で確かめて欲しいと思わずにはいられない。
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