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10節 マッチサマリー(サントリー 15-14 東芝)

サントリーサンゴリアス 15-14 東芝ブレイブルーパス
【week10/2012年12月8日(土)/東京・味の素スタジアム】

サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝

サントリー、東芝によく守り勝ち、1点差で勝利。開幕10連勝

リーグ戦13節のうち今週が10節目。トップ4入りを決めるのに直接影響する試合がこれから4節続く。サントリーにとっては、東芝は昨年のリーグ戦で唯一の負けを喫した相手だ。東芝はこの試合に負けるとトップ4入りに黄色信号が灯る。

試合開始直後は東芝のFWが前に前にと出て、フェイズを重ね、ボールをよくつなぎ、再三、サントリーのゴール前に迫るが、反則でプレーが止まり、なかなか、決め手にはつながらない。前半16分にはSH日和佐が負傷交代し、サントリーは練習でもSHをやったことのないリザーブの小野がSHに入る苦しい布陣。
前半18分、それまでずっと自陣で戦っていたサントリーは、カウンターアタックからFLスミスがよくタッチに出さずボールを生かし、ようやく敵陣ゴール前にすすめたワンチャンスを生かし、最後はSOピシがタテに抜け、FB竹本竜-WTB長友とつないでトライ(ゴール成功)、7-0とした。

東芝の分厚い攻撃はその後も続いたが、サントリーのディフェンスに攻めあぐね、前半の東芝の得点はPG1本だけ。前半終了前ホーンが鳴ったあとにも東芝は敵陣ゴール前に迫ったが、得点はできず、逆にターンオーバーからサントリーに自陣まで戻された。サントリーは中央付近右サイドでPKを得ると、ゴールポストまで50mはある難しいPGをサントリーCTBニコラスが決めて、10-3でハーフタイムとなった。

東芝は後半2PGでの加点をして、10-9とした後、後半21分には、前日、スーパー・ラグビーのチーフス トレーニングスコッド入りの発表があったFLマイケル・リーチのオフロードパスからWTB廣瀬-CTB仙波とつなぎ、ようやくトライをとり(ゴール不成功)、10-14と逆転した。
セットプレーに強い東芝に苦しみ、サントリーはいつものアタッキング・ラグビーが出せない。サントリーが負けるのはこんな試合の日なのだろうかと思い始めたころ、次にトライを取ったのはサントリーだった。後半27分、ラインアウトから数次にわたるアタックの後、この日起用された若手FB竹本竜とCTB村田でゴール前に迫り、そのボールをもらったWTB小野澤が東芝のディフェンスをうまくかわして、インゴールにボールを押さえた(ゴール不成功)。

これで15-14と1点差でサントリーリードとなったが、残り時間は約12分。どちらのチームもともかく追加得点がほしい。38分には東芝がゴールまで50mほどある右サイドの難しい位置でのPKを得てCTB森田がゴールを狙ったが左に外れ、逆転はならず、そのまま15-14でノーサイドとなった。
どちらに勝利が転がり込んでもおかしくない試合展開だったが、V2の本命サントリーにとっては課題が多く見つかった苦しい戦いとなった。両チームともこの日起用された若手がいいプレーで十分期待に応えていた。今後、重要な試合が続くが若手の更なる活躍に期待したい。(正野雄一郎)

会見ダイジェスト
東芝ブレイブルーパス
和田監督(右)、豊田キャプテン
和田監督(右)、豊田キャプテン

■東芝ブレイブルーパス
和田賢一監督

「府中市はじめ、多くの方々にお越しいただき本日はありがとうございます。15-14でしたが、一つ一つのプレーの精度が今一つでした。前半、浮足立ってドタバタとして、経験不足を露呈してしまったかと思います。選手はアタック含め、良くやってくれました。アタックを仕掛けるところで孤立するなど、コネクションのところが未完成ですが、後半は良いアタックもやり切ることができました。ディフェンスでは、選手は一つ一つのタックルの重要性や、一発のタックルミスが致命傷になる怖さを思い知ったと思います。3敗したが、次の神戸製鋼戦に向けて良い準備をしていきたいと思います」

──森田選手のキックが入らなかったが?

「入らなかったのは結果論です。非常に良く練習していますし、僕は入ると思っていました。彼にとって良い財産になる経験だったと思います」

──リーチ選手のスーパーラグビー入りは?

「その辺は詰めているところです。日本選手権を含め、日本でのラグビーシーズンが終わってから行くことになると思います」

豊田真人キャプテン

「府中ダービーということで、たくさんのファンの皆様が来場され、嬉しく思います。東芝とサントリーさんとは、お互いの意地がぶつかり合いますので、いつも熱い試合になります。負けてすごく悔しいです。特にセットプレーではこちらがチャンスをつかめたのにもかかわらず、ラスト10分のトライでは、チームの規律が守り切れず反省点です。次の神戸製鋼戦に向けてその点を生かして行きたいと思います」

──前半、ペナルティから攻めたが?

「まず、ボールを持っているプレーヤーが行けると判断したら、ゴーです。しっかり狙えるチャンスがあれば狙いますが、今日は東芝にもショットだろうと思って足が止まる選手がいました」

──スクラムは勝っていたと思われるが?

「スクラム含め、FW戦ではやり切れたと思いますし、そこにこだわっていたところでもあります。再戦のチャンスがあれば、もう一度サントリーさんのFWとしっかり戦いたいと思います」

サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝
サントリーサンゴリアス
大久保監督(右)、真壁キャプテン
大久保監督(右)、真壁キャプテン

■サントリーサンゴリアス
大久保直弥監督

「東芝さんはコンタクトでもそうですが、本当に激しいセットプレーとブレイクダウンで来られました。こちらが負けている部分があったと思いますので、修正していきたいと思います」

──トップ4を決めたが?

「まあ、もちろん今年から監督、キャプテンが代わって、まずトップ4に残ることが目標でしたので、次の戦いのステージに行ける、という感想ですかね。チームはさらに進化するし、進化させないといけないと思います」

──日和佐選手が早い段階で離脱したが、こういう状況は想定していて小野選手に任せたのか?

「あんまり、想定したくないですね(苦笑)。ベンチにハーフのカバーメンバーは入れていたが、フーリーも復帰のゲームで、長い時間は出したくなかったので。晃征があそこまでやってくれたとは。本人も誰がどこでプレーしても変わらないのがサントリーと言っていたそうですね。練習は全くしていなかったですが(笑)」

──リーチ選手がスーパーラグビー入りを果たしたが?

「選手としては、より高いレベルを求めるのは自然な欲求です。ぜひ、活躍する選手がどんどん出てきてほしいですね。サッカーと同じで、日本にいては分からないし、できないこともありますから。応援しています」

──小野澤選手がチームを救うトライを決めたが?

「まあ、一緒にプレーしていましたからね。ちょっと若い時と比べて運動量は落ちているが、トライを獲り切るハングリーさは昔も今も変わらず貪欲です。頼りになる選手です」

真壁伸弥キャプテン

「お疲れ様です。自分たちがアタックしないゲームでした。セットピースで相手にボールを渡してしまったのが良くなかったと思います」

──トップ4を決めたが?

「選手としては、1試合、1試合にフォーカスしています。チームとしては、トップ4は通過点です。まずは、次のゲームに勝って、積み重ねていくことが大切だと思います」

──サントリーからもスーパーラグビーに挑戦する選手は出るのか?

「機会があれば(すかさず、横から大久保監督が『まだまだ(笑)』と、たしなめる)」

サントリー 15-14 東芝   サントリー 15-14 東芝


2012年12月9日

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