11月ウインドウ・マンスが明けて12月3週目、師走の声とともにトップリーグも第11節、今日を含めて残り3節と終盤を迎えて各チーム今シーズンの仕上げに入る。近鉄花園第1試合は、九州電力キューデンヴォルテクスとパナソニック ワイルドナイツの一戦。九電は、前節リコーブラックラムズから1点差の勝利を挙げ意気上がるところ。これに対するパナソニックは、現在東芝ブレイブルーパスと同一勝点でリーグ3位、プレーオフ進出を目指しどうしても負けられない試合。ようやく夜来の雨が上がった近鉄花園ラグビー場に九州から駆けつけた熱心なファンも見守る中、九電のキックオフで試合が開始された。
試合立ち上がり、双方のせめぎあいが続いた後、4分ハイタックルで九電5番 浦がシンビン、これがリズムを大きく狂わせる。直後の5分にパナソニック、ラインアウトからの展開に走り込んできたゲームキャプテン11番 三宅が先制のトライを挙げる。九電の浮足立ったディフェンスのギャップを衝いて、あるいはオフロードパス、あるいはカットインと自在にラインの裏に出る攻撃で、13分15番 田邉、15分14番 山田、20分13番 笹倉、24分14番 山田、29分11番 三宅と縦横に走り回りトライを量産。前半30分で0-40とワンサイドの展開となる。
一方の九電は、30分をまわる頃から相手陣に攻め込み相手オフサイドを誘発、タッチに蹴り出した後ラインアウト・モールを押し込んで33分6番 キャプテン松本がようやくトライ(G成功)、40-7と反撃。しかし今度は、九電がオフサイドを宣せられた後にボールを蹴りだすという不用意な反則でGラインまで罰退。パナソニック、ラインアウトからのピールオフプレイで2番 設楽がインゴールに飛び込み、さらに、前半終了間際に1PGを追加し、7-50といわゆる100点ゲームを視野に収めて折り返す。
しかし、後半は、大量得点で気持ちの緩んだパナソニックに対して開き直った九電が襲いかかる。まず4分、13番 スウィーニーが自陣でパスインターセプト、70メートルを独走してトライを挙げると、6分には、再びディフェンスの綻びを縫って大きくゲインすると、慌てずBKラインに戻して展開。10番 齊藤のキックを追走した11番 早田が押さえ21-50と追いすがる。この後も九電、前がかりのディフェンスラインに対してBKラインからのキックをチェイスして押さえるプレイで2トライを重ねるが、パナソニックも切替えてFWのパワープレイなどにより3トライを追加。最後に37分、相手キックのチャージダウンからSHに入った20番 高安がトライ、35-76と乱打戦を制した。マン・オブ・ザ・マッチは、7番 西原。
この試合、後半だけを見てみると共に4トライずつ、G差で九電が28-26と2点リードして終わっており、今後今季無敗の神戸製鋼と当たるパナソニックにとっては、良好なコミュニケーションを維持し常に集中し続けるという課題が残った。一方の九電にとっては、トップリーグ残留がかかる中、粘りを見せて勝点1を獲得したことの意味は大きいと言えよう。
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