サントリー、ソニー ビル・ウィリアムズからのアタックを封じ、開幕7連勝
時間は後半20分を経過していた。スコアは20対20。最後の20分間で勝負が決まる。
ここでトライを取ったのはサントリーサンゴリアスだった。後半22分、敵陣に入ったサントリーはスクラムでのパナソニック ワイルドナイツのペナルティから速攻。No.8竹本の突進から、SOピシ-CTBニコラス-WTB小野澤とつなぎ、ラックから出たボールをSOピシが中央突破し、ゴール下にボールを持ち込んだ。CTBニコラスがゴールも決めサントリーが27-20と、先制点以降この試合で初めてリードした。
ここで、サントリー大久保監督は、それまでテンポよくボールを動かし決勝トライも取った日和佐・ピシのハーフ団を、デュプレア・野村のコンビに入れ替えた。7点のリードを守るというより、あと20分、パナソニックのいい所を出させず、リスキーなプレーをするより、7点リードをしっかりと拡げるゲーム・メークをデュプレアに期待したのだろう。
このハーフ団の入れ替えがしっかり結果につながった。サントリーはデュプレアが入ったすぐ後、自陣でのターンオーバーから、30フェイズ以上に亘りアタックを続けた。この間、FWの選手もバックスの選手もミスなくボールをつなぎ続け、パナソニックは防戦一方。ポイントから出るボールは「シェイプ」されたFW・バックスプレーヤーに次から次へとSHデュプレアから捌いていた。最後は、30以上のフェイズのアタックで自陣から敵陣ゴール前まで進めたボールを、FLスミスからもらったCTBニコラスがとどめのトライ。ゴールも決め、34-20とし、このスコアのままノーサイドとなった。サントリーは4トライでボーナスポイントも取り、開幕7連勝と、リーグ戦独走状態となった。
試合は開始直後から、両チームがPGを決め、3-3。8分にはパナソニックがキックオフのボールキャッチからのバックス攻撃でWTB山田が開幕から7試合連続の記録となるトライ(ゴール成功)で3-10とリードした。その後、両チームがPGを追加した後、前半27分にはサントリーが数次に亘るアタックから、右ラインでCTBニコラスからFLスミスへ、スミスからリバースのポップパスを受けたニコラスから最後はSOピシにつなぎ、トライ(ゴール成功)13-13と同点とし、そのまま前半終了。
後半早々、パナソニックWTB山田がインゴールへのグラバーキックを押さえられず、トライを取れなかったプレーもあったが、12分にはパナソニックSOデラーニがうまくスペースを突きトライ、また、16分にはサントリーWTB小野澤がトップリーグリーグ戦99トライ目となるトライを挙げ、20-20のスコアで拮抗した試合となっていた。パナソニックのバックスもよくチャンスを作っていたが、サントリーはパナソニックの決め手となるソニー ビル・ウィリアムズのオフロードパスからの攻撃をしっかり封じ、パナソニックのいい所を出させず7連勝。サントリーが首位を独走する勢いは止まりそうにない。(正野雄一郎)
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