ここまで負けなしで第2位の神戸製鋼と勝点0で最下位のNTTドコモの阪神ダービーは、秋晴れの花園ラグビー場に5000人を超す観衆を迎えて行われた。両チームのファーストジャージが赤ベースであるため、神戸製鋼が見慣れない黒のセカンドジャージで登場して異彩を放った。
前半、NTTドコモのキックオフで試合開始、早々に先制したのはNTTドコモ。SOの位置に入った15番 FBムリアイナのショートパントを2番 HO水山が右隅で押えた。ムリアイナはこの試合、その後も再三SOの位置で効果的なキックや力強い突破を見せた。
その後、神戸製鋼は10番 SOグラントの着実なPG2本でいったんは5-6とリードするが、前半15分、No.8マパカイトロのシンビンから形勢は逆転、NTTドコモがHO水山、No.8箕内らベテランFW陣の活躍で2本のトライをあげ、大方の予想を覆し19-13とリードして前半を終える。
後半に入ると神戸製鋼の組織的プレイが徐々に機能し始める。NTTドコモがやや集中力を欠く場面もみられたが、4分、7分と神戸製鋼は立て続けにトライをあげ、27-19と再度逆転。しかしこの日のNTTドコモは粘りを見せ、21分の14番 WTB平瀬主将のインターセプトからの60m独走トライと33分の10番 SO伊藤の40mのロングPGで29-27と再び逆転に成功。
終盤にきて俄然興味をそそるスリリングな試合展開となったが、ゲームを制したのはやはり地力に勝る神戸製鋼。36分に10番 SOグラントがPGに成功して30-29、さらに終了間際にもこの日大活躍の13番 CTBフーリーのトライで29-37と突き放し、二転三転したゲームに決着をつけた。
無敗を守った神戸製鋼の落ち着いた試合運びも目立ったが、終了間際まで神戸製鋼を追い詰め、4トライで初の勝点をあげたNTTドコモの粘りと連続攻撃は、次節以降へ大いに期待をつなぐ試合内容であった。
MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は豊富な運動量と堅実なディフェンスを繰り返した神戸製鋼FL前川に贈られた。
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